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#2583 根室市内の中学生の通塾率はおおよそ20%? Feb. 6, 2014 [64. 教育問題]

  市街化地域のC中学校がアンケートを実施したようだ。市街化地域のこの学校ですら全校生徒数わずか157名、1学年ではないよ、全学年でたったこれだけ。
 団塊世代が中学生のときには光洋中学校は1学年10クラス550人だった。全校生徒数1550人、そういう規模で育ったから、いまの市街化地域の中学校はまるで郡部校のような小規模校に感じられる。
 最近統合された歯舞地区の4小学校(共和・華岬・珸瑤瑁・温根元)は1学年20人規模、よくいままで統合しないで放置していたものだ。集団教育ができない状態だっただろう。1学年20人では少なすぎるから、根室の市街化地域の小学校へ統合すべきだっただろう。無料の通学マイクロバスを出せばいい。通学距離が最大でも30km未満だから、時間は30分程度なものだ。
 西側に5つの郡部小学校(厚床・昆布盛・落石・海星・花咲港)があるが全部あわせても1学年30人前後ではないのか?高校廃校より先に小学校の統廃合をやるべきで、順序が逆ではないか?厚床からだって車で30分だから、無料のマイクロバスを出して送り迎えしたらいい。

 ところで、C中学校の生徒の通塾率だが、おおよそ20%とのこと。驚いた、こんなに低いとは思わなかった。数年前までは35%くらいあったのではないだろうか。
 どういう文面でアンケートをとったかわからないので、塾としたのか学習塾としたのかで結果が違う。習字やピアノ教室なども入っているかもしれぬ。郡部の通塾率は低いだろうから、これを根室市内の平均値とすると、中学生合計は1学年おおよそ250人だから、

  250人×3学年×20%=150人

 根室市内全部で中学生150人程度、1学年あたりわずか50人が塾通いをしていることになる。
 学校の授業ではほとんど複合問題をやらないし、通塾率もこれほど少なければ、都市部との学力格差はますます開きそうだ。根室は大人が教育への関心が薄い。薄くなるはずで、例えば、今年は根室高校は普通科・商業科・事務情報科すべてが定員割れの状態で、ブカツ三昧で勉強しなくても大方がそのまま根室高校へ進学できる。根室高校の定員は200人。来年は生徒ががくんと減少するから、根室外へ進学する生徒を差し引いたら、ほとんど全員が根室高校へ進学可能である。ほんとうに田舎だ。信じられないほど「学力田舎」状態である。競争のない社会は人材がなかなか育たない。

<道立高校入試数学の得点分布>
 平成23年度道立高校入試数学(60点満点)の点数分布(全道)は次のようになっている。

 0~10点  23.8%
 11~20点 33.1%
 21~30点 27.7%
 31~40点 12.7%
 41~50点    2.6%
 51~60点   0.1%

 なんと20点以下が56.9%もいる。高校なら赤点である。この層は標準的な高校数学の授業にはついていけない。だから高校は授業のレベルを下げることになる。学校側は落第させて退学処分にしたくないからだ。だが、この層の生徒の半数は高校を卒業しても「高校卒程度の学力」がないことになる。これらの生徒達を雇う側が「この高校でこんな学力なの?」と判断することになる。学校名を聞いただけで採用を中止する企業も出てくる。もちろん面と向かってそうはいわない。「選考の結果残念ながら今回は採用になりませんでした」というお手紙が届くだろう。

<正規雇用定着率と学歴の関係>
 ● 高卒男子         21.3%
  ○ 高卒女子             19.1% 
      
 ● 専門学校卒男子     33.2%
 ○ 専門学校卒女子    29.6%

 ● 短大・高専卒男子   39.1%
 ○ 短大・高専卒女子   39.8%

 ● 大卒・大学院卒男子 53.0%
 ○ 大卒・大学院卒女子 49.5% 

 8年も前のデータだから、状況はもっと厳しくなっているだろう。それにしても学歴差と正規雇用定着率には強い正の相関関係が読み取れる。学歴が低い非正規雇用のリスクが大きくなり、年収が少ないから30代後半での独身率に大差が出る。経済的に妻子を養えない。

<都会の事情>
 都会では中学でも高校でも「進学校」と評される学校の生徒のほとんどが通塾している。速度の速い学校の授業についていくにはそうせざるをえないからだ。私立の進学校ではカリキュラムを1年前倒しでやっているところが多い。


<数学の授業の進捗管理>
 昨年問題を起こしたA中学校はいま「標本調査」のところだそうだから、もうじき終わるだろう。九月の学力テスト総合Aのときは2月一杯やっても終われないくらい遅れていたから、だいぶ飛ばしたようだ。むずかしいはずの単元にはいってスピードアップしたのだから、9月以降にやった単元の理解度は低くなっているだろう。教科書が終われば総復習と複合問題の演習をやらせるべきだ。
 道立高校入試問題は大問の3番以降が複合問題になっている、入試までに授業でやれるのだろうか?
 B中学校は今日(2/5)数学の教科書を終わったようだ。

* #2405 中学数学の先生たち、授業進度管理は大丈夫ですか?  Sep. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-12-1



<人口減少>
 『広報ねむろ1月号』裏表紙に載っている「根室市の人口」によれば、

  人口 28,291人 (-477人 前年同月対比)

 社会保障人口問題研究所が公表した地域別人口の根室市の項をみると、26年後の2040年には18000人にまで減少する。
 人口減少を前提に学校統合を速やかにやるべきだ。市街化地域3小中学校への統合を3年以内、さらに、それを2校に統合するのに5年くらいかけたらいいだろう。2040年には1学年100~120人規模になる。集団競技のブカツを維持するためには1校で充分だろう。
  根室の市街化地域の3中学校の最近十年間の学力テストの点数分布を眺めてみると、小規模化が進行している。集団が小さくなると学力序列が固定化して、学力低下が進行するようだ。このまま小規模校化が進行すると学力低下に拍車をかける。高校統廃合の前に小中学校だ、小中学校の統廃合は急を要している。
 学力低下を加速しているのは、教員の勉強不足、過度なブカツによる生活習慣の乱れ(家庭学習習慣育成を阻害)、不適切な授業進捗管理、親力の低下(家庭学習習慣の躾や基本的な躾ができない家庭が増えている)、小学4年程度の日本語語彙力の生徒やすらすら本を読めない生徒の増加などいくらでも、思いつく要因を挙げられる。学校の小規模化による競争意識の退化もそれらの中の一つである。ひとつひとつ対処しなければ学力低下を止められない。「子供たちの学力の低下=マチの衰退」という等式が成立っている。マチの起きている複雑な問題、あるいは単純な問題の解決ができないのはいまですらそうだ。
 成績上位層の高校生たちのほとんどがふるさとに戻ってこない現実もなんとかしないといけない。教育問題だけでも、問題が山積み、やることだらけである。

 人口推計については何度も弊ブログで取り上げているので、右側の検索ボックス欄で適当なキーを入れて検索したら10個ぐらいは出てくるだろう。

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*#2498 中学校 英語授業進捗管理の実態 Nov. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-16-3


  #2408 もはや狂っている(異常に遅い授業進度) Sep. 15, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-15

 #2407 <論戦> 釧路教育長対金安潤子市議:中学校授業進捗管理に物申す Sep. 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-14

 #2204 中3の授業進捗管理(3):総復習期間は一月必要  Feb. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-10

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