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#1968 New class of vehicles : マイクロコンパクトカー June 10, 2012 [74.高校・大学生のためのJT記事]

 1968年は高校を卒業して東京生活2年目の年に当たる。新宿はデモで騒然としていた。この年は全共闘時代の幕開けであった。35年の東京生活の2年目、1968は感慨深い数字だ。
 今日は一日雨が降っていてサイクリングにいけなかった。午後5時半過ぎに上がったので∞乗りをして20分ほど遊んだ。さっきまだ雨が降っていたので気温が上がっていないせいか手が冷たかった。

 高齢になって何度か自損事故を起こして免許証を返上するケースが周りにも増えているが、家族の誰かが免許をもっている間はそれでよくても、老夫婦の二人住まいだと両方が免許証を返上してしまうとその後の生活に支障をきたすこともある。根室のようにバスの本数が少なく不便だと運転免許証返上にはそれなりの覚悟がいる。
 馬力が小さく、スピードも限定され、車両重量が軽ければ、駐車場などでも接触事故を起こしにくいし、万が一事故を起こしても相手に与えるダメージは小さくてすむ。そういうわけでマイクロコンパクトカーへのニーズが高まっているのではないだろおうか。

 政府がシニア向けの新たな車種分類を検討している。車種は電気自動車("the Road Transeport Vehicle Law"は「道路運送車両法」のことだろうか?この法律に新区分が規定されることになる)。
 買い物や短距離移動のために年寄りが乗り回すという用途に限定された車種区分となるから、高速道路は走れない。高速道路が走行可能な仕様だと衝突安全性を確保するために車両重量が重くなるから、マイクロコンパクト自動車のニーズに合わない。
 マイクロコンパクト自動車は50ccのオートバイと660ccの軽自動車の間の車種となっているから、高額なリチウムイオン電池を積載しないで、ガソリンや灯油を燃料とする発電機で動く電気自動車も可能だ。まったくタイプの異なる自動車が開発・製造される可能性がある。オートバイメーカや電機メーカにとっては事業拡大のチャンスである。産業活性化という意味でもこのマイクロコンパクト自動車という新車種は楽しみだ。
 いま免許証を持っている老人は1200万人、5年後にはそれが1700万人になるようだから、マイクロコンパクトカーに対する潜在需要は大きい。量産化によるコストダウンメリットの余地も充分にある。

 ここには書いていないことなのだが、米国から軽自動車を撤廃して普通自動車並みに課税しろという圧力がかかっている。新区分導入と同時に、増税とならぬように注視したい。
 なお、マイクロコンパクトカーの最高制限速度は60km/hとなる、高速乗り入れ禁止だから当然の措置だろう。

 ジャパンタイムス社説のURLを記しておくので全文ダウンロード⇒プリントアウトして読んでほしい。

http://www.japantimes.co.jp/text/ed20120607a1.html
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Thursday, June 7, 2012

EDITORIAL

New class of vehicles

The government plans to promote a new category of "microcompact" vehicles, the first new category of vehicle to be established under the Road Transport Vehicle Law since 1963. These new cars will likely appeal to elderly people and others who will use them for shopping or visiting places near their homes. Most of them will be electric and much more environmentally friendly than current automobiles.
Larger than "Category 1" motorcycles that have an engine displacement of 50 cc or less, but smaller than light vehicles with 660 cc engines that can carry four people, these single- or twin-seater cars will be well suited to the narrow streets of Japan's urban neighborhoods. The vehicles will also be useful in rural areas where declining populations have driven bus services out of business.
Easy to drive and park, and built with safety in mind, microcompact cars will be good for transporting smaller items. …


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*「"Category 1" motorcycles 」とは"第1種原動機付自転車"のことで、50ccを超え125cc以下は"第2種原動機付自転車"に分類されている。その上のクラスは"自動2輪"なのだろう。英文を読むにはこうした知識が欠かせないから、ふだんからいろんなことに興味をもって調べる癖をつけておいたほうがいい。
 たとえば、経済記事は経済の専門知識がある程度ないと読めない、もちろん専門用語を知らなければまるで歯が立たない。その点が基本漢字で専門用語が作られている日本語との大きな相違だ。医療関係記事も同じことが言える。他の分野ももちろん事情は同じだ。英語の専門用語はギリシア語やラテン語の接頭辞、語幹、接尾辞でつくられているからやっかいだ。


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質問

質問させてください。

「ガソリンや灯油を燃料とする発電機で動く電気自動車」というのは「ガソリンや灯油を燃料としてエンジンを回し、エンジンを発電機として電気に変換して動く電気自動車」という認識で宜しいでしょうか?


by 質問 (2021-12-09 21:10) 

ebisu

質問さんへ
仰るような意味で書きましたが、8年たってそんな車を開発しているメーカーはないですね。
このブログを書いたときにはそういう方向もあるのかと考えていましたが、あきらかな認識不足そして無知でした。
by ebisu (2021-12-09 22:29) 

ebisu

以前から物理学の知識の不足を感じていました。たまたま、数年前に夏目雄平先生(千葉大学名誉教授物理学)と円形状の柱状節理である「花咲港の車石」の写真を縁にFB友になりました。
最近、数か月、夏目先生はZOOM授業の下準備動画をFBに連結してFB友限定でオープンしてくれているので、それを視聴させていただいてます。物理学を基礎から解説してくれるので、文系出身のわたしにはとってもありがたいのです。
つい先ごろは生命の起源について最近の理論を解説してくれました。生物学と地学と物理学と化学の融合分野です。根室の好奇心旺盛な高校生にも見せたいので、一般公開をお願いしています。もうすぐやってくれそうです。
文系大学進学コースの高校生は大学の物理学の講義を聴くチャンスはありませんが、好奇心旺盛な生徒が少数います。全国レベルではそういう生徒はずいぶんな数になるでしょう。

夏目雄平先生は「夏目サイエンスカフェ」というのも定期的にやってらっしゃいます。
しばらく、動画をドキドキワクワクしながら見ることになります。これで物理学の専門書が読める。今年はとってもいい年です。(笑)

「夏目雄平」で弊ブログ右側の検索欄に入力すると3つ出てきます。
by ebisu (2021-12-10 08:59) 

smart

気になるコメントを見つけたのでコメントさせていただきます

「ガソリンや灯油を燃料としてエンジンを回し、エンジンを発電機として電気に変換して動く電気自動車」はCOP26で2040年までに新車販売禁止対象車に位置づけられています。禁止理由は「化石燃料からエンジンを回すのは二酸化炭素を排出し、カーボンゼロミッションに反する」という理由です。

by smart (2021-12-10 21:16) 

ebisu

smartさん

おっしゃっていることは当然だと思います。
でも、電気自動車用に火力発電所を増設するなら、ガソリンや灯油で発電機を回しても同じことです。
いま、走っている車の動力を全部で機器で賄うにはどのような発電・給電体制になるのか、そういうところへ議論がまだ届いていない。
そろそろそういう肝心な点へ議論が及ぶべきですね。
by ebisu (2021-12-10 21:48) 

ebisu

日本はハイブリッドで先行しました。ヨーロッパの狙いはそれを覆すこと。それが電気自動車をヨーロッパの標準規格とすることでした。ヨーロッパで標準規格になれば、それは全世界がそうなる。
国際標準規格戦争に日本の自動車メーカーも経産省も気がつきませんでした。
わたしも当分ハイブリッドで行けると8年前は読んでいました。大外れでした。だから、ガソリンエンジンで発動機を回してなんてことを考えていたのでしょう。SDGsもそうした世界戦略の一環ということにいまになって気がつきます。大義名分が必要でした。ガソリンの使用自体が消えてしまいました。こうして、日本の自動車メーカーが優位な分野のハイブリッド車に未来がなくなった。
日本人はもっと戦略思考に慣れるべきです。それが大きな教訓でしょう。

電気自動車が世界中を走り回るためには、発電を大幅に増やさなければなりません。給電体制も世界中に張り巡らさなければなりません。そこで大きなニーズが生まれます。放っておけば中国の安価で性能の良い電子部品がそうした設備にたくさん使われたでしょう。それは中国半導体メーカーや電子部品メーカーのさらなる成長の糧となります。だから、中国を市場から締め出す理由も欲しかった。国家安全上の問題を持ち出して中国の電子部品を締め出したのは、これから給電体制の整備で巨大市場が生まれることと関係があるのでしょう。
by ebisu (2021-12-11 09:02) 

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