#3137 基礎学力問題:釧路市議会議長のブログから Sep. 17, 2015 [55. さまざまな視点から教育を考える]
釧路市議会で超党派の基礎学力問題研究議員連盟を立ち上げ、2012年12月に全国に先駆けて「基礎学力保障条例」制定に尽力した月田さんが、その後遅々として進まぬ釧路市の教育改革について論評している。
どんな人かわからないだろうから、彼のブログのプロフィール欄に書いてある政治信条を紹介する。
「今ここにある問題を解決するために、また未来のために今やらなくてはならないことを、逃げないで断乎としてやり抜く!」
なかなか、たいした覚悟だ、そしてその通りに動いている有言実行の人。
ダンコには断固と断乎の二通りの書き方があるが、あえて「断乎」としたのだろう。この「乎」の字には「神意によりて行動する」という意味がある。断は「截(き)る」という意味である。自分の利害損得はとりあえず脇において考え・行動するという決意がこめられている。
増谷文雄著『[阿含経典]を読む 近代仏教への道』を読んでいたら、208ページに「いまや、彼(釈尊)は、その不安を断乎として却(しりぞ)けることのできる人でありました」と、覚りを得たお釈迦様の心境を伝えている。わたしはこの断乎という字をいままで使ったことがない。自覚的な仏教徒である彼は字を選んだのかもしれぬ。無自覚な仏教徒、あるいは好奇心から哲学として初期仏教経典を読むebisuとの違いか。
4年前に「釧路の教育を考える会」で出遭い、酒を飲んで話していたら、専修大学野球部の夏季合宿の誘致に話が及んだ、なぜ専修大学なのかと話を聞いているうちに同じ大学・同じ学部(商学部)・同じ学科(会計学科)の出身であることがわかった、奇遇である。まっすぐで仕事のできる面白い男というのがその後4年のお付き合いをしたebisuの(月田)評である。
地域の未来にとって教育は最も重要な戦略テーマである。そうした事情は根室市も変わらない。だが、その取り組みへの情熱と行動力はいまは天と地ほどの差がある。
根室のこどもたちの基礎学力向上は根室に住むわたしたちでなんとかしよう。釧路の教育改革から虚心に学べ。
ブログ「情熱空間」より転載
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8144907.html
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2015年09月16日
4度目の惨敗(全国学テ釧路市結果)
もう一度チャンスを!
…また惨敗…
またもう一度チャンスを!
…またまた惨敗…
またまたもう一度チャンスを!
…またまたまた惨敗…
で、4年連続惨敗。民間企業であったなら、セクションのトップと準トップはとっくの昔に更迭されていることでしょう。しかし、わが街の教育行政の場合、誰一人として責任をとらないばかりか、5度目の惨敗に向けて邁進中…。駄々をこねては泣きながら、できないことを「できるもん!」と言い張る小さな子どもを連想してしまいます。
TV・DVD視聴に費やす時間は大幅に減少。家庭学習時間は全道平均以上に。生活習慣は改善され、家庭学習時間は増えた。それなのに全国との学力差は開く一方。それ、努力の方向性が完全に間違っているからだよ。勝利の方程式は完全に見えている。しかし、どうあっても二番煎じ(?)だけには絶対に絶対に乗らないらしく、自分達がこしらえた児戯に等しい仕組み(失礼!)とやらに固執し、外部の意見には一切耳を貸そうとせず、そうして惨敗を続けている。
4度目の惨敗。4年前の小6生、もう義務教育を終えてしまいましたね。4年前の中3生、もう社会人になっている子も多くいるでしょうね。参事に指導主事、基礎学力検証改善委員会のメンバーは、即時全員更迭。妥当な処分かと私は思いますけれど、我が市教委では常に恩赦がなされているようです。
道教委も、そして文科省も、きっとモニタリングを続けていることでしょう。ダメの見本市の教育行政として。4年連続の惨敗。月田議長のブログ記事をお読み下さい。
●くしろよろしく 月田光明ブログ
第3240回 4年目も惨敗
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51798981.html
《引用開始》
市議会総務文教常任委員会。
午前は生涯学習部、午後は学校教育部の審査。
春に実施された全国学テ及び釧路市標準学力検査の概要について、指導主事室から報告を受けました。
両テストともに厳しい結果です。
まずは、全国学テ。
『釧路市内すべての小中学校が全科目において全道平均正答率を上回る』との目標は、今年も達成できずに終わりました。
特に問題なのは、全道平均よりも-5ポイント以上低い学校の多さです。
小学校国語B、算数Bでは8校。
結局、下位層の底上げができなかったということです。
しかし、学習状況調査では家庭学習(塾等も含む)の時間は、30分以上、また1時間以上、2時間以上の子どもたちは、全道平均よりも上。
そこで、質問。
「家庭等における学習習慣の定着には一定の成果が出ている。しかし、それが学力向上につながっていない。取り組みの重点を、いよいよ教員の授業力、指導力に当てていくことになるのか?」
『そういうことになります』
次に、格差の問題。
「この1年、2年、学習規律の確立に取り組むとしてきた。どこの学校、どの教員の下で学ぼうとも、同じ水準の授業を確保するという説明だった。その成果はどこに表れたのか?」
『現実的に、学習規律を定めても教員間の力量の差が大きく、指導力に問題のある教員に対するフォローが十分にできなかった』
であるなら、
「外部からのマンパワーの投入を、本格的に検討していくということか?」
『予算の問題もある。まずは、学校という組織で対応すべきと考える。教員相互の補完を機能させていくように指導していきたい』
(今さら、という気もしますが・・)
最後に、
「中1ギャップの解消は急務の課題である。スピード感をもって小中一貫教育を進めていくべきでないか?」
『阿寒湖小中学校で、モデル的な取り組みを始めたい』
「釧路地区においても早急に検討すべきではないか。今年度中にロードマップを作成するくらいの意気込みがあってしかるべきと思う」
『まずは、阿寒湖小中における取り組みの検証をしながら、その後の検討につなげていきたい』
小中一貫については、市長総括に回しました。
林教育長の見解を聞いてみたいと思います。
4年間も惨敗を続けた総括を踏まえて、はたしてどのようにお答えになるか・・。
《引用終了》
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ブログ「情熱空間」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8146271.html
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基礎学力非常事態宣言!(北海道釧路市)
釧路市の小学校3年生。
「6+7」の計算ができない子が、およそ8%ほどいます。
釧路市の小学校4年生。
「6-3.8」の計算ができない子が、およそ35%ほどいます。
釧路市の小学校5年生。
「3.5+4」の計算ができない子が、およそ27%ほどいます。
釧路市の中学校1年生。
「9と12の最小公倍数」を求めることできない子が、およそ25%ほどいます。
釧路市の中学校2年生。
「8a+a」の計算ができない子が、およそ22%ほどいます。
まさに、《基礎学力非常事態宣言》ですね、これは。ウチの市教委は、なによりもまず「分かりやすい授業」とやらを目指していて(釧路市教育推進基本計画)、実際に子ども達も「授業は分かりやすい」と答えているんですね。ところが、蓋を開けてみたならこう。そもそもの大綱の目標設定からして《かすっていない》ということが、もはや明白になったわけですね。(だから、あれだけやめなさい!と言ったのに…)
あれ、おかしいな…。
どうして上がってこないんだろう…。
それどころか、悪化しているし…。
えっ、なぜどうして…。
これだけ色々とやって、頑張っているのに…。
とまあ、指導主事室は、腕組みをして頭を抱え、沈鬱な雰囲気に支配されていることでしょう。そろそろやっと分かってきた頃でしょうか。ええ、努力の方向性を完全に間違えてしまっているということを。組織のアタマには、児童生徒の学力を実際に上げた経験のある人、学力向上請負人といった人を据えなければ、そしてその人に全権を委任しなければ、もはやあなた方の力ではどうしようもありませんよ。ええ、いるでしょ、それができる人が一人だけ。だったらそうしましょうよ。そう、アタマを挿げ替えちゃいなさいよ。
アンケート調査においては、「授業が分かる」とする児童生徒があれだけ多いのに、しかし結果はメチャクチャ。まずはその原因を徹底的に分析することからはじめませんか。仕事は、できる人に権限を与えて任せることが基本。そうではありませんか、釧路市教委さん。
月田ブログより
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51799046.html
2015年09月15日
第3241回 4年目も惨敗 その2
釧路市標準学力検査。
今年で4年目の実施になります。
対象は、小3・4・5年生、中1・2年生。
小6、中3は全国学テの対象なので、同検査から外しています。
さて、この東京書籍版の学力検査。
各設問ごとに目標値が設定されています。
『学習指導要領に沿い標準的な時間で学習した場合に、正答が期待できる児童・生徒の割合』
個別に見ると、その目標値が低過ぎて違和感を感じるところもありますが、一応はそうなっています。
ともかく、この目標値は最低限度のラインであって、釧路市全体として当たり前のように達成しなくてはならない水準です。
ところが、表を見ても分かるように▼だらけ。
かなり厳しい現状にあると言わなくてはなりません。
「達成率」(目標値と同程度以上の正答率であった児童生徒の割合)で見ても、
国 語 算数・数学
小3 63.3 67.3
小4 49.4 62.3
小5 64.7 56.6
中1 58.6 61.1
中2 54.2 54.7
相当な人数の児童・生徒が学校の授業が理解できていない現実が表れています。
特に、中2。
同検査は、春4月に実施するので、前学年の習得状況・到達度を見るテストです。
つまり、中1の勉強に大きなつまづきがあったということになります。
この実態は、基本的にこの4年間変化なし。
PDCAサイクルが回っていない。
委員会審査においては、複数の議員からもかなり厳しい指摘が相次ぎました。
どうする指導主事室。
《引用終了》
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70% 20% 10%
道元の『正法眼蔵』を読んでもぴんと来ない人は、この本を読んでみたらいい。お釈迦様の説教に道元独自の認識論が付加されて、わたしたちにはじつに難解なものとなっている。
ところがお釈迦様が衆生に説かれたものは漢訳教典とはまったく様相をことにするものである。『阿含経典』群には釈迦の教説がどのようなものであったかが簡明に書かれてあるので、興味のある人は『阿含経典』を全巻繰り返し読むのがいい。漢訳仏典とは異なり、じつに簡明でわかりやすい。世の中の一切を説こうと言って、一切を余すところなくみごとに解き切っている。
あなたは限りなく透明で清浄な知性に出遭うことになる。プラトンのソクラテスとはまた別種に知性である。わたしはソクラテスとは同時代に生まれたいとは思わないが、お釈迦様の時代に生まれて、その言説を拝聴してみたいとは思う。
わたしは1981年の初版単行本をもっている。全部で6巻ある。お釈迦様が衆生に説かれたそのままが載っている。
後に文庫化されたようだ。文庫の③の「五百人の結集」は単行本では第六巻に所収されているから、文庫のほうは3巻で全巻のようだ。
阿含経典〈1〉存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群 (ちくま学芸文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/08
- メディア: 文庫
阿含経典〈2〉人間の感官(六処)に関する経典群・実践の方法(道)に関する経典群・詩(偈)のある経典群 (ちくま学芸文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/09
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阿含経典〈3〉中量の経典群/長量の経典群/大いなる死/五百人の結集 (ちくま学芸文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/10
- メディア: 文庫
来年の夏の終わりこそ、全国の中高生を釧路に集めて渋谷踊り講習会をしたいです。渋谷教頭はロハで夏休みの終わりなら来られるでしょう。今から計画してゆけばです。
新潟や九州は話が進みそうですが、やはり釧路でも早くやりたいです。後五年で東京オリンピックです。それまでは面白い企画にでっち上げたら大概のことは本当になるでしょう。
根室はバドは関係ないですね。むしろ根室より中標津近辺かも。〇〇でもして早くネムロ。(笑)失礼しました。南無阿弥陀仏。なるようにしかなりません。
でも私も最善を尽くしています。それにつけても管理人様がたは素晴らしい。感服!!!!
by tsuguo-kodera (2015-09-18 07:22)
koderaさん
おはようございます。
根室の子どもたちはkoderaさんの指導をとっても喜んでいましたよ。先生お二人もね。ありがとうございました。
釧路は、釧路のバド協会関係者を通じてやるのがいいようです。わたしの調整の試みは失敗でした。
正攻法でいくと案外受け入れがスムースに行きそうな気がします。
来年はバドミントンの全国大会準備で釧路のバド関係者が忙しいということもありません。
>今から計画してゆけばです。
新規事業ですね。
釧路で講習会が開催されたら、距離的には根室ばかりでなく、中標津や別海などの根室管内の中高生も参加可能です。
世のため人のため、未来を支える子どもたちのために、企画がいい方向にころころと転がることを期待しています。
by ebisu (2015-09-18 08:37)
我が街の教育行政の仕事っぷりの評価。そろそろ佳境を迎えつつあると言えそうです。
文科省も国立教育政策研究所も道教委も、ダメ教委の見本としてモニタリングを続けていることを、そろそろ市教委は自覚しなければならない時期に来ました。
根室教育局と根室市教委は、これを他山の石となさってくださいね!^^
by ZAPPER (2015-09-18 12:09)
基礎学力問題は一筋縄ではいきませんね。
全国に先駆けて「基礎学力保障条例」を制定した後、目の前にある問題や基礎学力向上の障害になっている既存の仕組みを一つ一つ解決あるいは取り除く努力をしなければいけません。
十年にわたる努力の積み重ねの上に、成果が出始めるのでしょう。じわじわとネジを回すように食い込んでいけばいい。十年間はなにがなんでも回す力を緩めないこと、楽しくやりましょう。
世のため、人のため、地域の未来を切り開くために。
by ebisu (2015-09-18 15:42)