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#4458 和訳にチャレンジ:My boss is tough to impress □. Jan. 15, 2021 [49.3 高校英語教科書を読む]

 英作文問題と解説集を作成している。昨年1/14からだから、ちょうど1年だ。4000題を超えた。大西泰斗先生のNHKラジオ英会話のテクストと解説を利用させてもらって、それにいくらか説明を付け加えてLine配信して試した。英語が苦手の生徒がやってきたものを添削すると解説はほぼ2~3倍必要になる。英検2級をクリアしている生徒にも少し高めの難易度と感じた。「英作文千本ノック」と題したトレーニングだったので、1000題配信したところで一区切り、あとはただただ書き溜めているという次第。それはそれで楽しいのである。

 ところで12月号の20ページに標記の文が出てきた。これは生成文法でないと説明のつかない文である。大西先生の解説は次のようになっている。
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1文目は、to以下の動詞impressの目的語がなく、「~印象付ける」となっていることに注意しましょう。目的語が空所(□)になっているのです。この空所と主語が一致して「my bossimpressするのがたいへんだ」、つまりimpress my boss の意味関係となるのが、この形のミソ。toughだけでなく、hardeasydifficultimpossibleなど難易を表す形容詞に特有の形です。また、この例では「難しい⇒アドバイスを求める」のフローとなっています。難易の判断からはさまざまなフローが生み出されます。

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 大西先生は英語は配置の言葉と繰り返し解説している。主語の位置におかれたら主語である。ところが、この文のように、原則からから外れてしまう文がある。
英語は「配置の言葉」。文には各要素の配置を示した設計図(基本文型)があり、独自の意味が付随しています。基本文型を理解しなければ英会話学習は始まりません。


 俎上に載せた文は、表層構造と深層構造に大きな違いのある文で、文法工程指数が大きい。チョムスキーの生成文法では次のような説明になる。

I impress my boss.
It < I impress my boss > is tough.
It < for me to impress my boss > is tough.
It is tough for me to impress my boss.
My boss is tough to impress.

 シンプルセンテンス(deep structure)まで戻すと、my boss は動詞impressの目的語なのです。それが表層構造では主語の位置におかれているので、「わたしの上司はタフだ」なんて珍訳をしてしまいます。こういう文章がすらすら書けるようになったらいいですね。
 大西泰斗先生の訳文はわたしの上司感心させるのがたいへんなんですとなっています。
 もちろん誤訳です。正解は、
 「わたしの上司感心させるのはたいへんなんです」
 主語は分かり切っているから省略されています。つまり、表層構造からドロンと煙となって消えてしまった。

 1年間大西先生のテクストと解説を利用させてもらって、問題があると感じた解説はこれひとつだけ。すばらしい講座です。目から鱗が落ちる思いで、勉強させてもらっています。
  感謝! m(_ _)m



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