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#2108 枯れ笹がかさかさ音を立てる : 今年最後のサイクリング? Oct. 28, 2012 [85.サイクリング]

 前輪を5bar、後輪の空気圧を6barに調整し、1時15分頃牧の内コースへ向かった。原野は弱風、午後5時の気温が8度だから走ったときは12度くらいだっただろう。風は弱いがスピードが出始めると風を切るから頬は冷たい。景色を楽しみながらゆっくり走り始めたら、枯れ笹の野原を風が渡ってカサカサと囁くような音がきこえてくる。ところどころに生えているススキも気持ちよさげに秋風に穂を揺らせている。
 道路の真ん中に黒っぽい大きな物体が見え、邪魔だな、なんだろうと思いながら近づいていったら大きな雄鹿だった。幅2mもありそうな立派な角をつけていたので、鈴を鳴らしながら近づいたら林の中に消えた。あんな角に突っ込んだら大怪我をする。群れがいなかったから、雄は単独行動するのだろうか。
 自衛隊のレーダーサイトをすぎて、根室高校前から2km地点で左へ折れるとゆるいくだりにさしかかるから、「こころ旅」の火野正平じゃあないけれど「人生下り坂最高!」、時速40kmを超えるとゴーと風を切る音が耳にやかましい。興ざめな騒音に苦笑しながら腰を浮かしてペダルを思いっきり漕ぎ、加速しながらしばらく走ると突然オホーツク海が眼前に広がる。時速は一時50kmを越えるから海岸通りに出る前にブレーキングしてから左右を確認し、ゆっくり右折して本線に入る。牧の内からオホーツク海へ抜ける道路はスピードがだせるので楽しいが、転倒したら大怪我は必定、ギリギリのあたりを攻める数分がなんともいえない快感を誘う。左手の群青色の北の海には青みがかった灰色の雲が垂れ込め、クナシリ(国後島)は見えない。秋の景色を眺めているうちに昂ぶった心も次第に落ち着いてくる。

 トモシリへの右折地点を少しすぎて風力発電所のほうへ直進したが、アップダウンがきつそうなので、坂の上のところで折り返してきた。今日は運動をするよりもサイクリングと秋の原野と海を眺めるためにでかけてきたのだからそれでいい。牧の内の昔の根高女子マラソンコースの折り返し地点に自転車を止め、専用ボトルのお茶を飲みながら周囲を見渡していたら、プリウスに乗った人がT字路にある家へ車を乗りいれた。ご夫婦で買い物でもしてきたのだろうか、はじめて見た。広い広い原野の一軒家。住んでいる人には珍しくもないだろうが、原野に沈む夕日を家の中から眺めたらさぞかしきれいなことだろう。まわりは牧場のみ。

 いつもよりものんびり走って無理はしない、こういうサイクリングもいいものだ。年齢や体力に応じた走り方があるようだ。
 10月も終わりだから、ランニングしている人はたった一人、季節がこういうところにもあらわれるのだと気がついた。

 帰りに、中学時代の同級生のYのところへ顔を出した。立ち話をして帰ろうかと思ったが、
 「おーいあがっていけ、ちょっと風邪気味なんだ」
 という声に誘われて、小一時間ほどたわいもない話しをしてきた。一月ほど前に共通の知人が急逝したので、そのことが話題になった。糖尿病があったようで、真夜中に2度咳きをして静かになったのに気がついた家族が見ると事切れていたという。突然の訃報に人の命はまことに明日が知れぬものだということを思い知らされた。友や先、われや先、いずれが先に逝くかは天のみぞ知る、互いに普段の生活に気をつけようやということになった。気のおけない友人がいるのはありがたい。

 ロードバイク:今日の走行距離 24km 累計1147.6km
 MTB:                     累計 547.8km

 例年のことだが11月は自転車に乗らない、寒いからだ。これで今年のサイクリングは終わりだろう。

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