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#4719 道内最難関偏差値72ステラコースへのチャレンジ(完) Feb. 25, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 札幌光星高校ステラコース(難関大学及び国公立医大受験コース)を受験した生徒は残念ながら不合格、マリスコースには合格しているので、4月から学校の寮での新生活が始まります。偏差値の高い同級生や先輩たちがひしめく中で、自分を磨くことになるのでしょう。
 昨年7月下旬に相談があって、8月から通塾することになりました。4月の「お迎えテスト」の得点を確認すると、社会と理科と英語に弱点を抱えていました。3年次の4回の学力テストの数学の平均点は96点、数学が大好きな生徒です。「独力での題意読み取り型&予習方式」での学習スタイルに半年かけて変えてもらいました。学校での授業の進捗を超えて、独力でやらないと難関大学現役合格ができませんので。難易度の高い問題の題意を先生の上手な解説で聞いてやっていたのでは頭がそれほどよくなりません。
 根室の中学校なら、五科目合計点がダントツの学年1位でなければ届かないのが偏差値72です。学力テストが全部学年1位なら手が届くということです。
(わたしは、光星高校の入試問題の難易度が道立高校よりも高く、数学と英語は対策ができていたので、社会や理科で少し落としても合格できるのではないかと思っていました。昨年、柏陵中学校からステラコースに合格したN君、たいしたものだと改めて思います。彼の同級生から聞いていましたが、もちろん中学時代の学力テストの成績はダントツトップでしたよ。)

 7月下旬の教育相談の時に伝えたのは三つ。
①偏差値72のステラコースに合格するには、学力テストの合計点が450点を超える必要があること
②国語は現状維持、時間を投入してもインカム(実入り)は小さい、その分を理社に投入すること
③弱点の社会と理科は自分で問題集を解いて得点アップ(90%が目標)すること

 4月の学力テストの五科目合計点は400点に少し足りなかった。半年で50点アップは平均点を80点から90点にあげることだから、結構きつい。あきらめるのは簡単、チャレンジすることが大切です。

 4回の学力テストの合計点は420点台が2回でした、2回は学年トップ。3回の定期テストでは491点が最高点でした。学校の定期テストは基本問題が多く、難易度が低いので点数は受験の参考になりませんが、よく努力してました。
 2/3に予定されていた第五回目の学力テストがオミクロンで学校閉鎖があり、中止でした。これが痛かった、冬休みの勉強の成果をこの学力テストで確認したかったのですが、できませんでした。弱点の社会と理科の得点を確認したかったのです。理科は計算問題を中心に早くから復習してました。直前までしっかり問題集にもトライしてやり抜いていたので、本人は80点超を確信してました。問題集をやる中で、自分でやり方を見つけるしかありません。わたしは高校の教員になっていたら高校社会と商業の免許、社会科はやり方の指導はできますが、半年では無理。人のやり方をコピーするのではなく、参考書を読み、問題集を消化しながら自分でやり方を見つけるしかありません。家庭学習ですから、どうするのかなと、見守っていました。
 英語は4月が70点未満、その後80点台真ん中ぐらいまでアップして、さらに一段上を目指すために英検準2級に合格、そして光星高校の英語問題に対応するために、根室高校3年生が使っている大学入試長文問題集を半分消化しています。最初の内はだいぶ緊張してましたね、中3にはハードルが高い長文問題でしたが、マンツーマンで音読とスラッシュ・リーディング、そして構文解説をしました。語彙力がついてきたので、そろそろ英検2級にチャレンジできそうです。
 いま高校英語教科書の音読特訓を土曜日に2時間してます。あと2回で高1の教科書は終了です。彼にとっては少し物足りないでしょう。高3の教科書がちょうどよさそうに感じています。

 さて、当面はマリスコースで勉強することになりますが、3年後に共通テストで弱点分野にまたぶつかります。一つは国語ですね。本をあまり読んでいませんから、語彙が豊富な本、論理的な本を選んで30冊くらいは読破しておいたほうがいいでしょう。読んだ本について対話する相手が見つかったらとてもよいのだろうと思います。
 理系志望ですが、共通テストで社会科目がありますから、1年生の時からしっかり取り組む必要があります。本人には言わなくても、今回の試験結果を省みてわかっています。
 理系志望ですから、物理は特に力を入れて勉強するのはもちろん化学や生物もしっかりやっておいた方がいい。例えば創薬などの先端研究分野では、物理と化学と生物の研究者たちがしのぎを削っています。体内には生物モーターとも言うべきメカニズムがあり、そうしたものの理解には複合的な分野の専門知識が必要になります。高校の範囲を超えて、地学・生物学・化学・物理学と興味の赴くままに濫読したらいいのです。米国の高校物理の教科書も副読本として読んでみたらいい。本棚にあるので、1冊紹介してあります。

 ああ、部活の問題があります。ブラスバンドは高校の部活の中でも最も時間を拘束されるブカツの一つに挙げられます。月曜日から金曜日まで2時間/日やるとしたら、1年間で500時間です。それに発表会があるので土日の練習が50時間くらい投入することになるでしょう。年間550時間なら3年間でおおよそ1650時間です。このように一度定量的に棚卸してみたらいいのです。突き放して客観的に眺めましょう。入学してから、毎日の部活の時間を確認したらいい。効率的にやっていて1.5時間/日かもしれませんので。
 音楽は一生の友、とっても大切です。苦しい時に心(魂)を救ってくれます。しかし、与えられた時間はどの生徒にも平等に1日24時間、使い方の問題もあるでしょう。現役合格を目指すなら、自分の現在の力と①「こなさなければならない問題集」と②「科目ごとの勉強時間」を計算してみてください。部活をしながら現役合格を目指す、すばらしいことですが、リスクも大きい。浪人覚悟なら問題なしです。音楽のある生活は楽しい、演奏には生きる喜びがあります。毎日練習すればするほどテクニックは上がり、思ったような音に近づきます。そのあたりの楽しさはわたしはビリヤードでした。セミプロの技術とそのトレーニングメニューを知っているので、分野は違っても楽しさがわかります。選択の問題ですから、自分で決めるしかありません。わたしが彼でも、やはり迷います。
 偏差値65以上の大学への進学は、ステラコースでも2割程度ではないかと思います。上位2割に食い込むのが次の目標でしょうね。

 もうすこしで、卒塾です。サッカーで帯広へ進学する生徒もいるし、お母さんと一緒におばあさんの住んでいる地域の高校を受験する生徒もいます。日ごとに気温が上がっていく春は待ち遠しいのと、いくぶん寂しい。毎年のことですが、慣れませんね。
 それぞれの未来に幸多かれと祈ります。

<余談-1:本音>
 わたしの本音を言うと、こういう生徒こそ根室高校に残って、現役でたとえば京都大学理系(偏差値65)に合格してもらいたいのです。それには、彼らが根室高校へ進学したいと思うような環境づくり、実績作りが必要です。昨年、偏差値65の旭川医大医学部へO君が現役合格しています。小5の1月から受験勉強スタートしていました。「競争相手は同級生ではない、首都圏や札幌の進学校で勉強しているトップレベルの学力の受験生だ」と繰り返し言って、具体的な勉強スケジュールを示してきました。やり抜く力がしだいに育っていきました。K君も同じ時期にスタートしていたら、ダントツトップの生徒だったでしょうね。そういう素質をもった生徒が根室には1学年3-5人くらいいます。スタートが遅れないように保護者や先生たちの配慮があればありがたい。そういう生徒たちの何人かが、将来根室を支える貴重な戦力になってくれます。いや、本人がなりないものになればいいのです。

<余談-2:教育環境>
 この生徒を小5から教えられたら、根室高校からでも現役で京都大学理系学部(偏差値65)レベルの大学への合格確率は6割ほどあったのではないか、いまそう考えています。
 問題は、そういうレベルの資質をもった生徒が学年に3-5人ほどいるのに、育て切れない根室の教育環境の貧弱さにあります。現役で難関大学へ合格しようとしたら、根室高校への進学は選択肢にはないのです。こういう生徒たちの勉学スタイルは他の生徒にとってもお手本になりますが、そういう機会が失われるというのは他の生徒たちにとっても、とても残念です。



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