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#3283 FMくしろ番組「ストップ・ザ・学力低下」収録   May 7, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

<更新情報>
5/9 朝9時 「隠れたカリキュラム」追記

   朝11時 日本教育文化研究所主催全国シンポジウムにおける武藤久慶さんの基調講演追記

 FMくしろに標記の教育番組があります。今年3月で100回を超えました。五年間続いている長寿番組です。
 昨年8月の収録分のうち2回出演しました。「釧路の教育を考える会」のメンバーは全員出演しているので、わたしにもお鉢が回ってきたのです。キャスターの桃子さんを相手にZAPPERさんと一緒に根室の学力向上への取り組みを話題に採り上げています。文字起こしがなされていますので、クリックしてどうぞご覧ください。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8446824.html
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2016年05月07日

ストップ・ザ・学力低下(根室の状況について/ebisuさんご登場!)

エフエムくしろで放送していただいている、ストップ・ザ・学力低下。実はこの3月に100回目の放送を終えました。4月からもスポンサーがついてくださって続行中。というわけで5年目に突入の「長寿番組」になっています。

さて、昨年8月18日に放送された第86回、9月1日に放送された第87回は、なんとなんと、いつもお世話になっている、ニムオロ塾のebisuさんごご登場でありました。というわけで、とくとご覧くださいませ。ebisuさんの正体がこれでやっと分かることと思います(笑)。

真面目な話、根室管内の小中学校の先生方は《必読》だと思いますよ。言っちゃ悪いですが、以前はそれはひどかった。でも、学校と先生方の努力があり、最近はずいぶんと良くなった。そうしたことが語られていますから。がしかし、まだまだまだまだ!

夜明けは常に東から。

この釧根の地こそが、義務教育の最先端をひた走る地であることを、心より願っております。がんばれ、根室管内の小中学校の先生方。がんばれ、釧路管内の小中学校の先生方。

●ストップ・ザ・学力低下
第86回 平成27年8月18日放送分
根室の状況について
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku86.html

追記、業務連絡です。
合格先生、第87回の文字起しもよろしくね!(^∀^)

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【ebisuのコメント】
  わたしはハンドルネームebisuでブログを書いていますが、人口2.7万人の小さな町ですから、わたしの実名を知っているご方がたくさんいます。だから、根室では匿名ブログというよりは実質的には実名で書いているようなものです。(笑)
 実際には町に住んでいる人のうち千人は実名をご存知です。

<ブログをはじめた経緯(いきさつ)>
 2007年11月27日に開始した弊ブログは、二日後の5月9日に、PV数(ページ・ビュアー数=アクセス数)が400万になります。ちりも積もれば山となるの喩えの通りの結果です。読んでくださっている皆さんがいなければ、続けられませんでした。
 2006年7月にスキルス胃癌と巨大胃癌の併発で、胃の全摘と胆嚢切除の手術を受けました。入院前は体重69kg、退院時は58kg、現在60.5kgです。体重が10kg以上落ちると、筋肉が失われ、体力が落ちます、そうすると脳の働きも落ちてしまうのです。脳の活動も体力の一部なのです。文章が書けなくなったのではないかと、恐怖からリハビリ方々ブログを始めました。塾をやめた後にやる予定にしていたライフワーク、マルクス『資本論』研究にけりをつけること、すなわち『資本論』を乗り越える、日本の伝統的価値観を公理とする経済学を後世に書き残しておく仕事を遣り残していたからです。ところが、何度見直しても変換ミスが見つかるし、文章も何度も書き直さなければなりませんでした。ライフワークをやりそこなったかとあせりました。外に向かって発信しないと、文章を書く気力が維持できない状態でした。
 2年間は術後に服用していた抗癌剤TS-1の影響で、体力が著しく低下し、ブログを書くのが辛くなった時期があります。やめようと思いましたが、メールでやり取りしていたSRL元社長のK藤さんが、「頻度を落としてもこのまま続けたら」と背中を押してくれました。そして市立病院建て替え問題に取り組んでいたわたしに、具体的なサジェッションと意見交換するために根室まで来てくれたのです。そのときの対話は「養老牛温泉夜話」というカテゴリーに7本アップしてあります。
 K藤さんは医者でもありますが、経営者としては大事なところで感情を交えずに論理的な判断のできる人でした。社長になってはじめての対外的な資本提携である、帝人との治験合弁会社の設立とその後の経営を任せてくれました。3年間の期限内に指示された三つの目標(赤字部門を切り離して設立した会社の黒字化、合弁解消と帝人保有株の引き取り、帝人の臨床検査子会社の買収)をクリアしたところで、わがままを言ってSRLを卒業させてもらいました。存分に使っていただいたので、思い残すところがありませんでした。欲があればそのまま残って一部上場企業の役員の道の選択もありました。それだけの仕事はしていました。しかし、あのときにはもうSRLでは冒険的で困難な仕事が見当たらなかったのです。老人医療に興味が移ったのです。病院を核に老健施設やナースステーション、特別養護老人施設、グループホームを周辺に配置した事業展開を夢見ました。一つできたら、首都圏で20セットほど事業展開をするつもりでした。年間1500~2000億円前後の事業規模を想定していました。お年寄りやその家族が困らないように、シームレスな(切れ目のない)介護事業を考えていました。
「病院⇒老健施設⇒グループホーム⇒病院でのターミナルケア」
「在宅介護+訪問看護⇒病院によるターミナルケア」
 いくつかのパターンを想定していました。病院を退院した後、受け入れ先のないケースが時々あって、ご家族が困っていました。クラスター構造でこれらの施設をもっていたら、シームレスな(切れ目のない)介護が実現できます。こちらの夢は破れましたが、いろんな人に支えられて、いまの私があります。

<市街化地域3中学校の学力向上努力>
 啓雲中学校と光洋中学校を取り上げていますが、柏陵中学校も放課後補習をずいぶんやってくれるようになりました。それだけでなく、国語の点数が低い部員に、部活の先生が日記作文指導を2年間した事例を知っています。赤鉛筆で丁寧に添削していました。2年間毎日、なかなかできることではありません。
 この4年間ほどで、根室市内の市街化地域の3中学校はそれぞれ学力向上への取り組みを、校長先生・教頭先生そして教員の皆さんが協力して、成果が出始めています。授業の進捗管理も徹底されるように変わりました。光洋中学校にいらっしゃった教頭先生と教員の皆さんの努力の成果です。市街化地域の3中学校の授業進捗管理がこの3年間で見違えるほど変わっています。3年生はほとんどが1月で教科書を終わるようになりました。道内の私立高校入試は2月半ばですから、間に合うようになったのです。
(3月の卒業の塾生6人のうち4人も根室から出て、道内の進学校や部活強豪校へ進学しています。こんなに根室から出てしまう生徒が多かったのは初めてです。)

<中学校の努力の限界と新たな課題が見えてきた>
 中学校で成果が出始めると同時に、限界も見えてきました。小学校の学級崩壊の後遺症が中学校に及ぶので、そういうケースでは容易に学力をあげることができないということも、はっきりしてきています。
 啓雲中学校の先生たちは同じ学区の花咲小学校の先生たちと定期的にミーティングをしているようですが、校長先生が変わっても、そういう努力が続けられたらすばらしい、継続は力、期待しています。
 いずれは、学童期の前のお母さんたちの子どもの躾の仕方の問題が俎板(まないた)に載ると思います。関係する人たちが、どんどんコミュニケーションして、根室の子どもたちの学力を上げてください。

<惜しみない改革努力をしてくれたお二人に敬意を表します>
  5年前の2010年に荒れていた啓雲中学校を見事に立て直したS校長先生(3月で定年退職)と教員の皆さんに敬意を表したいと思います。#1307には北海道新聞の啓雲中学校の取材記事を転載してあります。
 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 S校長は光洋中学校卒業で野球部でした。だから、自分の経験を元に学校通信で、部活と勉強の両立の仕方を何度も具体的に説明していました。そして部活担当の先生たちに「文武両道」を徹底するように繰り返し言ってました。部活指導の先生たちも志を同じくして生徒に対応しました。ちょうどそのときに道教委が大谷翔平を起用したポスター「文武両道」を全道の中学校に配布したんです。タイミングがよかった。あれは文科省から出向していた道教育局の武藤教育次長(当時、現在は文科省へ戻っています、2013年に根室高校で講演会が開催されたので、記憶している方が多いでしょう。スピーチの上手な元気のよい若手の文部官僚です)の発案だと聞いています。いいポスターでした。

*#2214 北海道庁教育局義務教育課長「講演会」でどよめきあり Feb.16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17

 #2218 論旨の違う新聞報道:市PTA連合会主催講演会 Feb. 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-19

 #3178 教育シンポジウム(3): 武藤久慶氏による基調講演① Nov. 18, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-17-1

 #3179 教育シンポジウム(4): 武藤久慶氏による基調講演② Nov. 18, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18

 #3180 教育シンポジウム(5): 武藤久慶氏による基調講演③ Nov. 19, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19

 #3181 教育シンポジウム(6): 武藤久慶氏による基調講演④ Nov. 19, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19-1

 #3182 教育シンポジウム(7): 武藤久慶氏による基調講演⑤ Nov. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19-2

 #3183 教育シンポジウム(8): 武藤久慶氏による基調講演⑥ Nov. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20

 #3184 教育シンポジウム(9): 武藤久慶氏による基調講演⑦ Nov. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-21

 #3185 教育シンポジウム(10): 武藤久慶氏による基調講演⑧ Nov. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-21-1

 #3186 教育シンポジウム(11): パネルディスカッション Nov. 22, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22

 昨年11月に開かれた「教育シンポジウム北海道」が開催された後の打ち上げで日本教育文化研究所のM田さんと話をしましたが、教科書を1月中に終わらせて2月は復習に当てるというのは、あたりまえのことでした。M田さんは山口県の教員です。
 「え、ebisuさん、根室は1月中に終わらないの?それでは復習できないでしょう、わたしの地域では1月には終わっていますよ、2月は1年分の復習に当てています」とびっくりされていました。
 釧路も根室と似たような状況でした。「根室と釧路のスタンダード」は「日本のスタンダード」と大きく離れていたのです。根室は2学期の期末テストの後に数学の教科書のおおよそ1/3強を残して残りの2.5ヶ月で端折りながらやっていました。2学期までと同じ速度でやると、20ページ以上やり残します。教科書の後半1/3は前半よりもずっと難易度が高いので、同じ速度ではやれっこありませんから、端折るんです。基本だけで流してやったことにしてしまう。
 2学期期末テスト範囲は「第5章相似な図形」の途中まで、120-130ページくらいまでしか進んでいないのが普通でした。教科書の前半は計算問題が多くて難易度が低いのですが、後半は「第4章 二次関数」、「第5章 相似な図形」、「第6章 三平方の定理」、「第7章 円」、「第8章 標本調査」と図形の文章題が続くので難易度が上がるんです。
 一番ひどい例(8年だったか9年前だったか、ずいぶん前の話ですからもう関係者はその学校にはいません)を挙げると、2次関数は自分で勉強するようにと2月の下旬に宣言した先生(B中)がいました。以前の教科書では2次関数が一番最後に載っていましたが、その時代のことです。2次関数は高校数学との関係で、しっかりやらないといけないのですが、そんなことはお構いなしです。成績上位15%しか自力でやれません。残りの生徒は高校へ行ってから数学で落ちこぼれます。数Ⅰの分野では2次関数がかなり難しい問題が出てきますし、数Ⅱでも三角関数や指数関数の複合問題で、2次関数に持ち込んで解く問題が多く出題されます。微分・積分でも2次関数が基礎です。高校数学を考えると、こんなに大事な2次関数を遣り残して、「自分でやっておけ」というのはいくらなんでもむちゃくちゃです。そういうことをしても、担当の先生は誰からもチェックを受けません。
 教頭や校長が授業の内容や進捗に口出しすることがないのが学校という組織です。民間企業では、スケジュール管理のできない部下は上司の叱責を受けますし、ボーナス査定も低くなります。2年続けて改善できなければ、「仕事を変えたほうがいいよ、君は向いていない、2年連続で実績を出せないのだから」とやんわり退職勧告がなされます。約束した期限に間に合わなければ、ケースによってはお客様から損害賠償請求がなされることがあります。仕事には完了しなければならない期限があるのがあたりまえです。
 根室のどの中学校も授業の進捗管理がでたらめでした。私立高校受験の2月になってから残りの30-40ページをやるというようなことがあたりまえでしたから、生徒の大半が理解できるわけがありません。
 2年前から受験科目の五教科ほとんど1月で終わっています。劇的に変わったのです。
 きっかけがありました。母校である中学校の授業進捗管理のルーズさを弊ブログで採り上げた(1月下旬)ところ、炎上事件がありましたが、それをきっかけに授業の光洋中学校のI教頭先生が教員の皆さんを巻き込んで進捗管理を徹底してくれました。2月の中旬には道教育局から授業の進捗管理を徹底するように3課長連名の通達が出されました、これは異例のことでした。3課長連名の通達なんて前例がなかったからです。道教委も道内の一部の地域で授業の進捗管理がなされていないことを内部で問題にしていたのだろうと思います。
 ページ数は記憶で書いていますので、実際に何ページであったかは、炎上事件のときの弊ブログに記載がありますから、そちらをご参照ください。
*「#2189 中3数学:"「円」の章はやれない" 宣言アリ  Jan. 29, 2013 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-28

 コメント欄に生徒たちの投稿がたくさんあります。別の記事にも投稿がありますが、ひとつとして、あのときに自分たちが数学の教科書の何ページをやっていたのかに言及したものがありません。投稿した生徒たちは数学の授業を受けていたのですから、事実に基づき冷静に考えれば、事実関係が理解できたはずです。1月中に教科書を終わっていなければならないということを知っていた生徒が一人もいなかったのは、根室の中学校のそれまでの授業進捗管理の甘さをそのまま表現しています。生徒たちも1月で教科書が終わらないことをあたりまえだと勘違いしていたのです。
(仕事のスケジュール管理ができなければ、重要な仕事なら民間会社では数百万円とか数千万円の損害が出ます。2年続けて同じ失敗をしたら、クビになる前にいられませんよ。上司の監督責任になるので、当人が首になるだけでなく、上司の監督責任も問われます。それが民間会社の常識です。抛っておいたらお客様から仕事のできない会社だと見限られます。繰り返しそういうことが起きたら、世間の評価が落ちて、取引先が減っていきます。つぶれてしまうんです。スケジュール管理や仕事の進捗管理ができないというのはそれほど重大なことなんです。)
 だから、学校の外部から異常なことを異常だと指摘する必要があります。学校は外部の声に素直に耳を傾ける必要があるのです。抛っておいたら、この問題は何年でもそのままでした。問題があると感じていないのですから。そういうわけで、生徒の意識も先生の意識も、根室は日本のスタンダードから遠く離れていました。
 あのときの中3の生徒は今年の春に高校を卒業しましたが、数人でもあの炎上事件が薬となって自分が知っている事実に基づいてクールに考えることができるように成長していたら幸いです。投稿をした生徒たちのほとんどに判断の間違いがあったわけですが、わたしは間違えてはいけないといっているのではありません、間違えていいのですよ。心根がまっすぐならときに間違いも許されることがあります、もちろん取り返しのつかないこともあります。でもそれを糧にして学んでくれたらいい、それが教育とか成長というものですよ。終わりよければすべてよし。
 あ、忘れるところでした、実に秀逸なコメントが一つだけありました、母校にはずいぶん立派な後輩が育っているとうれしくなりました。英語の教科書の「プログラム9 マザー・テレサ」を引用した投稿でした。内容の格調が高かったので、大人の女性の投稿だと判断しましたが、間違いでした。男子生徒2人の共作でした。論旨が明快でしっかりしていました。あの二人は立派な大人になって根室を支える力になってくれます。二人とも受験直前の1.5ヶ月で英語の学力を飛躍的に伸ばしました。一人は入試で満点をたたき出し、もう一人は総合ABCのどれよりも30点以上得点を挙げました。やればやれる、自分の力と可能性が自分が考える以上に大きいことが実感できたはずです。苦労を乗り越えてさらに成長を重ねてください。

 光洋中学校では、翌年(2013年度)には3年生の五教科全部を1月末日までに終わらせ、2月の道内私立高校受験に間に合わせました。五教科担当の先生たちもたいへんだったでしょう。陣頭指揮した光洋中学校の元教頭I先生には心の底から感謝申し上げます。

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【隠れたカリキュラム】 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%A0

学校のフォーマルなカリキュラムの中にはない、知識、行動の様式や性向、意識やメンタリティが、意図しないままに教師や仲間の生徒たちから、教えられていくといったものをいう。

 授業の進捗管理がルーズだと、それがあたりまえだという教育をしていることになります。中学校3年間にわたって授業にそういう隠れたカリキュラムが存在すると、生徒たちはスケジュール管理は守らなくてもたいしたことはないのだと潜在意識で考えるようになります。毎日、毎年繰り返されることは習慣となるのです。
 生徒が優秀でまじめだったとします。システム開発関係の仕事に就き、30歳前後になって有能さを認められてSEとなり、1億円の開発プロジェクトを任されたとします。スケジュール管理に甘さがあれば、お客様との約束の期限どおりに商品を納入できないことになります。あせった彼(あるいは彼女)は遅れをカバーするために毎日6時間の残業をし、土日返上でただ残業をすることになります。それでも追いつかなければ精神的に追い詰められ、自殺ということもありえるのです。ルーズな仕事のお手本を隠れたカリキュラムで教師が生徒を教育してはならないのです。極端なケースを挙げましたが、現実にシステム開発業界では現実にあった話です。
 わたしは産業用エレクトロニクスの専門輸入商社に5年間勤務したことがありますが、わずか1000万円の商品の納期が数ヶ月ずれただけで、納入先の電気メーカの50億円のプラントの稼動時期が数ヶ月延期になり、億円単位の損害賠償請求に発展することがあります。それほど納期を守る、期限内に仕事をちゃんとするということは大事なことなのです。
 毎日だらだらなされる部活も隠れた「カリキュラム」となります。土日もつぶして効果の低いトレーニングに明け暮れる。そういうことを中学3年間繰り返せば、だらだらやることや、トレーニングメニューの工夫をしないことがあたりまえの性格になってしまいます。そういう人を雇う経営者がいると思いますか?最近の会社経営者は「部活をやっていても使い物にならない」とため息をついています。昔は上下関係を前提に口の聞き方をしっかりしつけられていました。だから、お客様の前に立っても、ちゃんとした言葉遣いができたのです。いま、先生とも先輩ともお友達言葉です。それが「隠れたカリキュラム」になっています。上下関係に応じた口の利き方をちゃんとしつけましょう。
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<北海道新聞根室支局のみなさんへのずうずうしいお願い>
 2010年に北海道新聞根室支局が啓雲中学校を取材しています。この頃は、道新根室支局の記者は教育問題をシリーズで3回取り上げてくれました。それから教育に関する企画がありません。どう変わったのか、ぜひ取材してほしいと思います。


*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1


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#1758 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部⑤:新聞活用(北海道新聞) Dec. 1, 2011
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-01

 #1757 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部④:小中一貫教育(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30-1

 #1756 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部③(北海道新聞) Nov. 30, 2011
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30

  #1753 「教育再考 根室の未来第 シリーズ4部②(北海道新聞)」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27-1

 「#1750 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部連載開始(北海道新聞) Nov. 25, 2011 」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25


 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 #1306 教育再考 根室の未来 第2部 低学力③:若手多く指導に苦戦も
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

  #1304 教育再考 根室の未来 第2部 低学力②:「学ぶ意味」尊重されず 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17

  ◎#1253 教育再考 根室の未来(5):第1部⑤高校統廃合(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24

  ◎#1251 教育再考 根室の未来(4):第1部④高校統廃合(北海道新聞) 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

 ◎#1250 「教育再考 根室の未来(3):第1部③高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-21

 ◎#1249 「教育再考 根室の未来(2):第1部②高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-20

 ◎#1248 「教育再考 根室の未来(1):第1部①高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19

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 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14

 #2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18


 

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コメント 4

ZAPPER

文字起こしを読んで、やっぱりebisuさんってすごいなーと改めて思っていたところでした。

さて、この場を借りて根室の先生方に御礼を申し上げます。

ありがとうございます。
おかげさまで山が少しだけ動きました。
これからもどうぞ子どもたちを鍛えてあげてください。
がしかし、本番はこれからです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
by ZAPPER (2016-05-07 21:21) 

ebisu

ZAPPERさん、どうもありがとう。

ブログを毎日のように書き綴って、問題を提起し、その解決方法を探り、そしてそれをアップする。小さなことを一つ一つ丁寧に積み上げることが大切なのでしょう。

一気呵成に大きなことをやる馬力はとっくにありませんが、小さなことをコツコツ積み上げるなら、まだわたしでもできることがあるようです。

それもこれも2010年3月31日に弊ブログを読んでくれたZAPPERさんがメールをくれて、4月4日に根室まで会いに来てくれたからです。
同じ志の若い人が釧路にいることがわかりました。うれしかったですよ。
あのあと、「釧路の教育を考える会」ができて、月田さんが釧路市議会に超党派の学力問題研究議員連盟をつくり、車の両輪となってことが動き出しました。
志を同じくする若い文部官僚とも知り合えましたし、北海道教育文化研究所の設立にも参加の機会をいただきました。
お会いしたときには、わたしたちがまったく予想もできない展開がまっていましたね。

「釧路の教育を考える会」が強いのは、一人ひとりが、単独でも戦い抜けるというところにありそうです。
そういう侍が集まってしまった。
実に広い職種を網羅していることも強みです。会ができるまでは敵であったはずのところにもいまでは強い味方がいます。

学校の先生たちともずいぶんと知り合いになれました。
根室の中学校の先生たちのこの4年間の変革の努力に心の底から感謝申し上げます。
これからも、さらによくなるように、毎年少しずつでいいので、小学校の先生や保護者の皆さん、そして地域住民とコミュニケーションの機会を作り、根室の子どもたちの学力向上に力を合わせていただきたいと願っています。

数年のうちに、体力を少し残して引退しますが、そのあとやるべきことが少しあります。(笑)

18歳まで根室で育ち、その後35年間東京暮らし、そしてふるさとに戻ってきて、なすべきことをしているうちに、あと数年で根室暮らしが通算35年間になります。
根室暮らしと東京暮らし、35年と35年、人生の転換点が来るような気がします。いい人生です。
 すばらしい仲間、同士に感謝!
by ebisu (2016-05-07 22:00) 

ZAPPER

こちらこそ本当にありがとうございます!

ebisuさんにお会いし、そして素晴らしい同志のみなさんに出会い、本当に本当に楽しい、夢のような数年間でありました。

どうせ無理。
どうせできない。
どうせ何も変えられない。

そうしたことを言う子ども達に、おかげさまで今は胸を張り、自信を持って笑顔でこう諭すことができます。

志が正しくて、けっして諦めない信念があるのならば、山だって動かすことができものだよ。

そのことを、みなさんに教えていただいた数年間でありました。
そうそう、立役者にしてebisuさんと双璧をなす頭脳をお持ちの「たーさん」がおっしゃっていた一言が、今でも忘れられません。

(我々は)最強の一匹狼の集まり。

重ね重ね、ただただ感謝であります。
なぜどうして、そこまでやるんですか?
などとずいぶん聞かれましたが、これしか答えようがありませんでした。

それもこれも「遊び」なんです。
激しくてなかなか危ない「遊び」ではありますが、それ以上に楽しくてワクワクする「遊び」なんです。

人生は遊業なり。
もうしばらく、不埒な輩を構ってやってくださいませ!^^;

ありがとうございます!
by ZAPPER (2016-05-07 23:02) 

ebisu

ZAPPERさん

面白いですね。
たーさんは「企画好き、そしてそれを実現できる有能な実務屋」さんです。存分に仕事しているようです。やれる範囲とやれないところに線引きして、その線を押し上げることのできる人です。「お手並み拝見」、なんて書くと「楽じゃないと」叱られそうですね。(笑)

I田さんもたーさん同様に頭脳明晰な人、鋭い分析を見せてくれます。仕事ができるので多少頑固なところは感じますが、頑固さはわたしにも言えることです。(笑)

M野さんは仕事を極める人、豪胆な決断を時折しますが、ほんらいはとても繊細な方であるようにわたしには見えます。

釧路市議会議長の月田さんは実にエネルギッシュで不屈の人で、思ったことはやる人。超党派の釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟をあっというまに立ち上げ、基礎学力保障条例の制定に尽力してくれました。それを片方で支えたのがたーさんの文書能力でした。

ZAPPERさんもエネルギッシュですが、月田さんとはタイプも、人間関係も、働きかける方面もまったく異なっています。だから、ZAPPERさんと月田さんの組合せは相性がよい。

ジャンヌダルクのニックネームのあるK安さんも、それまでの主宰団体での活動のベースがあって、釧路の文化の一翼を担う人です。基礎学力保障条例制定後にそれが空文化しないように釧路市議会で教育関係で鋭い質問を投げ続けています。教育長も基礎学力保障条例に沿って動かざるをえなくなってきています。

根室管内のAさんは二つの学校で学力向上に大きな実績のある人です。
この人を含めて根室教育長に推したい人材が数人います。根室管内は有能な人材がいないのではなく、有能な人材を使える市長がいないのです。
民間会社では無能な上司と有能な部下というのが最悪の組合せでして、無能な上司と無能な部下の組合せよりも仕事の効率が悪くなります。

会長の角田さんは実に異色な人です。ああいう人が釧路市の教育長だったのですからすごい、「敵」として相対したかった人物だと、ZAPPERさんも角田さんも思った。
「オヤブン」肌の人です。一ツ橋大学長だった増田四郎先生に似た風をわたしは感じています。

Y本さんはこれから力をはっきしてみせてくれます。信念の人でありながら柔軟なゆえに期待値が高い。

それぞれが一騎当千の強者でありながら、同じタイプがいません。
「釧路の教育を考える会」はじつに面白い集団です。パレットにはいろんな色があります。
いまのところは考えてもいなかったすばらしい絵になっています。

これからどんな絵を描くことになるのか楽しみです。
ドキドキワクワク、流氷乗りのようなちょっと危険な遊びかもしれません。

by ebisu (2016-05-10 11:12) 

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