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#4792 土曜音読特訓:Vivid 2 Lesson 7、説明ルール July 30, 2022 [49.1 英語音読トレーニング]

<最終更新情報>7/31朝8:45 <余談:英文読解速度目標値の設定>追記

  今日の授業はVivid 2 のLesson 7、part2~part4まで。
 生徒が引かかったところやこちらから質問した箇所だけをピックアップして御覧に入れる。
 In 1841, Manjiro, 14, went fishing with four older fishermen.  Caught in a storm, their boat was pushed away and washed up on a deserted island.  Catching albatrosses for food, they survived there until a U.S. whaling ship, called the John Howland, saved them.


 went fishingを生徒が「釣りにでかけた」と訳したが、「遊漁船に載って魚釣りに出かけたわけではなく、生活の糧を得るために船に乗ったのだから、訳語は別の方がいいだろう」と示唆すると、「ああ、そういうことですか、「漁に出かけた」ではいかがでしょう」と気が付く。いいね!

 caught in the sormは3通りの解釈の余地が生まれる。
「The boat was caught in the storm and pushed away ~」
 とやるか、または
「the boat was caught in the storm, pushing away ~」
Since the boat caught in the storm, it was pushed away and washed up on a deserted island.」
When the boat caught in the storm, it was pushed away and washed up on a deserted island.」
「船は嵐に遭遇、沖へと流され、無人島の岸に打ち上げられた」
「船は嵐に遭遇したので、沖へ流され、無人島の岸辺に打ち上げられた」
「船が嵐の遭遇したときに、沖は流され、無人島に打ち上げられた」

 この3つの解釈が成り立つ。分詞構文は意味があいまいになるので、そうしたくなければ、書き換えたほうの文でやるのがいい。これら三つの出来事は時間の順序通りか、出来事の起きる論理的な順序に従って並べられる。日本人の書いた英文には分詞構文が割と多いが、ネイティブの書いた英文は文頭に来る分詞構文は頻度がずっと小さい。
 2番目のcatchingで始まる分詞構文も同じこと。文脈上、齟齬をきたさない範囲なら、どのように訳出してもよい。
 漂着した無人島には明治時代には百万羽もアホウドリがいて、人間を恐れなかったから簡単につかまえられた。漂着した猟師たちは、アホウドリをつかまえて、そのまま生で食べたのだ。火はない。明治時代にアホウドリをつかまえて売る猟師たちが殺到した。そのときにアホウドリは一時絶滅しかかっている。数は数十分の一に激減してしまった。
 太平洋上には何隻もの捕鯨船が漁をしているので、その中の1隻だからa whaling shipと不定冠詞のaがついている。そのあとのthe John Howlandは定冠詞がついているので「ジョン・ハウランド号」という船名だということがわかる。人の名前なら定冠詞のtheはつかない。人名にtheがつけば、「〇〇家」という意味になる。少し先を読むと船名であったことが明瞭になる。この文がそうだ。

  The crew members began to call him "John Maung" after the ship's name.
 (乗組員は船名にちなんで万次郎を"ジョン・マング"と呼び始めた)

 SVOCの文であるから目的格のhim="John Mung"である。「call ... A after B:Bにちなんで...をAと呼ぶ」は覚えていた方がいい。

  After a long voyage, the ship arrived at its homeport, New Bedford, Massatusetts.
「長い旅行の後で」と生徒が訳したので、「どこからどこまで何に乗って旅行したの?」と訊いてみた。「voyage」の訳語は「旅行」と辞書には出てるのでしょうが、後ろに続く説明から判断するともっと適切な訳語が考えられませんか?」
 ここは「長い航海を経て」と訳してもらいたい。
 生徒は「its home port」を祖国と訳したが、素直に「母港」でいい。釧路は遠洋漁業の捕鯨船の母港だったことがある。場所を言うときは A<B<C<...と、左側から右に向かって広くなっていく。「祖国」と訳すと町の名前の「ベッドフォード」よりも大きくなるから、右に来なければいけない。位置関係が異なる。マサチューセッツ州も同じこと。

 A few years later, Manjiro became the chief officer of another whaling ship. This showed that Manjiro was looked up to as a man of the sea.

 A few years laterは指定ルールで「指定は前に置く」、後ろに来る文全体を「数年後のことだ」と指定している。青字の部分 "the chief officer" を生徒は「将校」と訳した。まだ文全体を読んで訳語が適当かどうかの判断ができない様子。シーンが具体的に頭の中に具体的なあるいは論理的なイメージを結んでいないのです。それで質問です。
「文全体を見たときに、その訳語で違和感ありませんか?」
「???」
「将校って、軍隊組織の階級ですよ、これは軍隊の話でしたか?」
「違いますね」
「捕鯨船での話です、辞書をもう一度引いてください。船に関係する訳語が見つかりますよ」
「...、あ、一番最後にありました。一等航海士」
 一等航海士は船の中では船長のつぎに偉いのです。船長に何かあれば一等航海士が船を指揮します。全員が彼の指揮に従います。

 「be looked up to」は「見上げられる⇒尊敬される」ですから、
(一等航海士になったということは、彼が海の男として尊敬されていたということです)


  Since Japan's doors to foreign countries were closed at that time, his path was not smooth.

 生徒の訳は(当時は日本のドアが閉じられて以来、彼の道のりは平たんではなかった)でした。
 「最初の青字は日本史でやったでしょ、こういう状態を表す専門用語で適語があるでしょ?」
 辞書に載っている訳語を貼り付けるだけでは進歩がなくなりますから、適訳は何かちょっとだけ考えてください。そう「鎖国していた」でいいのです。
 現在完了形でsinceが何十回もでてきたので、sinceを見たら、反射神経で「~以来」と訳してしまいます。それで意味が通るか、考えましょう。すぐにまずいと気が付きますよ。
「辞書をもう一度引いてください、文頭のsinceは接続詞のことがあります」
「ありました、理由を表す接続詞です」
「では次の問題です、his pathは具体的に言うとどういうことですか?」
 次の文を読み進めたら具体的なことがわかります。「説明ルール:説明は後」は二つの文章の間にもあるのです、それも頻繁に。彼は船で琉球へ渡りますが、国禁を犯した重罪人ですから、監視下に置かれ、漂流のいきさつや戻ってきた事情などを審問されます。江戸へ送還されるまでずいぶんかかっています。琉球行きの船を見つけて乗せてもらわないといけませんし、日本に着いても命の補償がないのです。母親に会いたい一心で戻ってきたのです。
(訳:日本が当時は鎖国していたので、彼の帰国は平坦な道ではなかったのです)
 
 長い文は生徒達にはまだたいへんな様子。でももう半年もすればこの程度の文は簡単に訳せるようになるます。ページごとに読みながらチャンク単位でスラッシュを入れさせているので、その単位で語順通りに読めばいいのです。慣れの問題ですから、たくさんこなしたらいいだけ。

 In 1859, Manjiro wrote an English conversation textbook.  It helped Japanese students learn English letters and pronounciation, and also the difference between word order in the two languages.  The kanji numbers in the pictiure indicate the oder in which the English sords  are transelated into Japanese.

 

 万次郎は英語の教科書を1859年に作っています。in 1859はもちろん「指定ルール:指定は前に置く」です。この1年前にマルクスは『資本論第一巻』を出版しています。『共産党宣言』と資本論で世界史が大きく動きます。ロシア帝国がソ連邦となり、それから三十数年で共産党が中国を支配することになります。
 意味がつかめていないので訳しにくかったようです。最初の青は「語順」。二番目の青字の「二つの言語」は具体的に何を表しているのか質問しました。答えはもちろん英語と日本語の二つです。そのあとのthe orderには定冠詞がついているので「語順」です。万次郎は英語の文章に返り点を打って教えたのです。これはグッドアイデアですね。中国語と英語の並びは同じだから、漢文の読み下し文に使う方法がそのまま使えます。

 次の文章でdidがどうして使われているのかと質問がありました、とってもいいね。

  Using his excellent English language skills, Manjiro did make changes.

 強調のdidである。高1の生徒二人だから、まだ習っていないようです。
(訳:抜群の英語の能力を使うことで、万次郎に変化が起きた)
 どのような変化が起きたのかは、説明ルールで次の文を読み進んだらわかります。

 He changed himself, and he helped to change Japan!
  (彼自身が変わった、そして彼は日本に変化を引き起こしたのである)


 2時間の愉しい授業でした。一人は体調が悪くてお休みでした。来週は元気に出て来るかな?

 高校生は朝7時には起きて、午前中に3時間、午後から5時間勉強するように伝えてあります。高1になったらそれくらい勉強しないと、偏差値45の根室高校からは「みんなの大学情報」偏差値で50以上のところはなかなか合格できません。ベネッセなら偏差値60(上位16%)のランクの大学に相当します。

 どうせお金をかけるなら、いい大学へ進学してください。偏差値50以上の大学恵合格できるのは普通科特設コースの40人の内、半数以下ですよ。普通科は3クラス120人いますが、上位20番以内に入っていないと偏差値50の大学出すら危ういのです。1年の夏休みから、ダッシュしましょう。

<余談:英文読解速度目標値の設定>
 100words/mを目指しましょう。共通テストレベルの難易度の英文を平均で分速100ワード読めたら、十分ですよ。平均で100ワードということは、やさしい文なら130 words/m、難しい箇所は戻り読みしないといけませんから30 words/mくらいになるでしょうね。分速130ワードは英文小説の朗読速度と一緒ですから、かなり速い。
 スラッシュリーディングに慣れて、語順通りにチャンクごとに読み取る訓練をします。分速60語読めるかどうか、スマホのストップウォッチ機能を利用して、自分の読解速度を確認してください。
 60語読めるようなら、80語に目標値を設定してトレーニングします。並行して、意味の分かっている文を使って、分速130語の音読トレーニングを繰り返します。100回を目標にしましょう。息継ぎ、抑揚まで完全にコピーできるまで繰り返します。MP3の音源のある小説を選んで、好きなページでトレーニングしてください。
 語彙力足りないと分速130語は無理ですから、スマホの無料アプリを使って毎日トレーニングしましょう。
 生徒たちが使っているのは「ターゲット友」でした。これは無理がなくてよさげです。自分に合うものを探してください。語彙力はそれぞれ違うので、自分のレベルにあったアプリを選びましょう。

 戻り読みの癖が抜けたら、分速80語は達成しているでしょう。語順通り、チャンクのカタマリを意識して読みます。分速80語まで行けたら、トレーニング量を加速し、一気に分速100語レベルへまっしぐら。


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