#2497 大人も眠れないほど恐ろしい『グリム童話』 Nov. 16, 2013

　グリム童話の初版は子どもに読んで聞かせるにはとても残酷であると同時に性的な描写もきつかった。読者からクレームが出て、そうしたどぎつい場面は削られたり、穏やかな話しにつくり変えられたりして現在のようなものとなる。

　この本は初版のグリム童話を伝えている。例えば「白雪姫」の話しが出てくるが、継母が白雪姫を毒殺した後の話しがずいぶん違っている。王子のキスで目覚めるのではなく、ガラスの棺に入れられた白雪姫を、召使の一人が世話をするのが嫌になって遺体を高く掲げて背中を叩いたら、口から毒の林檎のひとかけらが出てきて目覚めるのである。王子は結婚披露に継母を招待し、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせて、死ぬまで躍らせるのだ。
　これが10話のうちで一番軽いものだ。これ以上の内容紹介はしないでおく。たしかに大人が読んで面白い本ではある。




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大人も眠れないほど恐ろしい初版『グリム童話』: メルヘンの奥にある血と残虐、秘められた性愛の香り (王様文庫)

• 作者: 由良 弥生
• 出版社/メーカー: 三笠書房
• 発売日: 2012/07/02
• メディア: 文庫