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#3330 東京都知事の適性要件六項目 June 16, 2016 [8. 時事評論]

 舛添東京都知事が昨日辞任したので、東京都知事選挙が行われる。7月下旬か8月初旬のスケジュールのようだ。参議院選挙と同時なら50億円といわれる経費の7割は削減できただろう。そういう意味でも、舛添氏の往生際の悪さは高くついた。

 舛添氏はまことに都知事としてふさわしくなかったが、マスコミは大いにもてはやし、舛添氏の負の側面を報じていなかった。今回の選挙では、都民が判断を間違えぬように有力候補の負の側面を取材報道してもらいたい。
 自民党も公明党もこぞって推薦したし、それぞれの政党の党首が舛添氏とともに選挙カーに乗り、声を張り上げて応援した。それにだまされた都民も悪いが、推薦人はさらに罪が重い。今回の選挙では間違えないでほしい。

 ではどういう人が都知事にふさわしいのだろう。
■ 都庁は16万人といわれる大組織だから、人の能力を見極め、適材適所で人を使えること。これができない人を選んではいけない。
■ 公私のけじめのつくことも重要な用件にあげられる。これは今回の舛添氏が反面教師となってくれたのだから当然のことだ。
■ 具体的で現実的なビジョンや理念の有無も問いたい。
■ そのビジョンを実現できる具体的な戦略プランを描けるかどうかを問いたい。都政の実務を総括するのだから、絵に描いたもちではしょうがない。よくある例は「第○次5カ年計画」のような具体性の乏しい抽象的な計画では意味がない。行政府の長は「仕事をする人」だから「評論家」ではいけないのである。

 どうやら次の6項目にまとめることができそうだ。

 1番目は自分の損得を度外視して物事を判断し果敢に行動できる人。公人でありながら、自分の利害損得を優先して考えるような人は、特定の業者に便宜を図り、増収賄のリスクが高い。

 2番目は人の能力を見極めることができることと、ある程度のサイズの組織で人の使い方を知っているひと。人を使って実務を指揮する必要があるから、報・連・相をちゃんとしつけられる人がふさわしい。石原前都知事は銀行をつくったが、大変な損失を出して都税をつぎ込んだ。事業構想も悪ければ人選もまずかったからだ。かれはそれを経営者のせいにしたが、それを選んだのは石原氏だ。人の能力を見極める力もなかったし、自分が言い出して始めた仕事の管理能力もなかった。

 3番目は公と私のけじめだが、週に2日しか都庁に来ないというのは、週5日働く都庁の職員から見ると、3日/週を私しているということ。したがって、前都知事の石原氏のような人物は公私混同の最たるものでペケである。災害対策もあるのだから、都知事の職にある間は、危急の事態の際にはすぐに都庁へ戻り、指揮を執る用意がなければいけない。開業医だって休暇を取る際には、前日に処置をして容態が急変する可能性のある場合には、すぐに駆けつけられるような体制をとっている。それは自分の仕事に対する責任をまっとうするためである。ましてや公人たる東京都知事が休みの際にどのような用意があるべきかは言うまでもない。毎週、湯河原の別荘で休暇を取りたいような人を都知事候補に推薦すべきではない。
 でも、選挙の時には「当選したら、毎週金曜日の午後から公用車で湯河原の別荘に行ってのんびりくつろぎます」なんて言う筈もないからなあ~。人相や普段の行動から判断するしかないのだろう。選挙に関しては「性善説」で考えてはいけないということ。

 4番目の東京都が10年30年先にどうあるべきかについてのビジョンや理念だが、これを持ち合わせていなければ、右往左往するだけである。人気投票でダントツ1位で都知事となった青島幸雄氏が好例だろう。そういう人が都知事では困る。

 5番目はビジョンや理念を絵に描いた餅に終わらせないために、実行計画へとブレイクダウンし、スケジュールを引いて、着実にビジョンや理念を実現するのが都知事の役割である。

 6番目は、わがままも度が過ぎると、人の言うことに耳を貸さず、したがって都民の言うことにも耳を貸さない。自分を支持してくれるごく少数の支持者の意見だけを聞く。これでは都政は滅茶苦茶なことになる。わがふるさと根室にも同型の構造がある。

 都知事候補の「能力と心根に関する六項目の要件」まとめておこう。

(1)自分の利害を考慮せずに判断し果敢に行動できる人
(2)人の能力を見極め、人を使える人
(3)公私のけじめがつけられる人
(4)理念とビジョンを公表できる人
(5)その理念やビジョンを達成する実行計画を作成し、スケジュールを明らかにして毎年進捗状況を都民に報告できる人
(6)自分のわがままを抑えられる人

 これは言わずもがなだが、取引業者や都政関連企業と癒着するような人物はふさわしくない。その点からいうと、「ふるさと納税制度」は市制と業者の癒着を生む温床となるので早急に廃止すべきだ。税金納付に見返りのあること自体がおかしい。申告して税務署からお礼の特産物をいただいたことがある人は一人も居ないだろう。

 さて、これら4項目は、日本中のどの自治体の首長にも適用で来る候補要件であるが、あなたの街の首長は大丈夫か?
 各項目を5段階で評価して、合計点数を数えてみたらいい。24点以上を合格としたい。18点以下は論外である。都知事になりたいだけの人で、適性も必要とされる能力もないとみなしてよいのではないだろうか。


< 余談 >
 舛添氏を具体例に取り上げて、選挙時と現在の評点をつけてみよう。

番号 選挙時   現在
(1)      5      1
(2)      2      2
(3)      5      1
(4)      2      1
(5)      2      1
(6)        2      1
 合計   18    7 

 これはわたしの勝手な評点に過ぎないが、大方の人は同意できるのではないだろうか。
 選挙前と現在ではこんなに評点に落差があるのは、言っていた事とやったことが真逆な極端な人だったからだろう。だからこそ、選挙時に言っていることが耳障りのよい人ほど、言行一致しているか否かのチェックをマスコミにしっかりしてもらいたい
 舛添氏の場合は、母親の介護に関しても外形的に見ておかしかったから、その旨を報道すべきだった。お母さんが九州に住んでいるのに、東京在住の息子がどうして介護できるのか、それだけでも十分におかしい。九州の親族(舛添要一氏の姉)が介護していたのである。長男であるかれが何をしたのか、そういう事実を報道するだけでも都民の判断にはずいぶんと役に立つ。


< 余談-2:安倍首相は舛添都知事よりもセコイ >
 総理も都知事も同類、ネットで検索すればたくさん出てくる。なぜ、NHKや各民放局、新聞は舛添都知事よりもすさまじくセコイ安倍首相を取り上げないのだろう?このような使われ方をしても違法ではないのだから、政党助成金は使途を制限するか、廃止すべきだ。
 わたしがいつも読んでいるブログを紹介する。

*ブログ「オータムリーフの部屋」より:「安倍首相の公私混同もせこい
http://blog.goo.ne.jp/autumnleaf100/e/74e2407782cdc6b05f9d7cb4f965f333

*元ネタ リテラ ⇒「舛添が公私混同で辞任なら安倍首相も...政治資金でキャバクラ、ウニの爆買い、コスメにジュエリー、がりがり君
http://lite-ra.com/2016/06/post-2337.html



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