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#2456 市町村別学テ情報公開解禁へ(読売新聞)  Oct.21, 2013 [64. 教育問題]

 今朝の読売新聞が「学テ情報公開解禁へ」というニュースを載せている。北海道新聞には掲載がない、学力問題への意識の差が記事の取扱に表れている。
(道新根室支局は一時期、すばらしい教育特集を組んでくれた。それは3次に渡っている)

 わたし個人の意見を言うと、学校別・科目別の公表がベストと考えている。理由は民間会社の予算管理制度を考えてもらえば理解しやすいのではないだろうか。それは全社一本ではなく、部門別の予算編成と部門別損益計算によって支えられており、それら全部が集計されて全社予算となる。部門ごとの予算それぞれに部門管理職が責任を負っている。2年続けて目標未達ならラインの管理職を解かれるのが普通である。権限のあるところに責任がセットになっているのが民間会社の鉄則である
 営業所ごとの予算のない民間会社はないし、経営戦略に基き事業部長が割り振り、すり合わせをして決定した営業所予算は営業所長(校長職)に責任がある。目標を達成できなければボーナスの査定や昇進に影響する。
 そういうアナロジーでいうと、学校別・科目別の目標平均点数が設定されない目標管理は有り得ない話しだからである。

 勘違いしてほしくないのは予算管理制度というのは、公平性を確保するためのものだということだ。もし、予算管理制度がないとしたら、数値管理がないとしたら、評価はどうやることになる?主観的な評価がまかりとおり、ゴマをするやつだけが出世し、有能な者たちは評価制度のしっかりした他社へ転職してしまうから、会社が経営破綻することになる
 数値管理は公平な評価を保障するための重要なツールであることを再確認してもらいたい。

 学力テストの点数による学校評価や科目担当教諭の仕事の評価は主観による評価を避け、公平な評価をするツールなのだが、こんなあたりまえなことすら、市教委と学校の先生たちはかたくなに拒否している。
 予算管理制度が営業所ごとの成績評価基準のひとつとして使われるように、学力テストでの平均点の変化をみて、がんばっているところにボーナスをたくさん配分し、怠けているところは少なくするというのが、「公平」というものだろう。
 公務員だから、ボーナス査定ができないというなら、普段やっている学力テストの各校データを集めて、偏差値評価してその増分を加味し、計算式もあわせて五段階評価で市教委のホームページで公表すればいい。がんばっている学校と部活だけにうつつを抜かし、怠けている学校がはっきりわかる

 学校現場や教育行政は一般社会の常識とはかけ離れているようで、そういう公平性をなんからのかたちで確保することすら槍玉にあがってしまうところのようだ。意識は変えようと自ら思えば変えられるもの、変えてみませんか?

 生徒の成績を年に3回定期テストの点数で評価しておきながら、自分達が年に一度の学力テストの平均点で評価されることにはノーだという、わたしにはこういう論理矛盾(単なるわがまま)を言い張り続ける神経が理解できない

 「釧路の教育を考える会」では、市町村別の学テ成績公表は意見が一致しているが、学校別・科目別成績の公表についてはまだ議論が続いている。原則はそうあるべきだが、一気にそこまで進めるのか、段階論で行くのかについての議論である。ebisuは一気にもっていきたい、民間の経営改革は概してそういうもので、半端な改革は抵抗が少ないが社員の意識を変えられないから頓挫するのがあたりまえ。そのあたりの議論はともかく、すでに最終着地点については合意ができている。

 読売新聞さん、北海道の低学力問題ではよくがんばっている、教育特集記事を集めて出版した『学力危機 北海道』もあわせてを紹介したい。

*読売新聞オンラインニュース「学テ成績公表、来年度解禁へ…市町村教委が判断
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131020-OYT1T01071.htm?from=ylist





【学校別成績公表についての意向調査】(文科省調べ)
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20131021-OYT9I00178.htm

 都道府県教委 40%賛成 43%反対
 市町村教委   17%賛成 79%反対
 都道府県知事 45%賛成 24%反対
 保護者      45%賛成 52%反対

  この数字で明らかなように学校別成績公表に関しては市町村教委が抵抗勢力である
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 ブログ「情熱空間」より 「学テ成績公表解禁へ(読売新聞)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6888465.html


【弊ブログより】

*#2451 "ブログ「ニムオロ塾」を見てはいけない" Oct. 15, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-15

 #2386 『学力危機 教育で地域を守れ北海道』 :本の紹介
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-28-1

 #2093 教員の質向上はどうやる?⇒ "Educating educators" Sep. 25, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25-1

 #2092 根室の子どもたちの大学進学率と地元企業の自己改革について Sep.25, 2
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

  #2090 プロの仕事をしよう:授業速度管理の提案 Sep. 23, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-23

 #1865 「グラフにヒョウスってどういうこと?このままでは高校卒業できないよ」  Mar. 4, 2012 
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-04

 #1854 あの問題の中1クラスの授業はどうなったか? Feb. 22, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-22-1

 #1843 真っ赤な顔で… :先週の中1英語授業から  Feb. 13, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-13

 #1839 中2成績中位層の日本語語彙 Feb. 12, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-12

 #1837 中学1年生 日本語語彙の現実  Feb. 10, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-09-1

*#1829 中1の語彙力の実例 : これでは先生たちの授業も理解できぬ  Feb. 5, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-05

 #1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-31

 #1810 悩み Jan. 22, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-22



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 ebisuもこの本の中に載っています。取材を受けました、探してみてください。ブログ「情熱空間」のZAPPERさんは写真入で大きく出ています。なかなか獰猛な表情をしていますね。

学力危機 北海道 教育で地域を守れ

学力危機 北海道 教育で地域を守れ

  • 作者: 読売新聞北海道支社
  • 出版社/メーカー: 中西出版
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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ZAPPER

枕木の交換基準すら持ち合わせていないJR北海道。

学校関係者のみなさんによくよく知っていただきたいのは、それと何ら変わらない。否、それよりも一層手が悪いということです。枕木なら、いくらなんでも朽ち果てる前に交換がなされますが、子どもの学力は将来に用を成さないことが予見されたとて、そのままやり過ごされてしまうわけですから。

それともう一つ。評価は、されるものであってするものではありません。即ち、自己評価は評価に非ず。他者を評価する者ならばなおのこと。見られている自分、評価される自分があるからこそ、自己を律しようと想うのが道理というもの。
by ZAPPER (2013-10-21 13:49) 

ebisu

ZAPPERさん、同じ記事を同時にとりあげましたね。(笑)

生徒に基礎学力を保障するためにも、学力テストの結果を積極的に利用してほしいですね。
仕事に目標管理すらしていないということになりますから、一年間した自分の仕事の総括すらできないということになりかねません。

そうして、毎年、基礎学力に重大な欠陥を抱えたまま、高校へ進学した生徒の4人に1人が、分数計算やアルファベットからやり直しているのです。

本業の手を抜き、部活にうつつを抜かし、こういうことをいままで平気で見過ごしてきた。
仕事に対する責任がとこかへ飛んでいっているようには見えませんか?

わたしたちは、教師本来の姿に立ち返ってほしいと主張しているだけなんです。

こともたちを教育して知識と智慧を授け、精神的に自立した大人にする、その手助けのために教師がいる。
基礎学力に重大な欠陥を抱えた子ども達の将来がどうなるかをありありと想像してもらいたい。どれほどの苦労を背負い込むことになるのかを考えたら、今日からやるべきことがあるはずです。
by ebisu (2013-10-22 09:25) 

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