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#2529 根室市教委の仕事振り(3):「確かな学力向上に関する取組方針」 Dec. 15, 2013 [69.H25全国学力テスト・データ分析]

 冷たい風が吹いている。道路は凍りついているからサイクリングはできない。
 「根室市教委の仕事振り」はシリーズ3回目になってしまった、ひょんなことから書くことになり、気の進まぬままに「根室市教委の仕事振り」と題するブログを書いている。これも生まれ育ったふるさとのためにやらねばならない仕事の一つ。ebisuがこんなブログを書かなくてもすむように、小・中学校長と根室市教委はしっかり仕事をしてもらいたい。

  根室市教委と根室市小中学校校長会が作成した「根室市確かな学力向上に関する取組方針」という報告書が、市教委のホームページに載っていた、ものはついでだからこれもとりあげよう。例によって民間企業と比較して、教育行政と学校長が世間常識からどれくらいかけ離れているのかが明らかになる。外部から言われないとわからないのだろう。

*http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/9ebe7710315e8ac149257aec000a715c/$FILE/25gakuryokukojo.pdf

 全国学力テストの結果を受けて、市教委と小23年度の調査結果の分析により学校改善プランを見直し、〈充実〉に向けた新たな中学校の校長先生たちが何を考えているのかみてみたい。

【文書作成日付なし、アップ日付なし】
 この資料の作成日付が入っていないこと、そしてホームページにアップした日付もないから、そもそも文書作成の基本を外している。
 こういう基本がなっていない仕事は往々にしてそのナカミも同じことになる傾向がある。参加した校長先生はお一人も文書日付の入っていないことに異議を申し立てなかったとすると、ダメなのは市教委ばかりではないことになる。
 こんな仕事の仕方で規模が小さい(市街化地域の中学校ですら生徒数260人以下)とはいえ学校の運営管理が適切にできるはずがない。授業の進捗管理一つとっても学校管理職(校長&教頭)による管理がなされておらず、教科書会社の標準スケジュールからは程遠いことを挙げておく。
 本計画は3年計画とあるから、3年前に立てられたもののようだ。

【数値目標なき3年計画】
 平成23年から25年までの3カ年計画となっている。民間会社でも社員数200人ぐらいの規模になると、5年の長期計画のほかに3年の実行計画をつくるところが多いだろう。年度予算は長期目標と3年の中期計画に基いて作られるというのがオーソドックスなやり方である。そして中期経営計画は毎年スクロールされる。
(わたしはそういう仕事を1979年から5年間やっていた)

 作成された3カ年計画をみて数値目標が一つもない異常さに驚いた。市教委も校長先生たちも誰一人として数値管理の重要性を主張していない。数値目標のない中期経営計画を作成している会社など、日本中を探しても一つもないだろう。外部の意見を入れないとこういう非常識なことになる。教育行政も現場で学校経営を預っている校長先生たちも、まったく数値管理に関心がないようだ。これでどうやって学力を上げられるのだろう? 学力テストの学校別結果情報を使えば、数値管理を導入できる、あたりまえの3カ年計画を策定するために、根室市教委は学校別・科目別情報を公表すべきだ。これがあればPDCAサイクルが検証可能な数値でなされる。文科省の調査によれば都道府県知事の44%、保護者の45%が学校別情報公開に賛成している。(#2456)
 真ん中の平成24年度の計画を引用してみよう。

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(2)2年次の取り組み(24年度) 〈充実〉
学校、家庭・保護者、教育委員会の取り組みを行う。
【現状】
平成23年度<意識>の取り組みについては、学校、教育委員会の取り組みが、概ね順調に進められたが、成果として現れていないことを真摯に受け止め来年度に繋げる必要があるとりわけ、家庭・保護者への啓発についての取り組みが求められる。平成23年度の調査結果では、小学校、中学校ともに、国語、算数・数学の両教科で全道平均を下回っている。
また、小規模校では、その年度により高低の差はあるが、市街地の3小・中学校よりは、概ね高い傾向にある。
【今後の対応】
小学校においては、各学校の結果の分析により、対応策を検討し24年度の学校経営方針に具体的な取り組みを位置づけることが必要である。中学校においては、基礎・基本の徹底が必要であるが、尐人数や習熟度別指導の取り組みを着実に進める必要がある。
このようなことから、平成24年度は、きめ細かい学校の取り組みはもちろんであるが、家庭や社会教育での取り組みについても明らかにし、市全体として学力向上の総合的な取り組みを進めるものとする。
【学校】
各学校の学校改善プランに基づき日常の教育活動を検証し、確かな学力向上のための重点を学校経営方針に位置づけ、実情に応じて次の取り組みを行う。
・読書活動(朝読書等)、補習(朝学習、長期休業中の学習)の推進
・全学校での公開授業の実施(含フリー参観)
・「生活リズムチェックシート」等をとおした家庭・保護者への生活習
慣の啓発
・道徳教育の充実 等
【家庭・保護者】
家庭・保護者に対して次の取り組みについて理解を図る。
・学習習慣の定着
・「生活リズムチェックシート」等を活用した生活習慣の改善
・「ねむろわんぱくチャレンジ」への積極的な参加 等
【教育委員会】
教育委員会は、確かな学力向上のため、学校教育、社会教育行政の両面から地域全体で子どもを育てる環境づくりのため、次の施策を推進する。
学校教育では
・学校経営方針についてのヒアリングの実施(4月当初)
・学力向上補助教員の配置
・学習サポート教室開催事業の実施(釧教大との共催)
・巡回指導教員の配置
・特別支援教育支援員の配置
・小中一貫教育の推進
・いじめ、不登校の適切な対応
・ふるさと学習、北方領土学習の推進
・外国語活動の充実
・小学校社会科副読本の作成 等
社会教育では
・根室市子ども読書活動推進計画の策定
・ねむろわんぱくチャレンジの実施
・放課後こどもプランの推進
・PTAへの学力向上についての啓発 等
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  平成24年度このような抽象的な項目を羅列し、数値目標が一つもない異常な3カ年計画を作成して平成25年度の全国学力テストの結果はどうなったのか、都道府県別データを使用して算出した根室管内の小学校の偏差値は37.0、中学校は41.4だった。全国模試を受験したことのある方は、偏差値37とか41の示す意味がおわかりだろう。偏差値37は成績下位10.7%、偏差値41.4は下位19.5%を意味している。

 偏差値の計算過程と基にしたデータは下記の弊ブログで開示してある。
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■ 【計算過程の開示】
#2476 (都道府県別基本統計量) 

 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1

#2478 (管内別基本統計量)

 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-07-1

■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】

#2485 (小・中対比)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09

■ 【全道14支庁管内別・科目別・偏差値表】

#2484
 (小・中対比)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-4

#2480 前半 (中学校)
 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08

#2481 後半 (中学校)

 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-1

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 「~取組方針」は学校が取り組むべき課題を箇条書きにしている。要約して書くとたった4項目。
①朝読書
②フリー参観
③道教委提供の「生活リズムチェックシート」を使って生活習慣の改善
④道徳教育

 これら4項目のうち基礎学力向上に資するのは③の項目だけで、これは家庭がやる項目であって、学校側の仕事ではない。健全な家庭学習習慣を育むために学校側がやるべきことは、長時間ブカツの制限であるが、それにはなんにも言及がない。現場の管理者である校長先生たちが参加していながら、普段一体何を見ているのか?
 手抜き仕事の典型である「朝読書」が「読み・書き・そろばん」の読みの能力アップに効果のないことは前回(#2528)で書いたから再説しない。

 弊ブログで今年の1月下旬にA中学校の数学授業の進捗管理をとりあげたら、炎上騒ぎが起きたが、進捗管理は未だになされていない様子。あの件は市教委に逐一報告がなされただろうから、現場の授業進捗管理の問題を知らないはずがない。1月末になっても3年の全範囲を終えられない。その結果2月は「すっとばし」や「積み残し」が常態になっている。
 授業の進捗管理は学力向上のための重要な必要条件の一つだろう。なぜ、学校がやるべき課題に入れないのだろう?文協学力テストの試験範囲を標準にしてスケジュールを組んでいる節があり、それでは受験に間に合わないし、複合問題をやる時間の余裕がない。授業の進捗管理の不在が学力低下に一役買っているのである。
 足元を見ない抽象論ばかりでおまけに数値管理項目が一つもない、こういう無策では児童・生徒の基礎学力が上がるはずがないし、事実そうなっている。3年間計画をそのままにしないで、なぜ数字に表れた結果で効果をチェックして、臨機応変に3カ年計画の見直しをしないのだろう?

【市街化地域の学校よりも郡部校のほうが学力が高い】
 「3年次の取り組み(25年度)」の中で、次のような指摘がある。

「また、市街地の3小中学校より、小規模校の学力が高い傾向があり、この結果から、尐人数での指導の必要性が明らかであり今後一層きめ細かい指導が求められる。」

 一体どういう感覚をしているのだろう?郡部の中学校は校は多いところでも一学年二十数人規模(歯舞)であり、他は1人から十人前後である。市街化地域の3中学校で1学年3クラスのところは二つくらいしかない。すでにほとんどが20人台の少人数学級編成である。
 この報告書を作成した関係者は何が言いたいのだろう?市街化地域の3校でも30人学級はすでに実現している。10人学級にしろとでも言うのだろうか?
 現実を見ていないとしか言いようがない。校長先生たちが加わっても、このような空理空論になるのが不思議だ。根室市内には小学校9校、中学校7校、学力テストを受けた小6は244名、中3は253名しかいないのだから、各学校のクラス人数資料ぐらいみながら議論されたらいかが?そうすればこのようなピント外れの議論にはならない。

【平成25年度計画】
 教員の指導力向上が「学校」と「教育委員会」の課題としてはじめて挙げられている。
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【学校】
各学校の学校改善プランに基づき日常の教育活動を検証し、確かな学
力向上のための重点項目を学校経営方針に位置付け推進する。
また、学ぶ態度を育成するため、学習や集団行動の仕方を、小中一貫
した活動となるよう定着させる。
さらに、実情に応じて、次の取り組みを行う。
・校内研修の充実と指導力の向上
・小中一貫の教育活動を目指した取組みの実施
・根室版「チャレンジテスト」の活用
・「子どもの読書活動推進計画」に基づく読書活動の充実
・朝学習、放課後学習や長期休業中の補習の実施
・市内統一した市販の学力調査の実施による学力の把握と改善
・積極的な公開授業の実施(含フリー参観)
・「人権教室」「租税教室」の実施
・「生活リズムチェックシート」等を活用した生活習慣の改善
・道徳教育の充実 等

【家庭・保護者、地域】
家庭、保護者に対し次の取り組みについて理解を図るとともに、地域
の方々の積極的な子どもたちとの関わりを強める。
・学習習慣の定着
・「生活リズムチェックシート」等を活用したしつけなど生活習慣の
改善
・「ねむろわんぱくチャレンジ」への積極的な参加
・学校教育活動への積極的な支援 等
【教育委員会】
教育委員会は、確かな学力向上のため、学校教育、社会教育行政が
連携して地域全体で子どもを育てる環境づくりのため、次の施策を推
進する。
学校教育では、
・教職員の適切な配置
・教職員の指導力の向上
・学力向上の取り組みについてのヒアリングの実施(学期毎)
・学力向上補助教員配置の小学校への拡充
・根室版「チャレンジ問題集」の作成
・学習サポート教室、放課後クラブの開催(ボランティアの活用)
・巡回指導教員の配置
・「根室市個別の教育支援計画」策定に向けた検討
・特別支援教育支援員の配置
・小中一貫教育の推進
・いじめ、不登校の適切な対応
・社会科副読本の作成 等
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 学校の課題のトップに「校内研修の充実と指導力の向上」が挙げられているが、校内研修そのものに問題はないのだろうか?「指導力の向上」も大事だが、その基礎となっている教員の学力は大丈夫なのか?フリー参観6回の感想は、本欄左側にあるカテゴリー「フリー授業参観」にまとめて載っているので興味のある人は当該カテゴリーをクリックしてお読みいただきたい。わたしは授業スキルよりも、それを支えている専門知識や学力にも問題があるような気がしている。先生たちは年間どれくらいの本を読んでいるのだろう。その中で教えている科目に関係する専門書はどれくらいあるのだろう?10冊読んでいる先生が何人いるか、市教委はアンケートをとり、公表してもらいたい。市議会文教厚生常任委員会がやってもいい。

 以上、3回にわたって市教委が作成した資料のクリテークをしてみた。県警者は異論反論があればコメント欄に投稿されよ。もちろん匿名で構わない。事実関係で間違いがあれば訂正するし、なにより立場の違うもの同士が議論をすることが大事だ。そういう点、ブログは便利がよい。


*#2528 根室市教委の仕事ぶり(2):「全国学力・学習状況調査の結果報告」 Dec. 15, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14-1

 #2527 根室市教委の仕事ぶり(1):教育に関する評価報告書 Dec. 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14

 #2498 中学校 英語授業進捗管理の実態 Nov. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-16-3

 #2405 中学数学の先生たち、授業進度管理は大丈夫ですか?  Sep. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-12-1

 #2456 市町村別学テ情報公開解禁へ(読売新聞)  Oct.21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-21


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