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#2292 伝統の力 出雲大社式年遷宮の儀式 :日本人はこれからどう生きる May 11, 2013 [A4. 経済学ノート]

 出雲大社(いずもおおやしろ)は明治4年までは「杵築大社(きづきたいしゃ、きづきのおおやしろ)」と呼ばれていた。

 その式年遷宮は60~70年に一度、建物自体は修復がなされるだけだが、今回の費用は80億円。伊勢神宮の式年遷宮は東西のお社を20年ごとに交互に新築して神様を新しい社にお迎えする。出雲は仮殿をつくってそこへ神様をお移しして、修復が済んだらまた本殿へお移りいただく。

 本居宣長が『玉勝間』で上古は32丈の高さがあったと書いているから96mあったことになる。中古は16丈とあるから48mで、東大寺よりも3m高い。基礎を土の上においたために地震で何度も倒壊したようだ。

 仮殿から修復が終わった社への神様の渡御が昨日夜行われた。十数人の人が棹の先に白い布でできた天幕を持ち上げ、周りから見えないようにして神様に修復の済んだ社へお移りいただく。
 式年遷宮ごとに新しくなったところへ神様をお迎えする儀式は、再生と永遠をイメージさせる。終わりのないのが神道の時間のイメージだ。
 啓典宗教とちがって、書かれた物のないのが神道の特徴だが、それゆえにこうした伝統儀式が強いメッセージ性をもっていることに気付かされる。伝統を守り伝えることがどれほど大事なことか、還暦をすぎてようやく気がつくこの愚かさ。

 659年に造営されたと出雲大社の資料や日本書紀に記述が残っているようだが、それから数えると1354年、実際には2~3世紀の頃からあっただろうから、おおよそ1900年。記録のある式年遷宮は21~23回ぐらいだろうか。上古から数えても30回程度だろう。

 急速な高齢化と同時に進む人口減少、日本列島の経済社会ははじめて大きな曲がり角に来ている。ピンチはチャンスである。
 海外への生産拠点の移転はやめよう。日本で消費するもので日本国内でつくりうるものはコストが2倍かかっても国内生産しよう。スキルを高めて素晴らし製品を生産しよう。高くても雇用を守るために安心安全そして丈夫な国産品を大事に使おう。それぞれの国が自国で消費するものは自国内で生産すればいい。生産できない場合(生産技術がない)や高性能あるいはぜいたく品は輸入したらいい。
 日本は国を閉じていい、そして若い人たちに職を与えよう。労働ではなく仕事を与えよう。縄文以来1.2万年の歴史のある日本、独自の文化を伝えるためには国を一時閉じること(鎖国)を検討したらいい。完全に国を閉じるわけではない、江戸期のように強い管理貿易体制をとるだけ。

 キリスト教は行き止まりの宗教である。ハルマゲドンとキリストの再臨、人類の天国への救済。日本古来の宗教は死と再生の永遠の繰り返しである。式年遷宮の儀式自体が永遠を表している。

 西洋経済学の「労働観」では経済社会はもたない、それはハルマゲドンという終末思想を持つ宗教のせいかもしれない。啓典宗教が描いているその終末に向かって驀進しているようにみえる。人間はイメージしたものを実現するように遺伝子によってプログラムされている。人類はそういう心の怖い仕組みに気がつき自己を客観視すべき段階に来ている。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は実に厄介で、終末思想ゆえに人類に大災厄をもたらしかねない疫病神なのである。この三つの宗教は共通の神をもつ、違いは預言者であるにすぎない。モーゼ、キリスト、モハメッドは同じ神の預言者である。これら三つの宗教が激突するイスラエルとその周辺の国々の紛争が核戦争の引き金となりかねない。日本はこれらのどの国にも肩入れしてはならぬ。肩入れしないことに如何なる理由も要らない、ダメなものはダメなのである。

 縄文以来森と共存することで育まれてきた神道の時間概念は死と再生の繰り返しすなわち永遠である。日本は孤立を恐れずに独自の道を歩むべきである。
 日本には独自の「仕事観」がある。刀鍛冶の仕事に見るように職人仕事は神聖なもの、ゴマカシはいっさいない、最善の技術で神に捧げるものをつくる。そこが職人仕事の原点だろう。職人仕事に基く経済社会は信頼の社会である。ダマシやゴマカシは卑劣なこととして蔑まれる。

 職人文化、そうした原理に基いた経済社会を創造して世界に範を示すことが日本と日本人に与えられた人類史的な役割なのではないか。そのために急速な高齢化と人口減少というダブルパンチを日本の八百万の神々が与えてくれていると考えるとなんと幸せなことだろう。これから迎える日本経済の危機は死と再生そしてその繰り返しによる永遠が隣り合わせ、ほんとはありがたいこと。パラダイムシフトのときがきている。

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*「出雲大社」ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E9%9B%B2%E5%A4%A7%E7%A4%BE

 「葬られた王朝」梅原猛
http://blogs.yahoo.co.jp/crazy_tombo/43350434.html

 「雲太」
http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/unta.html

 「雲太、和二、京三」
http://blog.goo.ne.jp/fagus06/e/e4778badd1745a1586e65f4f1bc56938


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