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#1703 ブカツは高校メイン(6):小中学校はスキルを Oct. 30, 2011 [73.ブカツ]

 Tさんのブカツ指導論の6回目である。わたしはこれを読んで複数のブカツをやり視野を広げることも大事なことだと思った。得るものが異なるし、異分野への応用が利く、そうした実例を彼の体験を語ることで教えてくれているようにも読める。
 主たる論点は、小中学校でスキル中心のトレーニングをさせ、過度なトレーニングをやってはいけないということ、ブカツを指導している先生たちにお読みいただきたい。

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 どうやら、釧路地域における基礎学力不足問題は、小中学校期における福祉問題の他に、基礎学力を養成する機会の課題、そしてもうひとつ、過剰な運動部活動も原因となっているようです。
 福祉問題と基礎学力養成機会については門外漢なので、過剰な運動部活動をいくぶんでも低減する提言を試みます。
 要するに、小中学校期におけるトレーニングの方法についての知見です。
 私の運動歴は、小中学生のときに柔道、高校生のときに器械体操、大学生のときにハンドボールとフルコンタクト空手、社会人になってから空手を続けると同時に、数年前に、柔道少年団の指導を手伝ったときに嘘を教えてはいけないと集中的に研究した柔道、1年ちょっとの期間で総合格闘技、また大学生以降は空手の役に立てようと、ウエイトトレーニングと、一般啓発書レベルでのトレーニング理論の研究、ああそれから、一時期空手に役立てようと、2年間近く集中的にエアロビクスとジャズダンス、数ヶ月ほどはクラシックバレエ……となっています。剣道と杖道もほんのさわりだけやったことはありますが、これは語れません。
 なお、武道論については三一書房の『武道の理論』シリーズに触発され、唯物弁証法をもちいた理論構築と検証に少しはまりました。

 全般的な傾向として、個人競技が多いのですが、ハンドボール部(大学)のときは、北海道二部チームで優勝し、一部に上がった時の右サイドをやっていました。球技はそれほど飛び抜けた力はありません。まあ平均的な選手だったかと思います。ちなみに空手をやりながらハンドボールをやったのは、極真空手部が大学になく(後で自分で作りました)、支部道場でやっていましたが、走り込みの必要を感じたので、ハンドボールをやってれば走れるだろうという、結構適当な発想からです。実際、嫌というほど走れました。
 高校時代に器械体操部にいて、後輩の指導に当たった経験が、スポーツ指導のためには非常に役立ちました。たとえば野球だったら、ボールを投げたり、バットを振ったりは、どんなに運動神経が悪いひとでも「形としてはできる」わけですが、器械体操はたとえば「後転跳び」を教えたら、できるできないの境目が極めてはっきりしていて、いくらやっても「形としてもできない」場合があったため、極めて的確な指導能力が必要とされるのです。このときの経験が後に、大学生で空手の上級者になって道場で指導したとき、目の前の40人くらいの道場生の動きを、割と短時間に把握して、ひとりひとりの形の崩れとその原因を理解し、直す、という能力に役立ちました。(下手な指導者は、形の崩れしか注意しませんが、なぜ形が崩れているのかを含めて指摘し指導するのが大切なのです)

 とまあ、若干の経験があることから、その範囲の中で小中学校の過剰な運動部活動をいくぶんでも低減する提言を試みます。
 まずこの稿では、ひとつだけ申し上げます
疲れたら技を覚えられない
 という真理です。

 未熟な指導者、或いは古いやり方を繰り返すだけの指導者、最新のトレーニング法の吸収を怠っている指導者に多く見られる欠点は、「技術」「体力」「精神力」「戦術」などのどれを鍛えているのかの意識がないまま、単にダッシュさせたり、単に模擬試合(スパーリング、乱取)させたりすることです。
 これらの中で、もしも小中学生にそのスポーツを生涯やってもらいたいと思うのなら、技術を優先的に教えるべきです
 技術、いわゆるスキルトレーニングについては、立ち方から入って歩き方、構え方。スポーツの種類によらず、これらの基本(=合理的な形と体の使い方)を身につけさせるところからすべてが始まります。土台の形が崩れないようになったら、上体の動きをつけていきます。(別稿で詳述しますが、「技の崩れ」はスキルトレーニングにとって重大な課題です。これに対する解決策をもっていなければ、ひとさまを指導することはできません。)
 このときに注意しなければならないのは、十分に身に付いていないスキルを訓練しているときに、息が切れるような状況に選手を追い込まないということです。

 「魔術師」「知将」と呼ばれたプロ野球の名監督三原修氏は、二流の選手の長所を引き出して成果を上げていました。選手にハードトレーニングを強いないその指導法に疑問を感じたある人が尋ねました。
なぜ、選手をしごかないのですか
 そのとき三原監督は、
疲れていては、技を覚えられませんから
 と答えたそうです。
 技を覚える段階と、技をどういう状況でも使えるように磨き上げる段階では、指導法は違うのです

                             つづく

 

参照

部活は高校メイン

部活は高校メイン_本質は何か

部活は高校メイン_厳しい練習とは

部活は高校メイン_小中学校はスキルを

部活は高校メイン_まず準備運動

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)ストレッチのこつ(オリジナル技術有り)

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)の補足_クールダウン

部活は高校メイン_勝利のためには

部活は高校メイン_理想の運動部

 

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 基本の型が大切なことはビリヤードでも同じ。だから、構えを見ただけでその人が身につけているスキルのレベルのおおよそは検討がつく。武道は言うに及ばない。


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