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#1701 呼吸とこころ Oct. 30, 2011 [73.ブカツ]

  「#1699 ブカツは高校メイン(4):ストレッチのコツ Oct. 27, 2011 」のコメント欄で私は呼吸とこころの関係に言及したところ、旧友のEさんから面白いメールをもらったので紹介したい。私のコメントを再掲した後でEさんのメールの関連部分を紹介する。

http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
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大事なことを忘れていました。
ストレッチをしながら呼吸のコントロールをすると、こころがとってもリラックスするんです。
座禅をしながら呼吸に意識を集中するとこころが穏やかになります。
なんの根拠もありませんが、たぶんこころと呼吸はどこかでつながっています。ストレッチは呼吸のコントロールを通じて身体とこころの緊張をほごしてしまう効果があるのだろうと思います。

何かで腹が立ったときには呼吸が荒く浅くなっていますが、そういうときは呼吸をゆっくり長くすることで心の中にともった怒りの火を消すことが出来ます。

穏やかなこころは穏やかな呼吸と共にあるようです。
こころはこころでコントロールできませんが、呼吸でかなりコントロールできるようです。
5年4ヶ月前にスキルス胃癌の手術をするために入院したときベッドの上や廊下の隅でストレッチを繰り返していました。やっているときは頭の中が空っぽでした。死の怖さは消えていました。手術まで約一月、穏やかなこころを維持できました。

イチローは打つ瞬間にボールがはっきり見えているのでしょうね、そうでなければ守備のいないところを狙ってボールを飛ばすなんて芸当が出来るわけがありませんね。どこへでも狙ったところへ打ち分けるには筋肉の可動域が広くなければ不可能ですね。センスのよさも必要です。類稀な動体視力+柔軟性、両方をもっている、本当にすごい人です。
by ebisu (2011-10-28 00:02) 

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 根室の高校生がギリシア語やラテン語の原義に言及した解説を目にする機会はなかなかないだろうから、Eさんの解説を楽しんでもらいたい。
 若い人たちの学問への興味をかきたてる一助になれば我々団塊世代にとってこれにすぎる喜びはない。
(西洋哲学を学ぶ場合はこういう言葉の原義知識を抜きには無理があるように思える)

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 最近のブログに「こころと呼吸はどこかでつながっている云々」とありましたが、御参考までに、古代ギリシア語の話をひとつ。
 ギリシア語の「こころ」をラテン語表記にすると psyche となります。psychology やpsychoanalysis、さらには我々が若い頃にはやったpsychederic 等もこの psyche の派生語です。
 ところで Oxford で出している Greek-English Lexicon で psyche をひいてみると最初に出てくる訳語は breath となっています。その後に ラテン語でいう anima, esp. as the sign of life, life, spirit, 次の分類として the soul or the spirit of man, heart 等々と続きます。古代ギリシア人も<こころ=呼吸>と考えていたようですね。
 昔、読んだ説によると、ギリシア人は人間が死んだとき魂はどうなるかと考えて生前と死後の人体の違いを調べたところ、わずかながらも体重が減っていたのを発見し、呼吸が停止して肺から呼気が抜けて死んだときに魂もいっしょに消えてしまったのだ、と考えたとありました。分ったような分らないような話ですが、それでも数千年も時を隔てた人間の息吹に触れることができたようで、じつに爽快な気分になったことを覚えています。
 ストレッチを通じて<こころと呼吸は通じている>と感じるのとは多少、様相が違うようですが、それでも呼吸とこころの通有性を実感できるという点では、ずいぶんと興味深い話ですね。


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 自分の身体の反応に耳を傾けてストレッチを楽しめば、こころと身体そして呼吸の関連などいろんなことに気づかされる。真向法やヨーガや太極拳もそうした「仲間」だろう。呼吸とこころの関係については、気がついてから81年頃にこの本にめぐり合った。
  『大安般守意経に学ぶ 釈尊の呼吸法』村木弘昌著

 お釈迦様もこころと呼吸の関係に気づいておられたと知ってうれしかった。こころの問題を抱えている方や呼吸や瞑想に興味のある人は一度読んでおいていい本だろうと思う。
(この本の全部を理解する必要はない。自分の身体の声を聞きながらやってみればわかることがたくさん見つかる。たとえば、
"真の呼吸法とは入息を先とせず、出る息をしぼり出すことにある。出しきれば、おのずから同量の息が入息となって現れる"p.282
 呼吸法はヨーガの本やDVDで実習してみるのもいいし、真向法でもいい。それらを試してからこの本を読むとなるほどと思うところが増えるだろう。世の中に修業という体験を伴わないと理解できないことはたくさんある。)

著者とタイトルは一緒だが、表紙のデザインは変わっている。版を改めたのかどうかはわからないが、私のもっている本の奥付には「1979年3月31日第一刷発行 1981年12月16日第六刷発行」となっている。

釈尊の呼吸法―大安般守意経に学ぶ

釈尊の呼吸法―大安般守意経に学ぶ

  • 作者: 村木 弘昌
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 単行本

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