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#1434 原発事故テレビ報道についての基礎的疑問 Mar. 20, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 テレビで専門家が「ただちに健康被害が出るものではない」と口をそろえているが本当だろうか?ハンドルネーム"もやしさんま"さんがこのことについてコメントを寄せてくれていた。

 こういう事象に出くわしたら、自分で計算して確認すべきだろう。簡単な四則演算でいいのだから中学生でも内容を理解して計算できる。私もそうしてみよう。

 先ず測定値がどうなっているかであるが。文部科学省は15日に福島原発から20km付近で車で放射線を計測した結果、330μSvを検出している。
 同じく19日の測定結果は次のようになっている。

 「車で移動しながら実施した放射線量計測では、福島第一原発から約30キロ離れた同県浪江町の北西部で19日午前10時20分、毎時136マイクロシーベルトが測定された。・・・この地点は18日も150マイクロシーベルトが測定された。」

*http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY201103190452.html

 一般人の放射線被曝量の限界値は1mSvであるから、仮に150μSv/hとすると7時間その場にいれば、限界値を超えてしまう。
 地震後すでに8日たっているから、30kmの境界付近の住民はおおよそ次の線量を被曝していることになる。
 150μSv*8days*24hours=28.8mSv

 限界値の29倍もの放射線量である。ただちに健康に影響が出るものではないにしても、影響がないわけがあるまい。限界値の29倍なのだから。測定値はないが50キロ圏内でも一週間いるのは嫌だ。100人単位でサンプリングをして被曝量を確認すべきだ。それには被曝放射線測定用にフィルムバッチを配布しなければならない。津波の高さもだが、いろいろなデータをきちんと収集しあとでなされる研究のために保存すべきだ。

 わたしは国内最大手の検査センターに勤務していたことがある。RI(ラジオアイソトープ)検査の管理区域で仕事をする人たちは被曝放射線量を測定するフィルムバッチをつけていた。これで被ばく線量を管理するのである。
 検査で標識に使うのはヨードであり、半減期は8日間である。これもテレビで「専門家」が言っていたが、「一ヶ月で1/16になるから心配いらない」と。ヨードは同位体があって、もう片方は半減期が1570万年である。
 核反応生成物はヨードだけではない。セシウムも検出されている。セシウムの半減期は30年である。そのほかどのような核反応生成物があるのか私は知らない。「専門家」は一番半減期の短いヨードだけを採り上げ、セシウムには言及しなかった。四分の一に減少するのに60年かかる。

 放射線検知器で身体を撫で回していたが、あれは衣服に放射性物質が付着していれば反応するが、身体を通り抜けて遺伝子を障害してしまったγ線を検出するものではない。不可能なのである。だから、フィルムバッチをつけて被曝量を測定するのだ。
 だから、地域住民の被曝量を測定するためには大量の放射線測定用フィルムバッチの手配をしなければならない。経済産業大臣の海江田氏は手配を命令しただろうか?

 チェルノブイリで問題になったのは体内被曝である。「ただちに健康に影響がある被曝」ではない。いまもたくさんの子供たちが癌を発症している。体内に取り込まれた放射能が微量の放射線をだして遺伝子を傷害するのである。

 わたしは、原発周辺で取れた農産物を口にしたくない。

 「専門家」は一部の事実のみを取捨選択して、不都合な真実を覆い隠すのではなく、正直に話すべきだ。
 一人きちんとしたことを言っている人がいた。ZAPPERさんのブログに載っていた。

*「安全」への強い違和感(福島原発事故)
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51765230.html

*武田邦彦(中部大学)
 このブログの「原発 緊急情報」の10から15をお読みいただきたい。
http://takedanet.com/

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