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#2431 釧路(と根室)の教育について(角田憲治会長)① Oct. 2, 2013 [64. 教育問題]

 すごい雨ですね、屋根を叩く雨音がうるさくてテレビの音量を上げています。いま午後11時を少しすぎましたが、夕方からずっと降っています。

 ブログ「情熱空間」からの転載記事です。
  ちょっとだけ補足しておきます。「釧路の教育を考える会」の会長の角田さんは元釧路教育長で、ちょっと異色であったようです。私たちはお酒の席で現職時代にあった教職員組合との間の「武勇伝」を聴くことがあるのですが、いまは好々爺です。荒武者だった現職時代に胸を借りたかったとは副会長の三木さん。
 副会長はもう一人いて釧路市議会副議長の月田光明さん、この方は釧路市議会基礎学力問題議員連盟の会長もされています。100%の市議(副業市議ではありません)で自分の仕事に全力投球です。こういう人が一人いないと、超党派の「釧路市議会基礎学力研究議員連盟」と民間有志の任意団体「釧路の教育を考える会」の連携はなかったでしょう。品川区の学校や秋田県の学校をいくつも現地調査しています。会で一番フットワークの軽い人です。根室にもこういう人が現れるのを期待しています。
 じつは会を支えて実務を担っているキーマンがもう二人います。このところすごい勢いでネット上の掲示板で議論を重ね、あらたな局面を切り開きつつあります。実務を担える仕事人が何人もいるのが「釧路の教育を考える会」の強みです。
 釧路と根室の子ども達の学力低下に危機感を抱いたさまざまな分野の人が集まってしまいました。
 補足はこのくらいにしておきます。

 釧路はいろんなところが根室と共通していますので、根室市民の根室の子ども達の基礎学力問題についてお考えください。


http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6840397.html
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2013年10月01日

釧路の教育について(角田憲治会長)①

我が釧路の教育を考える会の角田憲治会長(元釧路市教育長)が、同人誌「河太郎(かわたろう)」35号に寄稿なさった記事、「釧路の教育について」をここに謹んでアップさせていただきます。

釧路の教育について 角田憲治

1 基礎学力低下の現実
 長い公務員生活を退職し一時文化振興財団の理事長を務めたが、乞われて民間企業に再就職し12年間勤務した。いろいろの仕事を公務と違った立場で行ってきたが、その中で力を入れたのは採用と研修であった。これは、公務員時代に手掛けてきたので得意分野だと思って取り組んでみたが、やはり役所と企業では違いがあった。
 そのことはさておき、この仕事を通じて感じていたことが私のその役に影響した。
 その一つがオリジナルな採用試験の問題つくりであった。
 高卒予定者には小学校6年生のワータブックから、大卒には高校の教科書からそれぞれ100問を作り11点として試験をした。
 採点の結果は特に高校卒の場合半分の50点を超える人が少なく、年々悪化の傾向がみられた。また大卒試験では、地理的感覚がほとんど無くヨーロツパでも東南アジアでも国の所在と特徴がほとんどわからず、また歴史感覚も近代史にいたっては、高校時代何を学んだのか首を傾げたくなる。九九が出来ない大学生がいると言う話を聞くがうなずける。
 こんな時全国学力テストの結果が発表になり北海道がどん尻の方で、釧路地方はその中でさらに後から数える位置であった。
 前述の結果からみても当然であった。何かおかしいぞ。彼らがこれからの釧路を構成する中心となる階層である。こののままで良いのかな。これからの釧路の経済やまちづくりに大きくかかわってくることは必定である。

2
 釧路の教育を考える会について
 主に小中学校の児童生徒を持つ親たちが集まって、釧路地方の基礎学力について話し合っている人達がいる。聞きに来ないかと誘われて、自分の過去の職責も感じて参加した。各人持寄りの資料や具体的な話を聞き驚くことばかり、何かをしなければと言うみんなの切羽詰まった気持ちが膨らんできた。
 そこで団体を立ち上げて組織的に行動しようということになり、「釧路の教育を考える会」を設立し年長者の私が会長になった。何だか火中の栗を拾った感じがしないでもなかった。平成23108日であった。
 この会の会是としては、「教育委員会の応援団であること」「敵をつくらないこと」であるが、会員の中には過激な発言、行動をする会員も出てくる傾向にあり、ブレーキを掛けるのに腐心しているこの頃である。
 教育とは、知育ばかりでなく徳育、体育を含むもので、全人教育すなわち知、情、意の調和した人間を育成するにある、とよく言われる。
 尤もなことでそうありたいと思う。だがそんな悠長な綺麗事で現状はこのままでよいのだろうか。どんどん釧路のレベルが下がっていることが数値からも読み取れる。
 私達はじめ市民は学校にまかせっぱなしで基礎学力の低下に関心が薄かったのではないか。又誰かが何とかするのではないかと。この危機感を何とか市民に伝えたいと言うことになった。いろいろ議論した結果、行政機関に提言する事が最初ではないかとなった。
 そしてこの提言書を各種団体に配布して深刻な状態にあることを市民に訴えていくことになった。
 危機を感じないことが危機である。

3
 「釧路学力向上提言書2011」について
 提言書は、約1年間検討されてきたもので、平成231013日に釧路市長、釧路市教育長、北海道教育庁釧路教育局長に提出し一定の理解を得たところである。
 全部で48ページとなり現状を細部にわたって分析し、それをもとにした提言となったのでその概要を記載してみたい。
 内容は、4章から成り立ち第1章は、最も重要で早急に取り組んでもらいたい部分を「5つの緊急実行課題」とし、第2章は学力層別に分けた学力向上策を、第3章では子供の年齢に分けた学力向上策を提言、第4章では13章の提言を行うための準備についての提言となった。

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【基礎学力にかかわる根室固有の問題】
 根室管内の小中学生の学力は全道14支庁管内で最低レベルにあります。そして北海道は全国最低レベルの学力です。つまり根室管内の子ども達の学力は残念ですが全国最低レベルということ。
 私はこの事実をたいへん不名誉なことだと思っています、このままでいいわけがありません、このまま放置すればふるさとの未来から光が失われます。現状がまさにそうなっています。領土問題解決に効果のないビザなし交流、市立根室病院の赤字拡大、進まぬ市街化地域の小中学校の統廃合問題、市債残高が減少から増大に転じ市の財政に黄色信号が点り始めましたが、問題の先延ばしばかりです。
 30年前の基礎学力問題の放置が現在の衰退の主要な要因の一つになっているのではないでしょうか、いろいろな分野で人材が不足しています。大きな問題がいくつもあるのにどれ一つとして解決に向かっていません。解決できるだけの能力と経験を兼ね備えた人材がいないからではないでしょうか。いま基礎学力問題をなんとかできたら、人口は1.8万人に減っても30年後は明るい。



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