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#1702 ブカツは高校メイン(5):まず準備運動 Oct. 30, 2011  [73.ブカツ]

 Tさんのブカツ指導論5回目である。準備運動を心拍数を上げることと筋肉や靭帯の可動域を広げるという二つの目的にわけて分類しているところがユニークである。たしかに、これらは排反しているから、両方を同時には出来ない。つねに地頭で考え、試して確認するところがTさんらしいところだ。

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 部活の指導をしていらっしゃる指導者や父母の皆さんにとっては「よけいなお世話」になるかも知れませんが、いちおう世間の常識的な線での、準備運動について提言します。
 というのも、スポーツ障害の原因として「不十分な準備運動」が意外と多いからです。
 「馬鹿にするんじゃない。準備運動なら、たっぷり汗をかくほどやっている」
 という指導者や父母が多いと思いますが、ま、それが間違い。

 運動の性格によって、準備運動の深さは異なりますが、共通項は
①心臓を一定の拍動域まで高める(汗をかく準備運動)
②主たる関節を、運動種目の範囲を少し超えた稼働域まで曲げ、伸ばす(いわゆるストレッチ)
 のふたつです。

 それで、私が見てきた範囲では特に、球技系の運動部と柔道部は、①はいいとこいっていますが、②がほぼ壊滅状態。
 ちなみに、私が所属していた大学のハンドボール部の練習メニューをご紹介します。

 1 キャッチボール(軽く投げ、徐々に強く、遠くに投げる)
 2 ランニング
 3 ダッシュ(体育館の長辺をダッシュし、短辺を流す)
 4 手足の体操(ラジオ体操より軽め)
 5 柔軟体操(とは言っても、反動をつけて、痛いところに近い部分でやめる)
 6 並行走でのパス
 7 三角パス
 8 ダッシュアンドシュート
 9 3対2でのフォーメーション
10 5対5でのフォーメーション
11 キーパーノック
12 基礎体力づくり
13 整理体操

 うろ覚えですが、ざっとこんな感じでした。
 ここで、1~3は、①のアップ法です。4と5がおざなりでみんなすませていたので稼働域は、ぜんぜん広がっていません。つまり②についてはやっていないも同然。
 するとどうなるか。
 足首、膝、腰、などが、故障しやすくなります。(1によって肘と肩の準備運動には多少なっているので、肘と肩は多少、まし)
 ストレッチは、たとえば予期しない動きで足首が曲がったり、腰に重圧がかかったり、膝の靱帯が大きく伸びたりしたときに、怪我を防ぐ可能性を増大させるための、予防策です。この予防策については、どんなに汗をかく準備体操をしても、ストレッチの代わりにはなりません。
 そしてこのストレッチの深度は、球技選手は一般的に、ひどく浅い。(実は柔道選手も浅くて、故障者が結構続出していますが)
 ストレッチ方法も、「いっち、にい、さん、し」とばかり、反動をつける例が多いようですが、これは絶対禁止です。靱帯を痛める可能性がある。
 ストレッチは「ゆっくり、深く、時間をかけて」が定石です。ものの3分くらいで終わるのはだめ。少なくとも15分くらいかけるべきです。
 それも、足首、膝、股関節、腰、肩、肘、手首、首と、たっぷりやります。
 私自身は空手の稽古の前のストレッチを最低15分、できれば30分くらいやっています。ジャズダンスとエアロビの手法を取り入れています。自分では空手用のストレッチ方法としは、ほぼ完成の域だと思っていますが、こういうのは競技ごとに若干異なるのと、言葉で説明するのが難しいのでここでは説明しません。
 市販のテキストを参考にしながら、競技独特の動きを想定してそれをアレンジし、いいものを作ってみてください。
 なお、次のような考えは禁止です。
「子どもは大人より体が柔らかいから、そんなにがっちりストレッチしなくてもいい」
 子どもでも固い子はいますし、柔らかく見えても、全部の靱帯が柔らかいわけでもないので、やはり一通り稼働域を広げる必要があります。
 一方、体操やダンスなどでは②はいいのですが、①をあんまりやらない。
 バレエのバーレッスンでは、私も何度か体験しましたが、空手の稽古のストレッチなんか子どもの遊びだと思い知らされるほど、不自然に体を伸ばし、絶叫をかろうじてこらえて、やっと開放されたら、こんどはスプリットジャンプで道場……じゃなくてスタジオを飛び跳ねたりします。「おいおい、いきなりそんなに動いたら、体が温まっていないのに、危ないじゃないか」と思ったものです。
 準備体操は時間の無駄、と思っている指導者や父母がいたら、ただちに認識を改めねばなりません。

参照

部活は高校メイン

部活は高校メイン_本質は何か

部活は高校メイン_厳しい練習とは

部活は高校メイン_小中学校はスキルを

部活は高校メイン_まず準備運動

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)ストレッチのこつ(オリジナル技術有り)

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)の補足_クールダウン

部活は高校メイン_勝利のためには

部活は高校メイン_理想の運動部


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