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#3429 第2回フリー授業参観:C中学校  Oct. 6, 2016 [72.フリー参観]

<更新情報> 10/7午前8時25分追記 ①声の質について ②学力テストの得点から見た絶対評価基準案を例示
         10/8午前9時 追記
       

 C中学校が3-7日までフリー授業参観をしていたので、午前中の授業を二つ見学しました。
 一つは3年生の数学の授業である。2次関数をやっており、平均変化率のところまで説明していた。教科書を使って教科書の例題と問題を黒板を隅々まで使って説明していた。わかりやすい授業である。声の質もなかなかよい、大きな声で明瞭に話し、聞きやすいのである。
 「平均変化の割合」のところは、高校数学の微分へとつながるのだが、そういう「発展」分野への配慮はなかった。生徒の全体のレベルを考えると無理なのだろうが、上位2割には必要な説明であると思う。過去に市街化地域の3校を各2回ずつ見学したが、高校数学(高校英語)へのつながりを意識した授業を見たことがない。先生たちに小学校の算数と高校数学の間をつなぐのが中学校数学だという意識がないように見える。
 基本分野に限定したわかりやすい授業は成績下位層へ焦点を当てた授業としてメリットがあるが、欠点もある。上位生が無視されてしまい、知的刺激のない授業に退屈している。それは試験問題にも言え、定期試験問題ではB校とC校(A校は問題を確認していないから除外)は準拠問題集のA問題からのみ出題、難易度が低すぎて学力上位層からは「つまんない」という声が上がっている。B問題を全問勉強したのに一題も出題がなければがっかりするのは当たり前だ。そして難易度がある程度高い問題をやらせないと、脳が活発に活動しないから、頭がよくならない。
 何が言いたいのかをはっきり書かないと誤解を生む恐れがある。教師はプロなんだから、常に高みを目指して努力してもらいたいということ。自戒をこめて描くのだが、どれほどベテランでも工夫の余地は常にあるから、こころは素直で謙虚であれということ。1年努力すれば上位層の生徒にも対応した授業の初事例になります。市街化地域の3中学校の数学の先生ではこの13年間だれも実現できなかった授業です。誰かがやり遂げたら、後に続く者がでます、来年もう一度見学したくなりました。

 気になったのは生徒の姿勢である。26人ほどいたのだろうが、ちゃんとした姿勢といえるのは7名だけだった。特定の筋肉が疲れるので、姿勢がぐらつくき集中が切れる。ざわつくのである。1時間目の授業であるにもかかわらず、ずっと寝ていた生徒が一人いた。補助の先生が一度だけ突っついたが起きない。こういう生徒をほうっておくか、おかないかは先生によって対応がまったく違う。それぞれ考えがあってそうしているのだろうが、職員会議で議論してみたらいかが?対応を無理に統一する必要はないが情報交換をかねて議論してみるのは無駄ではない。
 板書の字はわたしと同じくらいだから、あまりきれいではないが、ちゃんとまとまっていた。(笑)
 ノートをとるトレーニングには十分な配慮がなされて、なかなかよい授業でした。

 二つ目は2年生の社会の授業を見学した。DVDと実物投影機にモニターがつながっている。中京工業地帯の特色が今日の授業のテーマである。入室したときに、鉄製造工場の圧延過程とそれがロール状に巻かれて自動車工場へ輸送されるところが映っていた。根室の生徒はこういう工場を見学する機会がないから、DVD資料の利用は価値がある。副教材を実物投影機で画面に表示しながら、何ページのどの図の説明をしているか確認して解説をしていた。
 この先生は字がとてもきれいだ。字句解説を毎回入れている。今日の授業では「中京」はどうして中京というのかと生徒に訊いていた。京都と東京の間だから中京だと平安京も引っ張り出しての解説、なかなかテンポのよい授業で、生徒の集中度も高かった。
 前に見学させていただいた折には気がつかなかったが、大きな声ではっきり言葉を話す。口を意識的に大きく動かして声を出す努力をしているようなのである。声の質もいいから聞きやすい。わたしは声の質があまりよろしくないが、これはもともともって生まれたものだから仕方がないが、口の動かし方を工夫することで、生徒に聞き取りやすくはできる。勉強になりましたよ、N先生ありがとう。
 このクラスは1時間目を見た3年生のクラスの生徒たちよりも姿勢が少しマシだが、極端な猫背の生徒が三人目に付いた。背中がまるく盛り上がっていた。直してあげたほうがいい。半数以上が姿勢に問題がある。それは授業の集中度にもつながっている。一人の生徒が書中後ろを向いて生徒に話しかける。先生が見かねて5度注意したが直らない。椅子は斜め、脚が完全に机の横に出ていた。姿勢は直したほうがよい、だらしなく見える。社会人になったときにだらしなく見えたら、それだけでお客さんは逃げ出します。仕事もだらしないと判断して90%は当たっているからです。

 鉛筆の持ち方や姿勢が悪い生徒が半数を超えているのは小学校と家庭教育に問題があったからでしょう。もっと姿勢を厳しくしつけるべきです。中学3年生だと8年間だらしない崩れた姿勢でやっているので、それが習慣になってしまって、なかなか直せないのです。言っても無駄だから、中学校の先生は姿勢については注意しないようです。姿勢の問題は市教委が取り組むべき課題ではないでしょうか。整形外科医の協力をいただいて、小学校低学年でお母さんたちを含めて講演会をやったらいかがですか?
 背骨が曲がれば60歳を過ぎたら脊椎の圧迫骨折の原因になります。死ぬまで痛みを抱えることになるのです。

 どちらの先生も教科書をつかってしっかり板書もしています。生徒たちはノートを取るのに必死です。「読み・書き・そろばん(計算)」のうちの「書きのスキル」いいトレーニングです。ご立派!

 校長先生にご挨拶しました。過去2年間は全国学力テストの結果が全国平均を超えていましたが、今回はだいぶ下回りました。9月30日の学校通信に「全国学力学習状況調査の結果から」というタイトルを掲げ、過去5年間の推移をグラフにして載せています。有用なデータをちゃんと公開しています。平均正答率は4年前の最低のころに状況に戻ってしまいましたが、それでもだいぶ底上げ努力を学校全体でやった結果なのです。現在の3年生が1・2年生のときの学力テスト結果からは、9月に実施された学力テスト総合Aの五科目合計点が95点くらいまで低下すると予測していましたが、112点でした。道教委が配った大谷正平のポスターには大きく「文武両道」と描かれていましたが、前校長のS藤先生が学校通信で視点を変えて何度も文武両道を具体的に解説し、部活指導の先生たちがそれに呼応しました。このように学校全体で補習に取り組んできた結果が17点アップなのだろうと解釈しています。全国平均を2年続けて超えることができたのはそうした具体的な努力の成果です。
  定期テストの難易度が低すぎることに話題が及んだときに、M校長先生こう言ってました。
 「学力テストが40点しか取れない生徒に(定期テストの点数が高いからといって)4の評価をつけていいのか」
 サイトの学力を向上させる上でこれでいいのかと、自問自答しながら教員の皆さんに対峙して仕事をしているようです。
 市街化地域の各校では定期テスト問題の難易度を下げることで、実際にそういう(絶対)評価がまかり通っています。相対評価になってしまっているのです。学力テスト総合Aの数学の平均点は16点でした。これは60点満点ですから百点満点に換算すると26点です。高校なら半数以上が赤点の得点です。40%の得点だと24点ですがこれ以下の得点の生徒に4の成績が何人も出るでしょう。生徒が勘違いを起こします。
 事実を事実どおりに表現していいのです。得点40%に4をつけてはなりません、「3の下」ですよ。得点60%以上には4をつけましょう、43-48点の階層にたった一人だけいますから、この学年で49人中五段階評価で「4」を就けてよいのは一人だけ、「5」は該当者なしとなります。得点30%以下は2でよい、24人います。定期テストで何点とろうとも学力テストで得点10%以下は容赦なく1をつけましょう。それが生徒のためです。

 目安にすべき学力テストを用いた絶対評価基準をまとめるとこうなります。
 上下10%が「5」と「1」
 70-90%未満が「4」
 30-70%未満が「3」
 10-30%未満が「2」

 急には改善できなくても、数年かけて定期テストの難易度を修正し、評価基準を全国基準に近づける努力をしてください。この分布でも全国標準から見るとずいぶん甘いとわたしは感じます。院生時代に東京渋谷駅前の進学塾で教えた経験があるから辛いのかもしれません。

 校長のM上先生は4月からC中学校へ赴任してこられましたが、これから2年間は学力レベルは「底」の状態ですから、苦労がたくさんあると思います。苦労があるほうがやりがいがあることは前任者のS藤校長が証明しています。2011年12月の道新根室地域版で取り上げられた、荒れ放題だったC中学校へ赴任してきて、学校通信で自分の経験(元光洋中学校野球部員)を交えて文武両道を具体的に説明し、教員の協力を得ながら学力向上に取り組んできました。あたらしい校長は理科の教員だそうですから、ご自分の持ち味を生かして、先生たちと共に生徒たちの学力向上に実績を上げられることを期待しています。

< 余談-1 >
 授業終了のチャイムが鳴り終わると、放送で生徒会役員に集合がかかった。3年生のある生徒が真っ黒に日焼けした顔で「おはようございます、先生、おれ生徒会長やってます」と挨拶していった。目標としていた学年順位を達成して退塾してからちょうど1年がたつ。計算の速い生徒でサッカー部だから文武両道、ちょっとたくましくなったかな。
 いつまでも塾に通う必要はない、自分で独力でちゃんとやれるようになったら、塾はいつでも卒業だ。塾へ通う皆さんは自分で卒業の時期を決めたらいい。

< 余談-2 >
 来年4月から根室西高校が廃校になり根室高校1校になるが、新1年生は現在の中3年生である。C中学校をみても分数や少数の計算、そして計算速度が極端に遅い生徒が1/3くらいいる。高校数学は分数計算がスムーズにできないとアウトである。
 このままでは新1年生の3人に一人が分数や少数の計算から授業を始めなければならない事態が起きる。
 学力差が大きすぎて、同じ教科書を使って教えるのは実務上無理がある。学力差を無視して同じ教科書での授業を強行したら、授業は低学力の生徒に合わせざるを得なくなる。現在の中学校がそのとおりになっている。定期テストでは教科書準拠問題のA問題のみ、それも数字まで同じで出題、そういう授業とテスト体制になり、学力がさらに一段下がる。
 中学校で学力テストの得点が40%未満の生徒に小数や分数計算の特訓をやってから卒業させたらよい。
 ベクトルの内分と外分、等比数列、積分計算など、分数計算が頻出する分野が高校数学には多い。標準的な計算速度で計算できるようにまで責任を持つのが中学校の役割だろう。とっても手間がかかりたいへんな仕事です。


*#3421 数学:低学力のメカニズムとその破壊 Sep. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1

*#3276 四月学力テストデータ分析: C中学校2年生  Apr. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1


 北海道新聞根室支局の取材記事を取り上げています。
*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1




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後志のおじさん

termがまざってますよ(笑)。

確か、同じことを、
中学では「変化の割合」
微分では「平均変化率」と名称を変えていたような。
まるで「中学生には難しいから、as は同じという意味だ!ととりあえず教えておこう。」という発想みたいですね。名称を変える意味があるのでしょうかねぇ?

平均変化率、もっとシンプルに「2点を結ぶ直線の傾き」は上手く教えれば掛け算をやった辺りで体感させられます。横軸、縦軸それぞれの単位を意識してグラフ概型で考える癖をつけさせるのは、小学生のうちからやっておかしくない思考の型の訓練でしょう。

私は自分の子供にはやりましたが、彼は小2でマスターしていました。文章題を解くときに、特に単位量あたりに関わるもので威力を発揮するのですが、北海道の先生には難しいみたいですからねぇ。

やはり先生の知見と知識の差が出てくるのでしょうか?








by 後志のおじさん (2016-10-06 18:24) 

ZAPPER

姿勢の件ですが、子ども達の様子を見ていると、不思議なもので学力が高まってくると、それまで悪かったものも、いつの間にか自然に改まっていることが多いと感じています。きっと、集中して作業をさせることにより、徐々にそうなるのでしょうね。

さて、今はほとんどの子が部活をやっているわけですから、部活の中でも正しい姿勢のあり方をことあるごとに説くべきだと思います。

先日、ボンズの小学校の地域参観日に行ってきましたが、やはり騒がしいクラスの子ども達は総じて姿勢が悪いということを再認識しました。姿勢、大事ですね。注意して観察を続けようと思います。
by ZAPPER (2016-10-06 21:19) 

ebisu

ははは、「平均変化の割合」ですね、「変化の割合」でした、訂正しておきます。
「変化の割合=yの増加量/xの増加量」
と、2年生の教科書にも3年生の教科書にも書いてあるのですが、どうして「変化量」と書かないのでしょう。用語を統一しないと落ち着かない気がします。

中3では「平均変化率」という用語をつかっても差し支えないと思いますが、中2の1次関数の説明のところを思い出してもらうための配慮かもしれませんね。

小学校では内包量(割合)の問題が苦手の生徒が多いですが、仰るとおりグラフの概形を描かせるようにすれば比の考え方がよく理解できるはずです。
中学校の数学や高校数学を射程に入れて小学校の算数を教える教師がいれば、数学の成績上位層が何倍にも増えるでしょうね。
by ebisu (2016-10-06 21:33) 

ebisu

姿勢は型の文化の一部です。鉛筆や箸の持ち方も型の文化です。

勉強するときの型には姿勢と心構えがあります。目には見えない心構えもたいへん大事です。心構えの欠如は姿勢の崩れとして現れます。
団塊世代のわたしとしては、多くの生徒がものを習う姿勢になっていないのがとっても気になります。

どこかの幼稚園が座る姿勢を子どもたちに躾ているのをテレビで見ました。みんな背筋がぴんと伸びていました。
幼いうちに躾たら、子どもは素直にそうするもののようです。背筋をぴんとしているほうが楽チンですから、いったんそういう姿勢が身についたら、崩した姿勢は気持ちが悪いし疲れるからしないようになるのでしょう。

子どもに姿勢や箸の持ち方や鉛筆の持ち方をしつけられない親が増えていますから、小学1年生のときに学校で躾けるしかないでしょう。
学習指導要領にはこうした型の文化は入れられないものなのでしょうか。文科省に訊いてみたいものです。
by ebisu (2016-10-06 22:29) 

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