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#2610 二十年間で半減している根室の中学生人口 Mar. 4, 2014 [19. 人口減少に関わる問題]

 今日も元塾生が二人別々に挨拶に来た。どちらも東京の専門学校へ進学だという。少し話しをしたが半年ぐらいの間に、二人とも考え方が一段と大人びていた。どういうことかというと、進学した学校を卒業したあとのビジョンが具体的になっている。この半年、しっかり自分の頭で考え自分の脚で歩いてきた証拠だろう。学校の修業年数は2年間と3年間、それぞれがんばり抜けばその先にいまとは別な光が見えるだろう。一人は少し回り道をするようだが、それでいい。まっしぐらに行くのもいいが、大きく迂回しなければならないときは必ずそれなりの意味がある。それは神意で時がたてば必要なことだったと理解できる。行かせてくれる親に感謝、そういう配慮をしてくれている天にも感謝だ。
 これで、今年は看護専門学校に4人進学した。何人かは根室の地域医療を支えてくれる。根室市は最近あわてて薬剤師が足りなくなることを見越して薬学部へ進学する者に奨学金を出すようにしたようだが、すでに2名在学中だから、心配いらぬ。一人は必ずもどってくるよ。もう一人だって、病院が雇うならもどってくる。それで40年間は大丈夫だ。
 それにしても、今年はだれも地元に残らない、こんな年は初めて。こういうことからも地元経済の衰退ぶりがうかがわれる。若者をひきつける魅力的な企業がすくないのだろう。年寄りがあまり長いこと椅子を温めていてはいけない、さっさと若者に席を譲ろう。地元経営者は50歳になったら、次の世代へのバトンタッチを考えるべきだ。後ろに回って応援してやればいい。
 ebisuは生徒を育てることで根室の地域医療を支えよう。医学部へ進学する生徒も数人育てられるだろう。30年後の根室市政を支えるトビキリの人材、基礎学力が高くて心根がまっすぐな人材も数人育ててふるさとに残しておくよ。それが高校を卒業してから35年の時をおいてふるさとへ戻ってきたわたしの役割、高校卒業までの18年間育ててくれたふるさとへの恩返しでもある。
 あの頃は学ぶべきいい大人が何人もいた。お一人を除いて皆さん向こう側へ逝ってしまった。寂しいくらい人材が少なくなってしまったね。自分のことしか考えない大人ばかりになったのでは町の未来が暗い、50歳をすぎたら、世のため人のために働こう。

 データを見て、この町が人口から見たらどのような経緯をたどり、10年・20年・25年後にどうなるのか考えてみよう。
 国勢調査資料と社会保障・人口問題研究所の地域別人口推計データから、根室の人口推移を総人口と中学生の1学年あたり人数に焦点を絞り、整理してみた。1995年を基点とすると2015年までの20年間の実績値で、総人口は77.8%へ、中学生一学年当たり平均人数は52.0%へ減少している。15歳以下の人口減少が総人口よりもはるかに加速していることがわかる。
 高校を卒業した若者に地元で働く場所が足りないのである。

<根室市の人口推計>(社会保障・人口問題研究所資料より)
<表1>
男女計2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
総数29,20127,20325,39023,49421,57119,69717,892
0~4歳1040894749653602559497
5~9歳1219968848711620572530
10~14歳13061165936821688600553
<上記推計に基く試算><表2>
2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
0~4歳 平均値  208     179  150  131  120  112   99
中学生1学年あたり人数261233187164138120111
10~14歳の総人口比4.54.33.73.53.23.03.1
中学生の通塾人数推計1181058474625450
<表3>
1995年2000年2005年2010年2015年2020年2025年
総数34,94333,15031,20229,20127,20325,39023,494
10~14歳2,2391,8741,6031,3061,165936821
中学生1学年あたり人数448375321261233187164
10~14歳の総人口比6.45.75.14.54.33.73.5
中学生の通塾人数推計2021691441181058474
緑は国勢調査による実績値、青は推計値   

 

 1995年には中学生は一学年448人いたが、2015年には233人だ。5年後の2020年には187人となるから、現在の根室高校の定員(普通科120人、商業科40人、事務情報科40人)でも定員割れを起こす。

 通塾率は市街化地域のC中学校が最近の調査で30人/157人(アンケートのとり方を確認していないので学習塾だけかどうかわからない)となっていたから、郡部の通塾率の低いことを考慮して15%として計算している。根室の通塾率は以上に低い、親の教育への関心の薄さと競争のないことが影響している。小中とまったく勉強しなくても道立高校に入学できるし、勉強しなくても高校を卒業できるのが実態である。年齢は18歳、学力は小学校6年生以下の「形式卒業者」の割合が3年後とぐらいに徐々に上がっている。
 学習塾への通塾組み1995年から20年間で202人から105人へ半減していることがわかる。これでは塾経営が成立たなくなるわけだ。保育所も幼稚園も同じことだ。
 10年後の2025年には市内全域で通塾する生徒はおおおよそ74人だから、市場規模の縮小から考えても塾の数は半減することになるのだろう。10年後にはニムオロ塾は100%やっていない。現在小5の生徒が高校を卒業するまでのつもりでいる。塾の数が減ると生徒たちに選択の余地がなくなる。いずれインターネットの配信授業を受けるケースが増えるのだろう。その頃には、いまとは違って双方向のもっと高機能のソフトが提供されるだろうが、ナマ授業が失われると、コミュニケーション障害をもった生徒はますます行き場を失う。手取り足取り教えないと行けない生徒も3割以上いるから、塾難民が出そうだ。このそうの生徒に教える技術をもった先生は学校にもほとんどいない、もちろん塾でも個別指導にかなりなれたものでなければむずかしい。3人を同時に指導することすら熟練を要する。わたしは成績下位3割以下の生徒なら8人くらいまでならなんとかこなせる。とっても骨が折れるのは事実で、ヘトヘトニなる。エネルギーが3倍以上必要になる。

 保育所も幼稚園もすでに二つで充分な人口になっている。いずれそうなるだろう。

 総人口の減少が若年層の人口減少よりも緩慢なのは、人口の高齢化が急速に進むからで、ピークには老人人口は40%になる。


男女計2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
総数29201272032539023494215711969717892
G. 65歳以上7733823885408310796875167136
老人人口%26.530.333.635.436.938.239.9


 市役所の「人口動態」データの中に、出生数が載っているので、そちらも引いてみる。

年度自然動態
出生児死亡者自然
増加数
1995  36331350
1996  35129160
1997  34530639
1998  32427450
1999  32128041
2000  256322△66
2001  31127932
2002  276306△30
2003  268277△9
2004  263297△34
2005  271298△27
2006  250322△72
2007  252337△85
2008  230302△72
2009  218314△96
2010  209345△136
2011  189327△138
2012  204323△119




 20年前には363人生まれているが、5年前の2010年からは200人前後に激減している。減少率はおおよそ45%である。
 死亡者数は277人~345人でほぼ一定している。

 20年後の2035年には人口は2万人を割る。小売市場規模が小さくなるのでいまある大型スーパ4店舗のうち一つは確実になくなるだろう。人口1万人に大型スーパ1店舗という計算ならふたつなくなる。地元商店や飲食店も4割程度は消えるだろう。

 こうした人口減少を前提にした財政規模縮小や町づくり、学校配置をしていく必要がある現実を直視できない現在の市政はまるで逆方向の夢を見ている。愚かとしかいいようがない。
 規模の大きい公共投資はやめるべきだ。とくに明治公園再開発のようなものは不要である。市立根室病院は医業収益が増大するような計画をまたつくってホームページ上にぶら下げている。辻褄合わせのインチキ計画である。実績値をよく見たらいい、売上も患者数も減少しているではないか。
 市議会文教厚生常任委員会はこのようなデタラメな計画にノーを表明すべきだ。民間企業会計基準での決算と計画書作成を要求すべきだろう。(公的会計基準で作られた)あの資料では専門家のわたしでもよくわからない。人口減少社会にふさわしい、実態に即した計画に作り直すべきだ。この計画をみると、25年度の市立病院赤字額は民間会計基準だと24億円出そうだ。正直な計画と予算を作成し公表すべきではないのか?

 仕事は正直に誠実に渾身の力でやるべし。

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