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#2202 中3の授業進捗管理(2):騒ぎはなぜ起きたか? Feb. 7, 2013 [64. 教育問題]

 #2189でとりあげた問題の本質は授業の進捗管理でした。「濃淡の差」はありますが、そうした問題は特定の中学校(A校)の特定の科目(数学)に限らない、根室の中学校に共通したものです。

  ふるさとの町を衰退から救うためには健全な批判精神の育成が必要です。それは同時に根拠のある批判を素直に受け入れる広い心を育てることでもあります。
 旧弊がいたるところにはびこってしまった根室の町では、なかなか困難な道です。でも、あえてそうした道を選ぶ人、パトリオット*が増えてほしいと願っています。
 
*#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』May 17, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17

 もう隠しておく必要がなくなったので事の発端を書きます。
 このままでは教科書全部が終わりそうにないと不安に思った生徒が学校の先生に尋ねたら、「やれない」と返事があった、それから塾先生に相談した。実際のシーンがどうだったかはどうでもいいことですから、これ以上詮索しないこと。
 受験を控えた生徒が1月に未消化部分の40ページほどをを塾でやってもらいたいと思うのはあたりまえの要望ですから、何人もそれを咎めだてする権利はありません。常々根室市内の3中学校の授業の進み方が遅いことに疑問をもっていた塾先生(ebisu)がこのような状況を改善したくてブログで採りあげただけのこと。たいしたことではなかったのですが、それが「騒ぎ」となってしまったのには理由がいくつかあるようですから、あとで分析してみたいと思います。

 道内14支庁管内で根室の子ども達の学力が低いことの原因の一つに学校の授業速度の問題がかかわっています。それは#2199で詳論してあります。
 結果として根室高校普通科のレベルに現れています。高校入試は全道偏差値で42ですから、百校あったら80番目くらいというレベルです。さらに進学実績に影響しています。それはHirosukeさんが("中学女子"の謎のコメントの真意はこうかな?と)提示してくれた資料の指数にはっきり現れています。釧路湖陵が5753であるのに対して根室高校は指数141で、リスト(83校)の下から2番目です。中標津は362です。Hirosukeさんが次のURLをコメント欄で教えてくれました。
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*【高校の実力】大学合格力 2008年版
http://mimizun.com/log/2ch/ojyuken/1226539517
参考資料:
読売ウイークリー2008.4.20、
週刊朝日2008.4.11、
サンデー毎日2008.6.14
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 他の学校も問題のある科目があるが、数学は母校が一番遅い。あの時点でどのクラスもP.161~P.164をやっていたことがわかっています。約40ページ残していました。
 学校は生徒にアンケートを実施しました。これは必要ないものでした。学校管理職が担当の先生に尋ねるだけでよかったのです。
 その先生が「言っていない」と言ったら、それは「覚えていない」、不用意に話してしまった可能性ありといったんは考えるのが学校管理職の仕事ですが、過信があったのかもしれません。

 なぜ自分の母校を取り上げたか、それは自分の母校がよくなってほしいからです。そう心の底から願うからこそ、ブログで取り上げました。共通した授業進捗管理上の問題があるなら、他所の学校よりも自分の母校を取り上げるのが筋ってものでしょう。それで市内のほかの中学校の授業進捗管理もしっかりするなら望外の喜びです。

 卒業生だとは学校管理職にはご挨拶してあったのですが、たぶん、わたしの真意を読み誤り、あわてたのでしょう。素直に受け止めて、数学の先生に確認して土曜授業体制を生徒に公表すればいいだけのことでした。

 学校は閉鎖社会です。フリー授業参観に見られるように、地域社会に門戸を開き、意見に耳を傾けるといいながらも、慣れていないのです。最初のうちはあたりまえ、だんだんよくなります。

 学校は真摯に授業進捗度を点検し、2月中に教科書全ページを終わるように努力すると確信しています。そして来年度はこういう問題が起きないようになおいっそう努力してくれるでしょう。地域社会はこうした学校の努力を見守り、そして自分たちにできることがあったら積極的にかかわり、応援すればいい。
 他校に先駆けてわが母校が教育改革を推し進めてくれたらうれしい。
 わたしはA中学校第一期生、そしてパトリオット*。

*弊ブログの検索ウィンドウが右側にあるので「パトリオット」と入力してみたください。どういう意味で私がこの言葉を使っているのかわかります。

(コメント欄はブログへの投稿マナーの反面教師となっています。しっかりしたコメントもいくつかあります。個人が特定できそうなものがあるので「化粧」を施します。いずれ再アップするつもりです。)

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― 何が起きていたのか ―

 日にちがたつにつれて細かいところは忘れていくので、事の顛末をメモすると同時にささやかな分析をしてみます。「なぜか」を問うことは私には自然なことです。

【分析(1)】
 
生徒へなされたアンケート調査票に問題がありました。わたしのブログ記事の引用がその中に含まれていましたが、論旨がまるで違ったものになっていました。国語の問題として「4分の1に本文を要約しなさい」と出題されたとしたら、あのアンケート用紙の抜粋は×です。どこが抜けていたかを例示します。以下は、アンケートへの引用部分を含む後段部分です。

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 ・・・・・・
 今日は1月29日、わたしの母校のA中学校では三平方の定理の入り口のところだ。担当の数学の先生はブカツの指導もしている。ブカツの指導は土日もやっているのに、なぜ本業の数学の授業は土日やれないのだろう、不思議だ。
 そのそも自分の授業スケジュール管理が悪いのだから、民間会社なら土日返上、毎日残業して期日まで間に合わせるのが職務上の最低限の義務である。

 生徒に残り2章がやれないからやっておけというのは、職務放棄に等しいから、業務規程上、解雇事由に該当する。

 2月は土曜日も日曜日も返上して教科書全範囲の授業を終わらせて職務をまっとうすべきだ。今週中に生徒へ土日授業スケジュール通知したほうがいい。

 もう一度言う、授業のやり残しは、民間会社では職務放棄で業務規程違反に該当する。解雇事由になりうる重大な業務規定違反であることを理解すべきだ。一般社会で許されないことはもちろん学校でも許されない。

 仕事は正直に・誠実にやるべし、渾身の力でやり抜け

=============

 青字のところは引用されず、ここにコピペしていない前段部分と黒字のところだけ抜粋してありました。これでは生徒が#2189の論旨を取り違えてもしかたがありません。攻撃したい部分(黒字)のみをとりあげたように見えます。ご覧のとおり論旨はまったく別物。
 生徒に実施されたアンケートの主張ははebisuが当該教諭の解雇を要求しているというとんでもないものでした。わたしは、民間企業なら契約違反や業務規程違反となり解雇事由に相当するほど重大なことだと指摘しただけで、土日を返上してでも授業をやって教科書全範囲をやり終えなさいというものだったのです。それがプロフェッショナルの仕事に対する責任というもの。
 たいした字数もない文の要約を間違えると言うのは考えにくいことです。成績上位層の中3なら的確な要約ができます。
 ここからは、私の推測です。学校側は「攻撃」と受け取ったのではないかと思います。組織防衛は管理職にとってはよくある「条件反射的な反応」です。反撃を用意するために都合のいい部分のみを抜粋した。
 さらにまずかったのは、そこでとどまらなかったということです。先生が「言ったか」「言わなかったか」にマルをつけろとアンケート用紙に書いてしまったこと。
 生徒を巻き込む必要はまったくありません。そんなことに関心があるなら、自分の部下である教員本人に訊けばいいのです。
 アンケート用紙に「言ったか」「言わなかったか」マルをしろと書いてあったので、生徒達はそれに誘導されてしまいました。「わたしたちは聞いていない=先生は言わなかった」と短絡して、アンケート終了後、弊ブログへの投稿が殺到したのです。
 わたしは200人の規模の会社でも、そして2000人を超える規模の会社の本社部門でも長く働いた経験があります。だから、今回の騒動で学校内部や市教委との間でどのようなやりとりがなされたかはある程度推察がつきます。
 このようなアンケートは上司の了解や、市教委への事前あるいは事後了解ナシにはやれないものです。これ以上の言及はここではやめておきます。言いたいことの焦点は他にあります。
 学校へ直接話に行っても、このようなマインドセットでは素直な受け入れはありえないでしょう。やはり「だれが言ったのか」に関心が向かいます。組織防衛本能が発動されてしまいます。

 学校はフリー参観授業を定期的にやっています。学校が閉鎖社会では弊害が大きいので、地域に開かれたものにしようという意図だろうと思われます。これは市教委の指示でやっていることです、市教委は道教委の指示で、道教委は文科省から学校と地域社会の連携を指示されているのだろうと思います。
 つまり、国の政策にそってやれといわれたからしかたなしにやっている部分もあるのです。だから、心が伴っていない。相変わらず心を閉じた「学校村」なのです。母校の卒業生のメッセージすら読み誤るのですから。挨拶まで交わしている近所に住む卒業生が、悪意をもって学校をつるし上げるなんてことは私の常識ではありえません。しかも多くの人が実名を知っているブログで、しかしそうは考えなかったのでしょう。
 
 #2189は母校の卒業生が母校の教育改革に期待して送ったエールだったのです。在校生と来年度以降母校へ入学してくる生徒達のために一肌脱ごうというだけのことだった。塾生から当然の相談を受け、母校を思う卒業生ならあたりまえの反応でした。他の塾の塾長さんが同じ相談を塾生から受けたとしたら「どうしようもないね」で済ますでしょうか?意思の疎通とはむずかしいものです、私も勉強になりました。

 授業進捗管理の真実をあらわにしないことには、教育改革はできない。全道14支庁管内最低レベルの根室の子ども達の学力を全国平均以上にしましょうというエールだったのです。だから、具体策も書いておきました。全国平均くらい、A中学校の先生たちが本気でやればできます。そして一校がそれを実現すれば市内のほかの2校に波及します。そんなものです。

【分析(2)】
 90名の中3から、15~20名程度のコメントが寄せられたと分析しています。個人名を特定できるケースもありますから、ブログ管理者として当該記事の閉鎖措置は当然のことでした。
 不用意であることと、ほとんどが分析や自分の頭で考えた形跡のないこと、なぜそうなったかについて推測を交えて分析してみたいと思います。

 1.「言った」「言わない」問題
 「わたしは授業で先生がそう言ったという記憶がない」、だから、「先生は言わなかった」
 これは、論理として成り立たないのですが、ほとんどのコメントがこの類でした。「その生徒が聞いていないところで先生が発言していたら」という反論一つで、この命題は破綻します。
 こんな簡単なことすらわからない。中3だから無理がないのかもしれません、根室高校普通科「数A」で「論理と命題」という章があるので、そこで勉強してください。高校1年生の生徒達が一番嫌がっている分野の一つです。(笑)
 団塊世代のわたしは大学1年生のときに興味があって記号論理学の専門書を一冊読んだ記憶があります。いまでも本棚のどこかに、たぶん哲学書の中に埋もれているでしょうね。

 2.#2189の論旨を読み違えている
  コメントの先頭のほうの生徒は本文を読まなかったのでしょうね。アンケートの直後でしたから。投稿は時間の記録が残ります。何がきっかけで投稿ラッシュが起きたのかよくわかります。
 でもあとの人たちはまず本分をきちんと読むべきでした。アンケートを作成した方が要約を間違えて論旨を捻じ曲げてしまったように、肝心の青字の部分を丁寧に読んでくれれば、母校の教育改革へのエールであることが想像できたはず。

 原因の一つは論説文を読み慣れていないことにあるのだと思います。そもそも本を読んでいる生徒が少ない。ましてや硬い論説文や哲学関係の本など高校生ですらほとんど読まない。トレーニングしていないことはやれないものです。
 中学生からと判断した投稿の中で一番デキのよかったものを紹介します。

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まず、批判の声を上げている皆さん。夜中の討論を全て拝見させていただきました。コメントを書いていた皆さんは、♯2189の本文の真実を知り、本質を理解しているのでしょうか?本文はもう削除されていますが、あなた方はよく本文を読んでいたのでしょうか?2189が真実と判明した場合貴方がたが述べた言葉に対して責任を負うことができますか?責任を負うということになってしまえばコメントをした人たちにも迷惑がかかってしまうと思います。そんなことになれば悲しむ人たちがでてしまいます。ですのでこの件につきましては終りということでよろしいのではないのでしょうか。 同じ志をもつ中学生には同意して頂けたらと思います。     中学3年生は受験がんばってね!!そして合格して学校の先生方に3年間の恩返しをしよう! 両者のご健闘をお祈りしています。
by マザーテレサ (2013-02-02 14:02)
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 この生徒は事態を静観して、全体の流れを読んでいます。つまり、自分の頭で分析しているのです。ものごとを相対的にみる視点も鮮やかです。マザーテレサとあったので中学生だと思いました。英語の教科書にマザーテレサの章があるからです。文を一読したときは書き手は大人だと思いましたが、2読で中学生だと気がつきました、そしてその通りでした。
 論旨がしっかりしているので、けっこう本を読んでいる大人だと思ったわけですが、もうすこし読み込むと文意のハッキリしない文があります。おや、どういう人物像だろう、国語はあまり得意そうではないが、言いたいことはわかる、プロファイリングではないですが人物像に興味が湧きました。

 作った文章にはどういうインプットをふだんしているかが出てしまいます(大きな会社で課長職を抜け出て部長職や役員になるには、文書読解能力と共に文書作成能力が要求されます)。
 この生徒の文章からはは良質のインプットの片鱗がうかがえました。たくさんの社内文書をみたり審査してきたわたしには、たったこれだけの文章からでもよくわかります。

 余談:マリア・テレジアはハプスブルグ家の王女ですが、マザー・テレサはインドの人で、時代もまったく異なります。ヨーロッパの街々をBS放送で女房と一緒によく見ているのですが、話題にこの名前がよくでてきます。もちろんマリーアントワーネットも。うっかり、途中からマザー・テレサがマリア・テレサとなってしまいました。あはは、です。コメントで指摘した人がいましたが、そういうときに「なぜebisuさんは間違えたのだろう?」と考えてみると面白いかもしれません。そういう好奇心と思考回路が将来いろんなことに、特に仕事で役に立ちます。

【分析(3):良質なインプットの重要性】
 ニムオロ塾では日本語能力を高めるために、良質のテキストを選んで音読トレーニングをしています。中1には『読書力』(斉藤孝・岩波新書)、中2は『国家の品格』藤原正彦(PHP新書)、中3は『風姿花伝』(原文対照:林望訳・世阿弥著)。2文ずつ音読(輪読)した後に三色ボールペンで線を引かせています。数学の文章問題を読むにも日本語能力が要求されます。たくさんの本を読み文章語の語彙が豊かである生徒ほど数学の文章題で高得点をとります。高校生になるともっと文章読解力が要求されます。数学の問題を解くのに日本語読解力の重要性が増します。国語の問題の本文もずいぶんと長くなります。だから、中学生のときから「論説文」を読みなれておく必要があります。
 しかし、学校でも論説文を一冊読み通すようなトレーニングはありません。三色ボールペンで音読(斉藤メソッド)トレーニングを積んだハンドルネーム・マザーテレサさんのコメントと他のものを比べてみたらその差は歴然としています。

 「すごく立派な論旨の投稿があったよ、マザーテレサと書いてあったから中学生かもしれないが、文章のできは大人並み、秀逸だ。」
 そうしたら生徒が顔を見合わせゲラゲラ笑い出しました。
「●●●・・・」
 一本とられました。
 

【分析(4):原点回帰の重要性】
 「困ったときや、分からなくなったときには原点回帰、原理原則に還れ」と繰り返し授業で教えています。今回の場合は#2189のブログ本文を確認することでした。
 アンケートの要約が正しいのかどうかは、読めば一目瞭然です。中3ではあのくらいの文章の要約が適切にできなければ、日本語能力に問題ありです。冷静に#2189を読んでもらいたいと思います。
 良質なテキストを選び、たくさん読んで日本語能力を磨きましょう。

【分析(5):いくつかの小部分に分けてみる、そして統合する】
 哲学者で数学者でもあったデカルトは「われ思うゆえにわれ在り」という名言でつとに有名です。中3の生徒達が使っている座標平面もデカルト座標の名を冠されています。哲学分野では懐疑論者とか還元論者という分類になっているようです。
 なにかの現象にぶつかったら、トコトン分析してみることです。「なぜ」という問を発して、自分の頭で情報を確認し自分の頭で考え抜きます。
 わたしは数学の複合問題で生徒から質問があるとデカルトの次の章句を引用して生徒に考えさせることがあります。
「第ニは、私が検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること」『方法序説』(デカルト・岩波文庫)「四つの規則」の「第2」28ページより、

(成績がよくなってきたら、答えを解説しないで、考える道筋あるいは「戦略」を示すだけにとどめて自分の頭で考えさせます。できる生徒ほど、教える量を減らしていき、自立して学習できるようになったら(学年トップクラスになったら)、本人の意思で「卒塾」です。あとは独力で勉強をすればいい。塾なんかにいつまでも頼るようなことでは社会人になったときに「指示待ち人間」ができあがってしまいます。だから、いつまでも塾に頼るな、成績が上がって自分で勉強する自信がついたら塾を辞めて一人で勉強しろとふだんから言ってます。人生は大学に入学して終わりではありません。その先を独力で生き抜いていけるように育てるためにはいつまでも塾に縛り付けてはいけないのです。高校時代に誰にも頼らず1年間でも自学自習した生徒は社会人になったときに抜群の強さを発揮します。)

 複合問題は元になっているいくつかの分野に問題文の内容を分割して考えるとその構造がとらえやすくなります。こういうことを数学の授業で繰り返した生徒は今回のような「騒動」が起きたらどのように行動するでしょう
 まず事実確認からはじめるでしょう。#2189を読み、自分で要約を試みて、「アンケートの要約」が間違いであることに気がつきます。そしてなぜこういうことが起きたのかを考えるでしょう。
 問題の本質が授業の進捗管理にあることをしっかりとらえて、投稿されたコメントを読んでいきます。そしていま自分が何をなすべきかを判断する


 まだ幼いところがみえるごく普通の中3の生徒がここまで深く考え行動したことに驚いています。私自身がそうした塾生の成長に気がついていませんでした。

 ふだんの授業がすべてのようです。これからも授業は手を抜けませんね。実際は油断だらけ、隙だらけけですが、要所を押さえているだけ、でも生徒はこんなに(精神的に)成長しています。 

【分析(6):学校とのコミュニケーション】
 フリー授業参観は体調と時間の許す限り見させていただいています。しかし、意見交換の場はありません。だからフリー授業参観のあとに「感想」をブログにアップしています。アップしたこと以外にも言いたいことはあるのです。改善すべき点に気がついても、ブログには書けないが重要なこともあります。しかし、コミュニケーションする場がありません。
 学校側のマインドセットに問題があることも今回のことではっきりしました。学校が「閉鎖的な村社会」ではいけません。学校側も何かお考えください。地域社会の一人として私も考えます。もちろん、根室市教委もコミュニケーションの輪のメンバーと考えています。特定の団体などが関与するものではなく、地域住民にオープンでなければいけません。双方の課題としておきます。

【分析(7):
 授業の進捗管理上の問題は釧路と根室の中学校に共通した問題】
 標準スケジュールでは1月末に教科書すべてが終わるようになっていますが、市街化地域の3校で1月末に教科書を終わった学校は一つもありません。したがって、授業の進捗管理問題はこの学校だけの問題ではありません。市街化地域の3校に共通する問題です。中学校の数の多い釧路も程度の差はありますが似たようなものでしょう。さすがに、1月末で「円」の章に入っていない学校は調べることのできた16校では一つもなかったようです。
 学校は初動を間違えたようですが、きちんと全科目の進捗状況をチェックして、教科書を全部終わるように全力をつくす体制をとりつつあります。それで充分でしょう。特定の先生がどうだこうだという低次元なレベルの話しはナシ。
 先生という職業を選んだからには授業に関する技(技倆)の研鑽を惜しまない。真実を吐露すれば、還暦を過ぎた私だっていつも自分自身に不足を感じながら授業をしているし、試行錯誤の毎日です。そして不足を補おうとさまざまなジャンルの本を読み漁っています。インプットだけではなくこうしてブログで出力もしている。
 母校は授業の進捗管理に力を入れ、生徒達の学力向上にベストを尽くす。地域社会はそうした学校側の努力を温かく見守る、そうありたいですね。
 根室市教委さんの責任は重大かもしれませんよ。

 ふるさとの町を衰退から救うためには健全な批判精神の育成が必要です。根拠のある批判は受け入れましょう

いつもどおりの章句で締めくくります。

 仕事は正直に誠実に、渾身の力でやろう。
 売り手よし、買い手よし、世間よし、の三方よし





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*#2199 中3の授業進捗管理について Feb. 3, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-03-1

 #2200 ある中学生の意見 授業の進捗度について(釧路・転載記事) : Feb. 6, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-06-1

 #2201 ハネムーン期間(ブログ「情熱空間より転載」) Feb. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-06-2

 #2204 中3の授業進捗管理(3):総復習期間は一月必要  Feb. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-10

 #2021 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(3):授業速度と学力  July 20, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-20

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【2月17日追記】
 関係者が反省すべき点を箇条書きにします。
①生徒へのアンケートで引用した文章は#2189の意図を捻じ曲げるものであったが、作成した当のご本人は「文章をまとめる」という教育技術上の基本に立ち返ってその技術を磨きなおすことを希望します。教育者として素直に努力する姿を生徒に見せてやればいい。

②この「アンケート」は上司である校長や市教委の了解の元になされたはずだから、それらの人たちは同罪であると心得ること。オリジナルと比べてみたら、中3の国語の問題で文章を要約しろとの問題だったとしたら、零点の答案だった。教育者(校長)や教育に関わる行政機関としてはまことにみっともない。

③学校が実施した「アンケート」に煽られて愚かな書き込みをした生徒諸君への忠告。
 かならずオリジナルを読み、自分の目で事実を確認してから書き込むこと。そして個人が特定されるようなハンドルネームの使用は避けること。

④アンケート作成者へ
 文章をまとめるという基本的な技倆を磨くこと。そして教育者に大事なことはまっすぐな心根をもつことです。母校の第一期の卒業生が7月13日のフリー参観ではじめてお会いして、ブログに授業参観の感想を書きますとはっきりご挨拶しておいたのに、そこで指摘した数学の授業進度への懸念に何も対策をとらなかったことが今回の「騒動」で明らかになりました。これは管理職として職務怠慢ですから、反省してください。ebisuは怒ってはいません。あなたが今回の「騒動」を通して優秀な管理者へと成長されることを心の底から祈っています。だから、たいへんなチョンボのあった市教委にもオフィシャルな文句は一言も申し上げていません。

⑤私がブログで個々の教育問題をとりあげるのは、ふるさとの子供たちの学力が全国最低レベルのままであることにガマンがならぬからです。そのためにはきついこともブログで書きます。意図をとりちがえないように。


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Hirosuke

僕の示した資料は、
僕の意志ではありません。

ハンドルネーム「中学女子さん」がくれた、
謎のコメントの真意を探るためでした。

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週刊ダイヤモンド別冊2013年3月1日
根室高校 大学合格力ランキング
by 中学女子 (2013-02-04 00:29)
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こんな渋い雑誌の最新特集号を持ってるなんて、
「中学女子」さんってば、
大っ人ー♪

by Hirosuke (2013-02-07 23:51) 

Hirosuke

マザー・テレサの言葉 (再掲)

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思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
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by Hirosuke (2013-02-07 23:57) 

Hirosuke

一つの言葉には、
少なくとも三つの意味が存在します。

三つの意味とは、
「表意」「真意」「含意」です。

タイプミス等の表意に捉われ過ぎて、
真意や含意を読み取れなかった人達は、
憶えておくと良いでしょう。

by Hirosuke (2013-02-08 00:09) 

ebisu

おはようございます。

>僕の示した資料は、
>僕の意志ではありません。

>ハンドルネーム「中学女子さん」がくれた、
>謎のコメントの真意を探るためでした。

そうでしたね、本文に括弧書きで注を入れておきました。

>一つの言葉には、
>少なくとも三つの意味が存在します。

>三つの意味とは、
>「表意」「真意」「含意」です。

表意:①文字が意味を表していること
    ②意思を表示すること

真意:まことの心、本当の意図

含意:表面にはあらわれない意味を文意に持たせること。

 『大辞林』からです。
いい言葉を紹介してくれました。

表意は文字面にあらわれた意味と解したらいいのでしょう。特定の部分を文脈から切り離して都合のいい解釈をほどこすのは論評のルール違反です。
わたしは卑怯なやり方、ズルイやり方は嫌いです。
中学生は真似をしてはいけません。
一度やると二度目はハードルが低くなっています。三度やるともう四度目は抵抗がない。
そうして繰り返すことがその人の「習慣」となります。
習慣はいつしか身体の芯まで、心の芯まで侵食していきます。
習慣はそうして性格の一部となるのです。
性格はその人の人格の一部となり、いつかその人の運命を左右するようになります。

だから日常やること、ひとつひとつを大事にしなければならないのです。
大人の言葉が子ども達の心に届かなくなりました。信用ならぬ大人が多すぎるのでしょう。

by ebisu (2013-02-08 10:37) 

ZAPPER

マスコミによる意図的な世論誘導。
情報隠蔽による責任回避・転嫁と世論操作。

政権交替(特に前安倍・福田・麻生政権)の際、それに先の福島原発事故で目の当たりにした異常な風景ですが、それを異常と認識できないのは大衆が扇動されるから。ゆえに、健全な批判精神が重要。

未来を担う若者こそ、健全な批判精神を身につけなければならない。では、そのために、今現在何をすべきか。そうしたことを、一人でも多くの中高生に考えてもらえる機会になればと願っています。見る目・見抜く目はそうした中で鍛えられるものでしょう。
by ZAPPER (2013-02-08 16:58) 

ebisu

ZAPPERさん、こんばんわ。
今モウレツに吹雪いています。西側から強風が吹き付けています。

>未来を担う若者こそ、健全な批判精神を身につけなければならない。

本当にそうですね。そうした視点で考えるとコメント欄へ投稿した中学生の大部分は危うい。簡単に扇動に載せられてしまうし、隠された情報を見抜けていません。
でも、そうした中に光る一粒、マザーテレサというハンドルネームの中学生がいました。

>では、そのために、今現在何をすべきか。
>そうしたことを、一人でも多くの中高生に考えてもらえる機会になればと願っています。
>見る目・見抜く目はそうした中で鍛えられるものでしょう。

何度も失敗しながら、見る目を養ってほしいと思います。
by ebisu (2013-02-08 22:52) 

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