#2850 'Promoting women at work'1-2 :女性大臣二人辞任 Oct. 22, 2014 [75.時事英語公開講座]
今回は#2849'Promoting women at work'、の英文記事を2大臣辞任ニュースと絡めて解説編、これら二つは共通の根っこをもっている。
女性閣僚5人の内の2人が政治資金規正法違反で辞任した。力量のない者をムリに重い職位につけると人材を損ねることになるし、組織体制や仕事に悪影響が出る。政府は女性管理職30%という目標を達成するために法律案を準備しているが、そんなことをしたら日本中の会社がおかしくなりかねない。
日本は欧米とは異なる価値観で男女の分業をしてきたし、そういう基礎の上にアジアで最初に近代化を成し遂げた。縄文時代から1.2万年続く「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました・・・」という性差を認めた仕事の分業の底に流れる日本的価値観を棄てる必要はない。
少子高齢化が急速に進み、生産年齢人口が減少に転じ、数百万人単位で労働力市場が縮小を始め、にわかに人手不足が現出して、外食産業に数百店単位で閉店が出始めた。
生産年齢人口が縮小に転じてしまってはアベノミクス三本の矢の成長戦略が雲散霧消してしまうから慌てているのだろうが、少子高齢化による人口減少はずいぶん前からわかっていたことでいまさら慌てるところを見ると、先がぜんぜん読めていなかったらしい。こんなテイタラクで大丈夫だろうか?
経済成長の時代は終わった、粛々と経済縮小を受け入れたらいい。国内に生産拠点を取り戻し、若い人たちに安定した正規雇用の場を提供するために、強い管理貿易に舵を切り、国産できる物資は国内で生産し、消費すればいい。そうすれば、雇用の確保ができるし、輸入も減らせる、貿易収支の赤字も減らせる。いいこと尽くめではないか。
日本列島に住み生活する日本人が5000万人になれば、いまよりずっと住みよい社会が訪れるだろう。縄文時代以来1.2万年の歴史ではじめての人口縮小を歓迎しよう。
*http://www.japantimes.co.jp/opinion/2014/10/17/editorials/promoting-women-at-work/
Promoting women at work
(法律を作り女性管理職を4倍にする・・・安倍首相)
(1) Draft legislation prepared by the administration of Prime Minister Shinzo Abe requires large companies as well as the national and local governments to set and publicly disclose targets for promoting women in their organizations beginning in fiscal 2016.
「安倍晋三内閣によって準備されている法律草稿は国家公務員や地方公務員のみならず大企業にも2016会計年度当初までに女性登用を決めることとその目標値を公表するよう要求するものである。」
簡略化すると次のようになる。
① Draft legislation requires A and B to set.
② Draft legislation requires A and B to publicly disclose targets.
Aは「大企業」、Bは「国家公務員と地方公務員」である。 ①は「法律案はAとBに決定することを要求している」、②は「法律案はAとBに目標値の公表を要求している」、つまり①では女性登用という踏み絵を踏むことを要求し、②でそれをいつまでにどういう具体的数値目標を掲げてやるのか公表させてタガをはめようという魂胆だ。
これは日本企業の解体論に等しい。管理職の資質に欠ける者を大量に管理職へ登用したら企業業績に悪影響が出る。後で出てくるが、公共事業の発注もこの具体的な目標値如何で優先権を与えることにまで言及しており、ほとんど脅しだ。この法律案が国会で承認されたら日本企業の競争力を大きく削ぐことになる。
(2) The move follows a goal Abe set in his economic growth strategy of raising the ratio of women in leading positions in society to 30 percent by 2020.
「2020年までに社会の中で指導的地位にある女性の比率を30%にまで増やそうという経済成長戦略で安倍首相が決めた目標に従った法制化の動きである。」
'the move'は定冠詞がついているので「法制化への動き」のことだ。'in society'は'in household'あるいは'at home'に対応する語である。家庭から女性を引きずり出して労働力市場に投入しようということ。誰のための政治か?
(3) Members of the business community are said to have resisted setting a uniform target for boosting the ratio of women in management on the grounds that their ability to do so would differ between individual companies and sectors.
「女性の管理能力が会社や業界ごとに異なっているという理由で管理職の女性比率を上げるために統一目標値を設定することに経団連の会員企業が反対していると言われている。」
受身の文になっているのは、だれがそう言っているのか(agent)に関心がないからだ。reportedlyと付け加えてもいい。そう思って次の文を見たらreportedlyが使われている。これではここで使うわけには行かぬ。なるほど、そういう文かと合点がいく。
the business community:定冠詞がついているから、大企業の経済団体である経団連である。こういう定冠詞を見過ごしてはいけない。membersには定冠詞もsomeという限定詞もないので、特定のメンバー達ではなく、会員企業に広くそうした反対論が存在していることを示唆している。
(4) But the Abe administration reportedly insisted that the bill, which it hopes to get enacted in the current Diet session, will impose legal obligations on the part of businesses and government organizations to make some commitments on promoting female workers.
「安倍内閣は―その法案を今国会で採決したい―女性労働者を管理職にする約束をさせるために経済界の一部(大企業)と各省庁に法的義務を課すつもりだ。」
安倍晋三首相は5人の女性を閣僚に起用したのだが、松島みどり、高市早苗、小渕優子、山谷えり子、有村治子の五人の内二人が失脚した。ムリに女性を重職に起用するとこういうことになる。安倍首相は自分ですらうまくやれないのに、法律をつくって強制すれば全国津々浦々で同じことが起きることになる。「女性管理職登用」という毒性の強いウィルスを開発してばら撒き、日本中の大会社に感染爆発させるようなものだ。
■ 従業員数300人超、資本金3億円超の両方を満たすのが製造・運輸・建設業の大企業。サービス業は、資本金5000万円超で従業員数100人超の企業。業種によって定義が異なる。
■ government organizations は「政府組織」「行政機関」「各省庁」などの訳が考えられるが、特殊法人などの外郭団体は法制化の対象外だろうから、ここでは「各省庁」とした。定冠詞がついていないことにも注意しよう。なにかある象徴だけに限定したものではなく、あまねく各省庁に義務化するという含意が込められている。
(5) Behind Abe’s 30 percent target and the proposed legislation is a sense of crisis that unless it taps more women to join the labor force, Japan could face a serious shortage in the workforce due to its rapidly aging and declining population, casting doubts over the nation’s future economic growth and sustainability of its social security system.
「安倍首相の30%目標値と提出された法案の背後には、もっとたくさんの女性を労働力として市場に参加させて利用しない限り日本は急速な高齢化と人口縮小による深刻な労働力不足に直面し、国の未来の経済成長と社会保障制度の維持に疑問を投げかけることになりうるという危機意識がある。」
主語が長いので倒置されているのは修辞上の配慮だろう。どこまでが主語かを示してみたい。
sense of crisis that (unless it taps more women to join the labor force,) Japan could face a serious shortage in the workforce due to its rapidly aging and declining population
うんざりするぐらい主語が長い、これを先頭にもってきたら重すぎるので作文上の配慮(修辞上の考慮)が働き倒置された。behind以下の副詞句を先頭に持ってくることで文が落ち着く。修飾語を除いて主語と述語を簡単に示すと、
sense of crisis is behind Abe’s 30 percent target and the proposed legislation
(危機意識がある/ 安倍首相の30%目標値と準備されている法律の背後に)
もう一つ問題がある、casting以下の句がそれ。主語を補い、句を文に書き換えてみたら意味がまぎれなく読みとれる。興味のあるテクストを選びしっかりトレーニングを積めばこういう操作を頭の中でやりながら読めるようになる。
(a sense of crisis) casts doubts over the nation’s future economic growth and sustainability of its social security system.
(危機意識は疑いを投げかけている/ 日本の未来の経済成長と社会保障制度の維持の上に)
its=nation’s であることに注意、代名詞は常に何を受けているのかを意識すること。そうしないと精確な意味がつかめない。「その」と訳しているようではダメ。
<用例> tap resources on the Net インターネット情報を利用する
unless it taps more women to join the labor force (提出された法案がもっともっとたくさんの女性を労働力として利用しない限り~)
it= the proposed legislation
(6) An estimate by the Health, Labor and Welfare Ministry warns that the number of people with jobs could fall by up to 8.2 million by 2030 if women’s labor participation does not increase as expected. If more women join the workforce as hoped for by the government, the margin of decline would be reduced to about 1.7 million, the ministry says.
「厚労省の試算では、女性労働の(労働市場への)参加が期待しているように増加しなければ就業者数が2030年までに820万人落ち込むことになると警告している。政府が期待するように女性が労働力市場に参入すれば減少幅は170万人に縮小すると言及している。」
こういうときは計算をして常に確認しておこう。若いお母さんたちを中心に、「820-170=570万人」の女性が専業主婦をやめて労働力市場に投げ込まれることになる。仕事も家事も両方きちんとできる女性は十人に一人もいるのだろうか?男と伍して仕事がしたいと思う女性は30人に1人もいるだろうか?女の幸せはそんなところにあるのだろうか?それは欧米の幻想だ。弱肉強食のジャングルで戦うことに生きがいを見出す女は数十人に一人しかいないだろう。
大部分の主婦が低賃金の非正規労働に追い込まれ、家事や子育ての手を抜かざるをえなくなる、その結果、味付けの濃いファストフードが増え子どもの味覚障害や肥満が増え、家庭学習を含む躾けが手薄になる。ゲーム機やスマホやパソコンを子どもたちはますますやりたい放題になる。こんなことを奨励するようなことをしていたら30年後の日本はいまよりもずっと悪くなるに違いない。自由放任、味覚障害を持ち、子どもの躾けもできない大人が大量生産されてしまう。その結果、日本人の子ども達の食の環境、教育環境が著しく劣化する。
(7) There are mixed views as to whether the legislation would in fact result in visible changes to Japan’s male-dominated corporate culture. Skeptics say the bill lacks teeth because it leaves it up to each company to determine what kind of target to set and what level of goal to aim for, making it unlikely that they would self-impose ambitious goals that radically change the status quo. Still, disclosure of the action plans by the companies with numerical targets for promoting more women to senior positions will expose their behavior to public scrutiny, and businesses with unambitious plans may face difficulties recruiting talented workers, including women.
「その法律が実際に、男支配の日本企業文化に目に見える変化をもたらすか否かについては見解が分かれている。どういう種類の目標を設定すべきか、どんなレベルの目標を目指すべきかについて法案は各会社に決定を委ねているから厳しさを欠いたものになっているという懐疑論が浮上している。企業が現状を変更しようという野心的な目標を自ら課すことはありそうもない。女性をシニアポジション(上級管理職)へ昇進させる数値目標を伴うアクションプランの公開は公的な監視に企業行動をさらすことを意図するものである。そして野心的目標を持たぬ企業は女性を含む有能な人材確保に困難をきたすことになる。」
■ 課長職以上が管理職ですから、senior managemetは部長職、執行役員、取締役です。
■ 'There are mixed views as to whether A'
Aかどうかについてごちゃ混ぜになった複数の意見がある⇒Aかどうかについて見解が分かれている。
■ action plan: 行動計画 いつまでに・だれが・何をどうするのか具体的な数値目標をもった事業計画のことをいう。事業改革を5年の長期計画、3年の実行計画、単年度計画(=予算)と三つに分けると、真ん中の3年の実行計画がアクションプランにあたる。
(8) Companies with more than 300 employees will be required to make and disclose plans with targets for the promotion of women and specific ways to achieve them. The government will later set examples on what types of targets should be set by the firms, but they may not necessarily be numerical goals for the ratio of women in management ranks. They will likely include such criteria as the proportion of women in overall hiring and the ratio of workers taking child-care leave.
「300人以上を雇用する企業(大企業)は女性の管理職への昇進目標とその実現手段を明記した計画作成と公表を要求される。政府は後でどのようなタイプの目標を企業が設定すべきかについて例を挙げることにしている。しかし、職位ごとの女性登用の数値目標はかならずしも必要とはされないようだ。計画は雇用全体の中での女性比率や子育て中の従業員比率のような基準を含むだろう。」
■ 'Tere are mixed viiews'は「混ぜ合わされた意見がある」では日本語にならない。mixedは辞書の訳語にこだわらず、「意見が分かれている」と訳した方が書き手のイメージを伝えるのに適している。文章は伝えたいものが頭の中にイメージとしてあって、それを頭の外に運び出す入れ物が言葉だ。言葉の奥にある伝えたいイメージがなんなのかを具体的に考えよう。
■ theyはnumerical goals のこと。常に代名詞を具体的な名詞に置き換えながら読み進むこと。トレーニングによってこういう作業を習慣化してしまおう。何を意識して読むかでトレーニング効果が決まる。たとえば、次のようなトレーニング方法がある。
○代名詞を意識して通読する
○前置詞を意識して通読する
○主語と動詞句に注目して通読する
○文法工程指数の高い句を含む文に注目して通読する
ようするにだ、自分の興味にあわせて視点を固定して読めばいい。焦点を合わせない読み方と併行してトレーニングすると面白い。
(9) While the national and local governments will come under the same obligations, smaller businesses will only be urged to make such efforts voluntarily. The government will recognize “excellent companies” that have ambitious targets and plans to introduce preferential treatment of such firms in terms of opportunities to get public works contracts.
「国と地方自治体は同じ義務を負うことになるが、中小企業は自発的な努力に任される。政府は大胆な目標を掲げる企業を「優良企業」と認め、公共事業請負契約に有利な扱いをするつもりだ。」
女性管理職を増やさない企業には公共事業をやらせないということのようだ。ずいぶんと強引に見える。公共事業を受託している企業は大胆な女性登用計画案を公表し、それを実現しなければ会社がつぶれるだろう。なんだか社会主義統制経済のようになってきた、安倍首相は右よりだったはずだが・・・
■ whileは意味が広いので、前後関係から訳語を選ぶ。while節と主節の意味を比較するとこの場合は逆接であることがわかる。なんどか紙の辞書を引いてwhileの項を全部読んで見よう。こう言うときは電子辞書は画面が小さくて全体が一覧できないのでお薦めできない。
(10) Nearly 30 years after the law mandating equal employment opportunities for men and women was introduced in 1986, women account for just 7.5 percent of management positions in Japanese firms, far lower than the 30 to 40 percent in many other advanced economies. Women accounted for a mere 3 percent of national government employees in management positions as of October 2013, compared with 40 percent in Sweden, 33 percent in the United States and 9 percent in South Korea, according to an annual report by the National Personnel Authority. Women accounted for 26.8 percent of newly hired government workers in fiscal 2013.
「男女の雇用機会均等法が1986年に導入されてから30年近く経つが、いまだ日本企業で女性管理職は7.5%を占めるに過ぎず、他の先進国の30~40%には遠くおよばない。人事院の年次報告書によれば、2013年10月現在で国家公務員の管理職に占める女性の割合はたったの3%であり、スェーデンの40%、米国の33%、韓国の9%とは比較にならない。2013年に雇用された国家公務員の内、女性は26.8%である。」
官の方が民よりも女性雇用事情が厳しいようで、男社会度が高いことを数字をあげて示している。隗より始めよということ。ところが「隗より始め」た安倍首相の女性5閣僚起用は大失敗に終わった。失敗から学べ。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいく国の住民としては、性差に基く男女分業は本来あって然るべきものであって、それが日本人の「男女同権」の根底にある価値観だ。女は子どもを産むようにできているし、子育てするようにできている。子どもができたら育児と家事に専念したいのは自然な女心だ。それをムリに働かせる必要はないし、自然の摂理にも、女の一生の生理にも反している。
男の役割は外で働いて稼ぎ家計を支える、女が安心して子ども生み、育児と家事に専念できるように家族を守ること、それのどこが悪い?立派なものではないか、これこそ理想とすべき形だろう。
なんでもかでも欧米と一緒にする必要はないと思う。労働に関する価値観も欧米と日本ではまるっきり異なっているのだ。古代都市国家の末裔であるギリシアでは労働は奴隷に固有のものであって、都市国家の市民は原則、労働をしない。働かないことが彼らの理想なのだ。日本人は刀鍛冶の仕事にみるように、神への捧げものをつくるのが仕事だ。手を抜かず、最高のものを神へ捧げる。だから仕事は神聖なもので嘘とごまかしがあってはいけないものなのである。日本人が仕事の手を抜かず、安心・安全なものをつくるのはこうした価値観が縄文以来1万2千年受け継がれてきたからだ。そういう大切な価値観を放棄する必要はないとebisuは思う。
男一人が働けば、女は子どもを産み、基礎学力が高く健康な子どもに育て上げることができる社会を創ったらいい。子どもを産み立派に育てなければ経済社会の維持ができない。
男に正規雇用の職を保証し、嫁と子どもたちをしっかり育てられる給与を支払う立派な企業を増やすことこそ、政府と大企業が一番にやるべきことではないのか。不幸にして離婚した女性たちにも正規雇用の職を保証し、子育てして大学まで行かせられる仕組みを創ることこそ、政府や大企業の役割ではないのか?
○ the law mandating equal employment opportunities for men and women was introduced in 1986:「男女雇用機会均等法」、中学3年生のときに公民で習っている。だから辞書を引く必要すらないだろう。
○ the National Personnel Authority:人事院
(11) A top-down approach to promoting women to management positions may be necessary to change the situation. But equally important will be more steady bottom-up efforts to remove obstacles that discourage women from maintaining their career path. According to the labor and welfare ministry, women account for roughly 40 percent of Japan’s workforce, but more than half of them are irregular employees, working part-time or as temporary dispatch staff.
「現在の状況に風穴を開けるためには、女性管理職登用の促進にトップダウン・アプローチが必要なようだ。だが、同じように大事なことは昇進経路(キャリアパス)を歩む女性をうんざりさせる障害を取り除くためにボトムアップ努力を着実に行うことである。厚労省によれば、女性は日本の労働力のおおよそ40%を占めているが、そのうちの半数は非正規雇用であり、パートタイマーや派遣スタッフとして働いている。」
勤労者の40%が女性でそのうちの半分が非正規雇用、その意味をよくよく考えてみるべきだ。女の身体は子どもを産むようにできているし、生んだ後は子育てするように母性がある、それは自然の摂理であり、それを捻じ曲げるような法制化をやってはならない。それが自然にできて、しかも子どもを産み、子育てを終わった30代のお母さんたちを正規雇用あるいは時間制限して正規雇用と同じ時間給で働けるように経済社会の仕組みを変えることこそ政府や経済団体の重要な役割である。
(12) About 60 percent of women leave their jobs when they have their first child. The ratio of women in regular full-time employment is the highest in the 25-to-29 age bracket. It then declines after that as many women become irregular workers. Many women quit their jobs because they think it’s too tough to work full-time while raising young children and running the household.
「女性の約60%が第一子を産んだときに離職している。正規雇用比率は25-29歳の階層で最大となっている。正規雇用はその後減少し、次いで多くの女性が非正規労働者となる。幼児を育て、家事をしながらではきつすぎてフルタイムの仕事はムリだと若い女性たちは考えている。」
フルタイムの正規雇用ではなく、時間給換算でフルタイムと同じ条件でのパートタイム労働が実現されなくてはならない。それは非正規雇用割合を増やすことで利益をあげてきた無能な経営者達に退場を迫ることでもある。政府は経団連に正面からこういう厳しい意見を言わなければならないのである。
(13) The government has spelled out measures to support working mothers, such as increasing the number of day-care centers for children. But also needed are steps to get men to play a greater role in child-rearing and household matters, rather than leaving it up to their wives. One major measure would be to eliminate the chronic problem of long working hours at many firms so employees can go home earlier. To this end, measures will be needed to change the mind-set of managers and employees alike — especially male workers. The government should take steps to support such efforts.
「政府はデイケアセンターのように働くお母さんたちをサポートする政策を詳しく説明している。だが、同時に、妻たちに任せっぱなしにするよりも、子育てや家事にもっと大きな役割を果たす男たちを増やす工夫が必要とされている。大事なことは多くの企業でなされている長時間労働という慢性的な問題を解消することであり、そうすれば従業員は家へ早く帰ることができる。この目的のために、管理職と従業員も同じように、とくに男性労働者がモノの考え方を変える必要がある。政府はそのような努力をサポートする工夫をすべきである。」
leave it to their wives: 妻たちに任せる
end:ユメタンでendを「終わり」としかおぼえていない人はアウトだ。
一つの単語には意味がたくさんある。例えば動詞はどのような目的語や副詞と組み合わさるかで意味が変化するから、その日本語訳をユメタンのようなツールですべて暗記することは不可能である。ユメタン一冊丸ごと暗記できても英文は読めない。だがまるっきりムダとは言わない。一度頭の中を通過させておく必要はある。そこにとどまっていたらいけないということだ、たとえばどこかでwhileをとりあげたが、ユメタンではなく、分厚い辞書でwhileの項をしっかり読んでおく必要がある。こういう作業を繰り返すことで力がつく。
ここでendを「終わり」と訳したら「一巻の終わり」だ、意味が通じないだろう?
文脈を読んでいたらそういう間違いはしない、辞書を引く場面である。文脈から意味が通じないときにはその単語に別の意味があるケースが多いから、紙の辞書を毎日引こう。to this endは「この目的のために」と訳す。
文脈を把握しながら読む人は、辞書を引かずとも大体この辺りの意味だろうと見当がつくようになる。日本語の本をたくさん読んで、文脈を読みなれている人には英語長文読解はやさしい。同じ技を英語に応用すればいいだけで、意味を外さないから高得点が期待できる。
step:「手段」という訳語がどの辞書にも載っているだろうが、この場合はstepが必要とされているのだから、辞書には載っていない「工夫」という日本語を当てた。辞書の訳語にとらわれていると、日本語にならないおかしな文がときどきでてくることになる。
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<余談-1:学習の仕方>
各英文の後につけた日本語訳はあまりほめられたものではないので、内容理解の参考にしていただけたら幸いです。自分の語彙で立派な日本文をつくり、比較して学習することを薦めます。福沢諭吉が尾形洪庵の適塾塾頭としてオランダ語をそのあと英語を教えるのにやっていた方法です。参考訳を見ないで自分の頭で徹底的に考え抜く、その後に参考訳を見る。
<余談:公開講座のめざすもの>
カテゴリー「時事英語公開授業」でとりあげるのは英辞新聞記事ですから、テクストのレベルから判断すると大学3年次対象の授業を想定していますが、高校生が読んでも理解できるように解説に配慮してあります。「根室の英語好きな(あるいは嫌いな)」高校生を想定していますが、北海道には根室のように駅のキオスクで英字新聞が手に入らない地域がほとんどです。定期購読以外にはネットで検索するしかありません。そういう意味で情報の質と量で都会に住んでいる高校生と大きな差がありますが、地域格差をいくらか緩和できないかという思いで書いています。2012年度には全国で8万人の大学生が中退しています。経済的な事情から大学進学をあきらめた根室っ子もすくなくありませんから、そういう人たちもこの講座を利用してもらいたい。
めぐり合わせがよく大学生になったら、ぜひ時事英語の授業を受講してください。この講座で勉強した成果がはっきり出ているはずです。大学院への進学を考えている人もこの講座での学習が有効です。自分の専門分野の専門用語を専門書を数冊読みながら1000~2000覚えてしまえばあとは英文読解力の差がモノを言います。時事英語記事がきちんと読めたら、英語の試験は東大大学院でも大丈夫です。(笑)
こういう仕事(ボランティア)は東京にいてもふるさと根室へ向けて発信すれば可能だったかもしれませんが、現場(ふるさと)に住まなければわからないことがある、戻ってくる必要はありました。11年間ニムオロ塾で時事英語の勉強をした生徒たち一人一人がいなかったら、この講座はなかったでしょう。どの程度の説明をすべきかは、彼ら・彼女たちが教えてくれました、感謝しています。
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*#2849 'Promoting women at work' :2女性大臣辞任 Oct. 22, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-21
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*#2838 円安評価をめぐる経済界と日銀のズレ:山口義行教授 Oct. 14, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-13-1
#2775 内閣府「国民経済計算4-6月期」データ解説 Aug. 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-13
#2774 'Bad inflation' shadows Japan (悪性インフレの陰りあり) Aug. 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
#2770 「経済成長の天井」:日本総研山田久調査部長の論 Aug. 11, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-11
#2766 疑問符がついた景気回復の先行き Aug. 9, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-09
#2759 有効求人倍率1.1倍、19ヶ月連続上昇 Aug. 5, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05
#2753 上海福喜食品対米国産牛肉:どっちもどっち? july 30, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-30
#2742 藤原直哉(前編):物価と景気動向⇒二番底が来る July 21, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-20-1
#2731 10年間で33%農業人口が減少している日本の農業 July 11, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-11
#2729 年金基金の運用資産が130兆円から210兆円に増える:危うい株式投資 July 9, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
#2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
#2702 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"③:公務員は別扱い June 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-10
#2701 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"② June 9, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-08
#2699 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"① June 6, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
*#2693 鎖国をして国内雇用を確保しよう May 31, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-31
#2669 成長戦略:規制緩和を考える May 7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05
#2660 庶民の物価感覚 : 消費は落ち込む Apr. 27, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
#2643 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(3) Apr. 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
#2634 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(2) Apr.7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-06
#2631 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(1) Mar. 31, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-03-30-1
#2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-10
#2245 円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17
#2627 消費税引き上げ+物価上昇>所得増加:三番目の矢はない Mar. 22, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-03-21-2
#2565 人口減少社会を問ふ(2) Jan. 17, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-17
#2564 人口減少社会を問ふ(1) Jan. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-16
#2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-10
#2554 「日本の経常収支と円を考える」 東洋大教授・中北徹の論 Jan. 3, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-03
#2549 アベノミクス批判 (2):内橋克人 Dec.31, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
#2543 インフレと自己責任:リスク増大へ対処の方法はあるか? Dec. 27, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-27
#2540 アベノミクス批判(1):『世界8月号』伊藤光晴論文 Dec. 23, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23
*#2523 アベノミクスの行く末: 日本総研調査部長の論点 Dec. 9, 2013
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#2502 アベノミクスと企業経営 Nov. 18, 2013
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#2430 手詰まりの安倍首相 ついに消費税引き上げ決意表明 Oct. 2, 2013
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#2401 消費税値上げ延期なら国債価格は下落 Failure to raise sales tax 'could hurt bond prices' Sep. 9, 2013
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#2388 アベノミクス:雇用規制改革の正体 Aug. 30, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-30
#2385 TPPは再び植民地化を招く:マハティール元首相 Aug. 28, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-28
#2376 貿易赤字13ヶ月連続 7月最大の1兆240億円 Aug. 20, 2013
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#2329 アベノミクス:ナカミがないのに財政健全化を約束 Jun. 12, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-13
#2321 株価暴落はどこまで続くのか?:とりあえずの目安は11,250円 Jun. 4, 2013
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#2311 どうにも解せぬこと ミャンマーへ債務免除 : プライマリーバランスの回復はするつもりがない? May 26, 2013
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#2309 Nikkei dives 7%, ends below 14,500 : May 25, 2013
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#2298 アベノミクスの罪:日経平均15,096.03円 May 16, 2013
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#2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb" : Apr. 21, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22
#2256 マネタリーベース270兆円へ拡大:亡国の決断 Apr. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-06
#2245 円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013
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#2185 各論(3):'Abenomics' Jan. 24, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24
#2170 各論(2):貿易収支赤字転落⇒? Jan. 3, 2013
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#2169 各論(1):国債暴落の可能性とその影響 Jan.2, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-02
2168 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割(2):蔵相高橋是清暗殺 Dec. 31, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31-1
#2164 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割は何?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-28
#2158 自民党圧勝294されど第2の危機:民主党惨敗 Dec.17, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18
#2144 成長路線と金融緩和の罠 : 衆院選挙でナイトメアがはじまる
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-30
#1828 ゼロ金利の罠: Fed targets and transparency Feb. 3, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-03
#829 国家財政破綻の瀬戸際 Dec.12, 2009
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-12-12
#346 これから10年間の日本経済のシナリオ
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-10
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