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#1284 財源不足7億円 Nov. 20, 2010 [26. 地域医療・経済・財政]

 テンポが速い。病院事業の赤字拡大が一般会計を圧迫しているが、その度合いが予算編成作業ができなくなるほど大きくなった。
 11月19日の北海道新聞根室地域版より転載。

  財源不足3億円超
   
根室市来年度予算編成要綱

【根室】市の2010年度予算編成にかかわる部課長会議が18日開かれ、長谷川俊輔市長が予算編成要綱を示した。市財政の厳しさを反映し、現時点で3億5400万円の財源が見込まれる。
 一般会計を中心とする普通会計の歳入見込みは155億9300万円で、歳出見込み159億4700万円のほうが多い。
 原因は、国勢調査の人口減で地方交付税の減額が予想されること、05年度に低利率に借り換えた市債45億円の償還が本格的に始まるため。また、市立根室病院事業会計の赤字を埋める繰り出しを11億3600万円予定している。
 来年度の財源不足は以前から予想されていたため、市は積み立ててきた約17億円の基金を取り崩す方針。長谷川市長は部課長に、現在策定中の市産業活性化プランなど、三つのプランに基いて「マイナス思考から発想の転換を図り、課題に大胆に挑戦して欲しい」と指示した。(幸坂浩)

< コメント >
 以前財務課で人口が3万人を切ったら交付税に大きな影響があるのではないかと質問したことがある。その折の答えは減少したぶんだけ人口割で翌年交付税が減額されるので、3万人を切ったからと言ってとくに大きな変動はないという説明を受けた。だから、「国勢調査があったので地方交付税の減額が予想される」というのは理解できない言訳である。このところ年間400人を超える人口減が続いているのでそれほど減額に変わりはないはずだ。

 市債の借り換え45億円は金利を停電することを目的として国から大地みらい信金へ借り換えたぶんだろう。これも借り換えたときから返済計画があったからいまさら市財政悪化の言訳にするのはおかしい。分かっていたことだから。
 夕張市の破綻でも金融機関からの借金は国と道が全部補償したから大地みらい信金にとって根室市は安全・安心な融資先だ。こういう構図が「オール根室」だ。オール根室とは地元経済界と市政の「密着」のこと、それぞれの業界が市政と密接な関係にあり、一般市民の利益がないがしろにされる図だ。

 来年度の市立根室病院事業会計は11.36億円の繰り出し予算が組まれるようだ。本年度の当初予算8億円よりはましだが、とてもこのような金額ではすまない。例年通りの過小予算だ。赤字は拡大し続けている。
 このままでは来年4月までに常勤医師が6人減り10人になってしまうから、医師確保ができなければ15~16億円に実質赤字額が拡大するだろう。確保できても赤字額が減らないことは昨年度と今年の前半で実証済みである。それゆえ、現実的な財源不足額は3.5億円ではなくて7~8億円だろう。再来年度には財政調整資金が底をつきそうな勢いである。
 その一方で病院事業の経営改善は長谷川市政になっても一向に進まない、進まないどころか過去4年間実質赤字は拡大し続けている。なぜこんなことが起きるのだろう。この人に市政を委ねていたら今後4年間も赤字が拡大し続けるのではないだろうかという不安が市民にはある。能力のないものが市政のトップに居座ればその下で働くものも能力のない者が自然に集まる。類は友を呼ぶからだ。病院事業の経営改善などH市長にも、事務長にもH院長にもやれるわけもない。病院の基本設計を見るがいい、経営改善視点などどこにもない。代表例は32の外来診察ブース、愚かな基本設計である。

 一般会計予算のうち「投資的経費」予算はわずかに20億円。病院事業の経営改善をしなければ一般会計予算はますます厳しくなり、職員給与に手をつけざるをえなくなる。年額7億円の財源を補填するためには職員給与を何パーセント削減すればいいのだろう。財務課は最悪のケースをシミュレーションして結果を市議会へ報告、警鐘を鳴らすべきだろう

 いまからでも遅くはない、病院の基本仕様を見直すべきだ。32のブースの数、建築面積の削減、システム投資の見直し、療養病棟の新設などいくらでも改善点はみつかる。
  気骨のある市議や部課長が根室に現れて欲しい。このままでは病院経営は破綻、市財政へも甚大な影響が出るから、被害を最小限にするために智慧を絞ってもらいたい。

  病院の経営改善は市役所職員も市議も誰もやったことがないだろう。経験のないことをやるには、オーソドックスに考えてみることだ。それには経営の専門書ぐらいは目を通さねばならぬ。もちろん対象業務となっている医療についても業務レベルでの専門知識がある程度要求されるだろう。それが経営改革の常識である。
 結局、基礎学力の高さが問われるのだ。根室も子供たちの学力は残念ながら全国最低レベルであることが全国一斉学力テストの結果が証明している。大人たちも多くは数十年前には根室の小中学生だった。根室を支える人材の基礎学力は大丈夫か?
 自力で学習することも大事だ、しかし知らないことは知っている人の意見を聞くという謙虚な姿勢も大事なことかもしれないぞ。知識も経験もないことについては知識も経験もある根室在住の専門家の意見に耳を傾けてみる、そういう姿勢も大事だ。「市民との協働」とは本来そういうことではないのか。


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