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#3871 根室市長「いかなる結果でも全面的に支持する」 Dec. 2, 2018 [21. 北方領土]

 「北方領土返還要求中央アッピール行動」が12/1東京都内で行われた。
 「四島を返せ」の掛け声は封印、いったいなにしにいったのだろう。

 水晶島出身の柏原栄先生がテレビの取材に、「70年も実効支配が続いて…四島は日本の領土だと主張してもらいたい」と言葉を選びながら苦渋に満ちた表情で応えていた。2島で妥結すれば、それでジ・エンドであることが分かっていながら、そのあとに2島返還交渉をというのはまやかしの思いだろう。小中高と団塊世代と一緒に学校を転任した唯一の先生である。そういう意味で団塊世代と縁の深い先生だ。昨年亡くなられた元択捉島出身の岩田先生とは花咲小学校教諭時代の同僚である。わたしは中学2年生の時に柏原先生に1年間「歴史」を習った、楽しい授業だった。あの時から成績が飛躍的にアップしたので、恩人だと思っている。黒板に字の大きさをさまざまに変えて場所もときに隅っこを使ったりして書いていた、印象(=記憶)に残る板書でかつ達筆であった。ある日、緑色の「黒板」に書かれた字を丸ごと記憶でき、ページをめくるように3か月間は保持できることに気がついた。家業のビリヤードで幼稚園のころから毎日遊んでいたビリヤード台はグリーンのクロスが張られて、その上を白と赤のボールが幾何学的な軌跡を描く。小学3年生のころには頭の中で無限にビリヤードができた。それを勉強に応用しただけで成績は簡単にあがってしまった。緑色の黒板に書かれた字や図を、苦も無くそのまま頭に浮かべることができた。子どもの頃の記憶力がなぜあんなに大きいのかわからないが、何十枚でもOK、ビリヤードを頭の中でやるのと一緒。頭の中の引き出しから引っ張り出しては確認し、書かれたことを整理してまた格納する。数分単位で暇なときに繰り返せばいいだけ。ノートも鉛筆もいらぬ、ビリヤードの店番をしているときにときどき頭に思い浮かべるだけでよかった。ビリヤードが勉強にそのまま使えることに気がつくきっかけをつくってくれたのが柏原先生の歴史の授業、そして小中高で数人の尊敬する先生のお一人。先生らしい発言だと思いながらテレビを見た。おいくつになられてもブレないインテリである。

 すごいのは根室市長の発言だ、3か月前の市長選挙のときの北方領土返還政策とはまるでちがって、ブレブレ。自分の言っていたことを忘れてしまったのだろう。北海道新聞12/2朝刊31面の記事を引用する。
日ロの交渉が)いかなる結果でも全面的に支持する。それが(領土返還運動)原点の町の思いだ

 関係者や根室市長としての公的立場に配慮した発言をしてもらいたいね。北方領土問題に関心の薄い大多数の国民がこの発言を見たらどう思うだろうくらいの想像力はもってほしい、北方領土の玄関の町根室市長なんだから。地元根室市長ですら北方領土については「この程度の認識と思い」であると受け取られかねない。
 根室市が四島返還を強く要求しているほうが、政府は外交交渉がやりやすい、カードが一枚増えるからだ。ロシアが強硬なのは、一度分捕って自国領土に組み入れた土地は絶対に返さないという国民が圧倒的に多いからだ。地元市長すら政府に下駄預けでは、強い交渉を政府ができるわけがない。対ロシア弱腰外交には地元の領土返還運動に熱意が見られないという理由がある。今度こそは、安倍総理の対ロシア外交を下支えするために、北方領土玄関口の根室市長がどれほど強硬な領土返還論をぶち上げるかと思いきや、「いかなる結果でも支持する」と後退発言、はなから負け犬、戦う意思すらない、がっくりきた。
 日本が抱えている領土問題は竹島も尖閣列島もある。領土に関して日本国民は腰が引けているとロシアや韓国や中国に間違った印象を与えることになる。実効支配すれば、国民も日本政府も強くは出てこないと思うだろう。尖閣列島も日中中間ラインの資源紛争もが危うくなる。
 東シナ海には日中中間ラインをまたぐ形でガス田が広がっているが、中国は井戸を掘り天然ガスの生産をはじめている。やりたい放題だよ、既成事実を積み重ねれば日本は手も足も出ないとなめられている。そうした国際関係にも配慮のできる市長であってもらいたい。
*東シナ海ガス田問題
https://ja.wikipedia.org/wiki/東シナ海ガス田問題
 タイムリーですね。昨日(12/3)夜配信された記事です。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/中国、ガス田試掘を正当化-「主権と管轄権の範囲内」/ar-BBQpR4L?li=AA4RHB&ocid=spartanntp

 市長発言は領土返還交渉は政府マターで根室市は関係ないといっているように聞こえる、なんにもわかっちゃいない、北方領土の玄関口の根室市長の発言は外交問題に影響するのだよ。根室市の在り方次第で北方領土返還外交は劇的に変えられる。弊ブログ#195を一度読んだらいい。ロシアが震撼するような圧力をかけてやればいい。
 北方領土は外交マターで根室市は関与しない、9月の市長選挙の時に政策にそう書いていたのは対立候補の保坂いづみさんではなかったか?弁護士らしい割り切った考え方に頷けなかった覚えがある。他方、石垣氏は長谷川前市長の政策を継承すると宣(のたま)わっていたはずだが、長谷川前市長は昨年の「北方領土返還要求中央アッピール」行進で「四島を返せ」と叫んでいた。「いかなる結果でも…」ではなく、四島返還だった。そして根室市の役割は市民の声を政府に届けることとなっていたはず、石垣氏はいつ宗旨替えをしたのだろう?まだ、市長選挙から3か月たっていない。領土返還に関する市民の意見どころか、千島歯舞居住者連盟内部ですら、2島返還かそれとも四島返還かについて議論も意見のとりまとめもなされていないのである。いつ、どこで市民の声を聞いたのだろう?


 千島歯舞居住者連盟の国後島と択捉島出身者たちは市長の発言に迷惑しているに違いない。水晶島出身の柏原先生は自分の出身の島は返ってきても、93%を占める国後島と択捉島が返ってこないことが確定してしまうことに心を痛め素直に喜べない、だからテレビ取材に一言一言絞り出すように苦渋の表情を浮かべて応じていた。一緒に返還運動をしてきた仲間の思いが犠牲になって、自分の出身の島だけ戻ればいいなんて考える元島民はごく少数だろう

 水晶島出身者の吉田義久さん(81歳)=富山県黒部市=は次のように言っている。
元島民は故郷を追われた点でみんな同じ立場。やはり『島を返せ』が正直な気持ちだ

 国後島出身の岩松昇さん(78)=根室管内標津町=は次のように言っている。
今の状況はわかるが、気持ちをもっと出したかった。四島返還を言い続けて来たから」と本音を漏らす。11月の首脳会談で「交渉が前進してきた」と感じるが古里の返還は見えないままで、「ロシアとの交渉では、日本も態度をはっきり示すべきだ」と訴えた

 12月4日付の北海道新聞15面に載った記事も転載しておこう。「どうなる北方領土」というタイトルの記事に、歯舞諸島多楽島出身者元島民である東狐貢さん(88)の意見が載っていた。東狐さんは根室市から都内のデモに参加した元島民最高齢者である。
「「島が返ってきてほしい。だが、国後、択捉出身の元島民もいる。この方針でいいのか、一言では言えない難しさがある」と胸中を明かす」

 別の紙面に掲載された写真の中の元択捉島民の叔母の表情はめずらしく苦虫をかみつぶしたようだった。昨年亡くなった択捉島蘂取村出身者の岩田宏一氏の望郷の思いが頭をよぎっていたのかもしれない。

#3662 NHK朝までドキュメント72時間:岩田先生 Dec. 16, 2017

<領土は渡さない:サッチャーの毅然とした対応>
 1982年アルゼンチンとのフォークランド紛争時の英国首相サッチャーは毅然としていた。ただちに航空母艦2隻と原子力潜水艦、駆逐艦、フリゲート艦などの軍艦を派遣し、航空機によるアルゼンチン飛行場爆撃を開始、軍隊を上陸させ、アルゼンチン群を英国領から追い出し、鎮圧した。領土は絶対にわたさないという決意を全世界に示したのである。
 四島返還の原理原則の主張を引っ込め、7%の歯舞群島と色丹島で結構でございます、見返りにシベリア開発で兆円単位の経済協力をしますでは、日本人は世界中から腰抜けと思われないか?
 ことと次第によってはロシアと全面的な経済断交へ突き進むくらいの覚悟を決めた外交交渉はできないのかね。

*https://ja.wikipedia.org/wiki/フォークランド紛争

*#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012

#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012

#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012

#195 すこし過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・配備・解体ショー



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