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#1967 二度目のメルトダウン :野田総理大飯原発再稼動容認発言アリ June 10, 2012 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 前回の衆議院選挙の際には「増税なき財政再建」というマニュフェストを掲げていた政党の幹部だったはずだが、総理大臣になった途端に「消費税増税に命をかける」という真逆のことを声高に叫んでいる(一度目の政治的メルトダウン)。これでは総選挙の際のマニフェストはまったく意味がない。総理大臣の言うこと、することだからだれもそうとは言わぬが、私人がこういう行為をしたら世間ではペテン師と言われてしまう。野田氏は財政再建という妄執念の檻に自らを閉じ込めてしまったのだろう。
 総選挙のマニフェストと逆のことをするならその前に総選挙をやり直すべきだというのが筋論で、小学生にもわかる理屈。

 仕事のできない者はできもしないことを見栄を張ってか勘違いしてか、つい「できる」と言ってしまう。そしてマニフェストに書いた志が実現できずに反対のことをやってしまっている。二十数年間毎日続けたお陰で街頭演説がいくらうまくなってもこれでは困る。

 なぜこんなにも言葉が軽いのだろう、どうして信念が貫けなかったのだろう。
 学ぶべきは、権力を手にしたら人間はかくも簡単に変節してしまう弱いものということ。そして仕事のできぬものが大きな権限をもつとご本人の意図とは関わりなくペテン師に堕してしまうということ。権力は強力な妄執を生むもののようだ。弱さを抱えた人間はみなそれに食われてしまう。無残なことよ。
 
 さて、2度目の政治的メルトダウンがどういう内容のものなのかよくみてみよう。若い人たちには野田総理の言動を反面教師として学び、正直に誠実に仕事をして信念を貫ける人間になってもらいたい。

 野田佳彦総理大臣は8日首相官邸で記者会見して大飯原発再稼動を表明した。
 だが国会の事故調査委員会は事故原因についての最終報告書すらまだまとめていない。事故原因すらまだわかっていないし、ましてや適切な対策もあろうはずがない。
 原発事故は津波が原因ではなく、地震で原子炉下部にぶら下がっている無数のタコの足のような配管が壊れ制御不能になって爆発したといわれている。
 大飯原発近くに大きな活断層も見つかっているからいつ直下型の地震がおきるかも知れぬ。黒川委員長は野田総理の大飯原発再稼動容認発言に激怒して次のように話した

ぜひ国会から委託された独立した調査、その報告をしっかり見て、何も待たないで(再稼働を)やるのかなと。国家の信頼のメルトダウンが起こっているんじゃないのというのが私の感じです

 野田佳彦総理大臣は首相官邸での8日の記者会見で次のように語った。
 「国民生活を守るために再起動すべきだというのが私の判断だ
 国民生活を守るためだったら、事故調査も終わっておらず、安全確認もなされてないのだから原発を稼動しないというのが論理的帰結だろう。学力の低い中学生でもこのような支離滅裂なことを言うものはめったにいない。権力を握ると頭脳はまともな思考ができなくなるものなのか?

 たった一度の福島原発事故で福島県・宮城県・栃木県・群馬県・茨城県・千葉県・東京都・神奈川県・静岡県まで汚染された。大気の流れで根釧原野へふりそそいだ放射能は首都圏よりも多いというシミュレーションすらある。太平洋も広範囲に汚染した。いまも森林にふりそそいだ放射能が川を通じて太平洋へ流出し続けている。米国沿岸で取れた本マグロさえ6.7ベクレル/kgのセシウムが検出されている。
 紀伊半島付近や四国そして九州沿岸で生まれ房総半島沖に集まり福島沖を回遊して根室沖でとれるサンマの放射能汚染が懸念される。回遊経路からして米国沿岸で取れた本マグロの数倍から10倍程度の値が出る可能性がある。武田邦彦氏によれば食品としての許容限度は40ベクレル/kgである。生産者は水揚げされるサンマの放射能測定を毎日して、その値を公表すべきだろう。正直に誠実に仕事をすることが消費者の信頼を失わないための最善の策である。販売できないような値がでたら、東京電力に損害賠償請求の裁判を起こせばいい。仕事は先を見て周到に準備しておくことがだいじだ。

 事故以来1年3ヶ月が過ぎたが、陸も海も除染は事実上不可能である
 子孫への遺伝的な影響が強く懸念される状況が現出しているというのに、なぜ原発を稼動しようとするのか。稼動するごとに10万年も管理しなければならない放射性廃棄物が大量にでる。それらの高濃度放射性廃棄物をどこに保管するかも決まっていない。六ヶ所村の貯蔵施設はすでに満杯で新規の受け入れはできない状況だ。

 福井県もどうかしている。いままでに数千億円もの補助金を手にしている。濡れ手に粟で自分たちだけがいい思いをしたいみたいでみったくない。福井県知事殿、今ならまだ間に合う、福井県を福島県にはしたくないだろう。福井と福島、どちらも幸福の福がつく県だ。幸せの県のままでいてほしい。直下型地震でふたつ目の原発事故が大飯で起きたらあなたはどういう責任のとり方ができるのか?だれにも責任は取れはしない、福島原発事故でみたとおりだ。除染すらできないのが実情で、放射能管理区域レベルの汚染地となった町で被曝しながら住み続けるしか選択肢がないのだ。福井県民の皆さん、良識があるなら、あるいはふるさとを失いたくないなら、子供や孫が放射能汚染に怯えてくらさないようにしたいなら、原発補助金など充てにせずに再稼動にノーと言おう。いまならまだ間に合う。

 福島第一原発事故でばら撒かれた放射能でこどもたちの遺伝子が傷つけられ、その影響でその子達が結婚したときに放射能による奇形がたくさん出ることになるだろう。若年性の癌に苦しみ命を落とす者たちもたくさん出る。それは10年20年先だからすぐのことだ。チェルノブイリのある国ウクライナや隣のベラルーシュは国土全体が汚染されて遺伝的障害をもった人や奇形がたくさん出てしまっている。
 誰も責任は取れない、だからやってはいけないこと、原発再稼動はしてはならぬことなのだ

 補助金は福井県だけでも事故があったときの被害は近隣の県に及ぶ。たくさん補助金を受け取っていた双葉町の住民はその代償にふるさとを失った。取り返しがつかぬ。人間はお金に目がくらむとおろかな判断をしがちである。
 自分たちと子供や孫のために原発にノーと言う勇気をもちたい。お金(原発補助金)はいらないと言おう。


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もやしさんま

再稼働の衝撃、久々に動き始める時の衝撃でおかしな配管が破損して原発事故なんてことになったら関西も終わりですね。電力不足で熱中症で人が死んだらどうするのと言われて、でもそれってみんなの気配りや事前の対策で対応可能なのに、対応不可能な事態に渡すかも。人の命を人質にとってさらに大勢の人の命を危険にさらす意図がよくわからないなあ。この人たちは(総理とか)は一体何を守りたいのだろうか???一番暑いときは工場夏休みにすればいいだけなのに。。
by もやしさんま (2012-06-10 16:20) 

ebisu

もやしさんまさんへ

本当にわからない人たちですね。
>一番暑いときは工場夏休みにすればいいだけなのに。

そうですよね、それなら一時的なしかもわずかな損ですみます。
原発事故は取り返しがつきません。また誰にも責任がとれません。だから再稼動はやってはならぬことです。

権力を握るとやっていいこととやってはいけないことという一番基本的な判断ができなくなるようです。
"ならぬことはならぬのです"と国のトップが言えない。

電力不足なんて1年間もあったのだからいくらでも回避する方法があったでしょう。関電は供給サイドの火力発電所増設をほとんどやっていない。サボタージュして危機を作り出しています。
仕事を正直に誠実にやらない電力会社は社会に害をなすので、潰してしまうことも考えていいのではないかと思います。

東京電力も清算して送電と発電のみの別会社を立ち上げるほうがいいのではないかと思えてきました。
清算しないとさまざまな子会社・関係会社への東電役員の「天下り」を防げないようですね。給与水準も3割はカットしていい。管理職はもっと減額すべき。除染やさまざまな補償を考えれば何度も東京電力がつぶれるくらいの債務額が想定できます。
いくら言ったって聞きやしないですから、会社清算という実力行使しかないのでしょう。
by ebisu (2012-06-10 16:49) 

通行人

「増税には命を賭ける!」とわめく日本の馬鹿総理でも、さすがに原発再稼働には命を賭けるとは言わない。いや、言えないのだろう。何故なら、そんなことを言ってしまえば直ぐに国民の手前自ら命を絶って詫びねばならないことを知っているからか。
言い換えれば、本音は「原発は危険だ。日本はもう終わりだ! どうせ終わりならどんどん原発のエネルギーでリッチな経済活動をして贅沢三昧の内に全員で滅びよう。」

頭の悪い人間が誰かに唆されて間違いを正しいと思い込んだ時ほど、その頑迷さが始末に負えないことは無い。
by 通行人 (2012-06-10 17:20) 

Hirosuke

だから馬鹿が権力を持つ!

【いかづち】、それは怒りの鉄槌。
by Hirosuke (2012-06-10 17:59) 

NO NAME

そうそう、以前パチンコ屋が一番多いのは福井県だと聞いたことが有ります。莫大な原発マネーが流れ込み、それを狙ったパチンコ業界が禿鷹のように飛来しているとか。

かなり古いアメリカ映画に「STAND」と言うちょっと変わった映画があります。筋は、ある時細菌兵器を開発しているような研究所から致死性のウイルスが漏れ、そのためにあっと言う間に人々が死んで行くのですが、ごく一部の選ばれた人間だけが生き残り人類再生に立ち上がります。そのリーダーはゲーリー・シニーズなんですが、彼らの行く手には時々悪魔が変身したカラスが飛来します。実はその悪魔に誘導されるもう一つの生き残りグループもあります。その中の一人は熱に浮かされたように途中で拾った”原爆”を引き摺りながら”約束の地”=ラスヴェガスを目指します。つまり悪い(快楽的な)人間は次々にラスヴェガスに集結。そこで以前と変わらない退廃の生活を送っています。そこへ彼らを説得すべく主人公側のグループから何人かが選ばれラスベガスに徒歩で向かいます。その映像は正にアメリカ的で、広大な砂漠に真っ直ぐに伸びるハイウエイをジーンズの若者が歩いて行く・・・まるで某ジーンズメーカーのCMさながらです。そして彼らがラスヴェガスに着いた時、例の遠方から運んで来られた原爆の周りに多くのラスヴェガス市民(?)が大はしゃぎ。しかし突如”神の手”が空から現れ原爆に触れ、次の画面では遥か彼方のラスヴェガス上空に原爆雲が立ち上る・・・。

この映画を最初に見た時にはあまり深くは考えず「単なるアウトブレイク的なSFかな」程度でした。しかし最近は「うーん・・・」と妙に合点が行きます。

またこれも忘れておりましたが、黒沢明のオムニバス映画「夢」にも原発事故で人々が滅んで行く場面があるんですね。

「STAND]と言い「夢」と言い、それが単なる映画のストーリーだと笑って済めば良いのですが・・・。

TZprY7
by NO NAME (2012-06-10 18:03) 

ebisu

盛り上がっていますね。
それぞれのコメントを楽しく読ませてもらっています。
どうもありがとうございます。

by ebisu (2012-06-10 20:20) 

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