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#3912 根室高校大学進路実績データを読む Jan. 28, 2019 [71.データに基づく教育論議]

<採取更新情報>
1/30朝9:40更新

  a b c 合計 d e f g h
H27年度 23 50 41 114 56 193 46 29.0% 23.0%
H28年度 14 54 12 80 49 188 41 26.1% 20.6%
H29年度 11 36 8 55 44 146 29 30.1% 22.4%

 a: 国公立合格者数
 b: 道内私大合格者数
 c: 道外私大合格者数
 d: 大学への進学者数
 e: 学年総人数
 f: 市内就職者数
 g: 大学進学率 g=d/f (%)
 h:  大学進学率 根室西高校の生徒数を50人として分母に加算し、進学率を計算した

 大学合格者の数の「合計」と「大学進学者数」には大きな差異があるが、これは卒業生の合格を算入しているか、複数合格の場合進学先ではない大学もカウントしているからだろう。どちらかわからない。1浪の札医大合格者をカウントしていたことはあった。実態を明瞭にするために分けて表示してもらいたい。
 大学進学率は全国平均値では50%であるから、根室は全国平均の半分に満たない。地元に大学もないので、教育に関心が薄いようだ。

  3年間の変化のポイントを箇条書してみたい。
●国公立大合格者数が半減した
●道内私大への合格者が3割減少した
●道外私大の合格者が8割減少している
大学進学者数は毎年逓減しており56人から44人へ
偏差値50以上の大学へ進学するには、中学時代の成績が上位10%に常時入っていなければならない。
大学進学率は落ちていないように見えるが、分母に根室西高校を含めると、その比率は20%前後にすぎぬ
●市内就職者数が46⇒41⇒29人へ激減している

 大学進学者数はabcに分類されていないので実際の内訳数字が不明であるから「合格者数」で論ずるしかない。
 道外大学合格者数が激減(8割減)したのはどういうことだろう?進路指導室が分析して公表してくれたらありがたい。
 中学校の学力テストデータの得点分布の推移をみていると、進研模試で全国偏差値50前後の生徒層が激減していることがわかっている。500点満点だと400点を超える層が市街化地域の3校では1-5人程度しかいなくなっている。それが大学合格実績に反映しはじめたというのがわたしの意見である。

 学力低下を食い止めるには実態をデータで把握し、そのデータを分析することで具体的な対策を立案することが不可欠ではないだろうか?

 市内企業への就職者数がついに20人台に落ちた。若者が地元企業を見放しつつあると考えたほうがいい。地元企業は都会の企業並みに経営改善をしないと、地元から人の採用ができなくなる。具体的にいうと、東京証券取引市場に上場できるようなオープン型経営に舵を切れということ。なんてことはないよ、当たり前のことを当たり前にやるだけ。たとえば、①経理規程を作り、会社のお金と個人のお金を区別する、②退職金規程をつくりその分のお金を毎年引き当てし、預金として別途管理する。年度末にはいまやめたら退職金がいくらになるのか一人一人に文書で通知する、そこまでやれたら従業員は安心して定年まで仕事してくれるよ。③予算制度を導入して予算達成した場合の賞与を従業員へ公表する。④決算を従業員へ公表する。⑤業務規程や会社の諸規程を従業員一人一人へ渡す。
 どれもこれも全国レベルで優良といえる会社としては当たり前のことだ。根室のローカル基準にしがみついて、決算書さえ従業員に公表しないようでは、全国レベルから見たら、とっても劣悪な会社に見えてしまうよ
 ところで中国人やベトナム人の雇用は経営改革のできない企業からはじまっているのではないか?
 管理団体に一人3-5万円のお金が落ちるような仕組みになっているというから、100人のベトナム人が根室で雇用されたら毎月300-500万円のお金が管理団体に落ちるということ。根室市では根室商工会議所がその業務を担っている。人材派遣会社へ衣替えしたようなもので、商工会議所の性格を変えかねない危ない仕事だ。
 外国人の雇用拡大は地元企業の経営改革が進まぬことと車の両輪をなしている。その車はとこへ向かって走っているのか。50年前に根室にあった北海道最大の水産加工工場を有し1000人の従業員を抱えていた日本合同罐詰と同じ轍を踏んではいないか?
 経営者が従業員へ夢を語り、その実現に邁進できれば、その会社の人たちは喜んで働くだろう。広い視野でものごとを見て、長期的にどうすべきか、ビジョンをもって対処してもらいたい

<センター試験受験者数と平均点>
 センター試験は過去3年間の受験者数が56-58万人ですから、その学年総数を120万人とすると48%が受験していることになります。
 2018年度と2019年度の根室高校の受験者数は国語と英語が27人、数ⅠAが24人数ⅡBが22人です。根室市内では1学年230~240人ほどですから12%しか受験していないのです。全国平均値の1/4です。センター試験を受験できるレベルの学力の生徒が全国平均の1/4ということ。
 つまり上位10%と全国平均では上位48%の平均値を比べることになります。国語は0.8点全国平均値よりも高いが、数ⅠAは-6.5点、数ⅡBは-7.2、英語筆記が-16.1点、英語リスニング-3.1点です。
 根室高校生の平均値と全国平均値を並べてみます。
             根室  全国
  国語      118.6 117.8
  数ⅠA       55.1   61.5
  数ⅡB       49.2  56.3
  英語筆記     109.5 125.5
  英語リスニング 28.4    31.9

 上位10%の平均値と上位40%の平均値にどれくらいの差があるのか、市街化地域のC中学校学力テスト総合Cのデータで計算してみます。「階級値×人数」で得点合計を計算しました結果、平均点は119.2点となり、実際の値が117.3点ですから、誤差は1.9点ですから無視していいでしょう。なお、この学校の学力テスト総合C受験者数は39人です。
 上位4人(10%相当)の平均点  195点
 上位17人(40%相当)の平均点 159点
上位10%と上位40%では平均点の差が36点もあります。
 このことから、根室高校でセンター試験を受験した成績上位10%の生徒の平均点と全国平均は、根室高校生のほうがはるかに高く出て当たり前なのです。実際は数学と英語が大きなマイナスで惨憺たる結果でした。事態は深刻です。根室の教育関係者は全国標準の物差しで、子どもたちの学力を判断して、適切な教育政策や、授業、補習授業の立案をしていただけたらありがたい


 全国レベルという物差しで計測したらどういう評価になるのかという視点が根室人に欠けていますそれは子どもたちの学力にとどまりません。地元企業も同じです。「井の中の蛙」はそろそろ卒業しましょう。

 いま根室の子どもたちの学力が全国レベルでどういうことになっているのか、データを具体的につかみ、議論しすべきではありませんか。市教委も、市議会も、市長も、商工会議所や中小企業家同友会、ロータリークラブなどの地元経済界、みなさんこぞって議論すべきです。子どもたちの学力は、根室の町のそして地元経済界の未来にかかわる重大な問題なのですから。

 昨年度の入試や今年の入試を五科目合計点180点で足切りしたら、根室高校へ入学できるのは20人いるかな?標準問題で入試をやってもそれくらいな人数です。13年前は60人くらいいました。
来年度の受験者は高校入試が根室高校のみとなった最初の学年ですから、来年以降はセンター試験受験者数がおそらく20人を割ります。センター試験受験者数が10%を切りそうです。

<センター試験受験者数の推移>
2018年27人⇒2019年21人⇒2020年15-18人?


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使った資料:
①「進路決定状況」:http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/index.php?page_id=31
②「選択肢 平成30年度号外1/24」進路指導部「進路だより」
③C中学校「学力テスト総合C得点通知表」
④センター試験受験者数の推移:https://www.dnc.ac.jp/center/suii/suii.html
 

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