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#1204 過剰医療と過剰財政支出 Sep.14, 2010 [A4. 経済学ノート]

 たとえば、エンゲル係数が15%だとしよう。食べるためだけならそれで間に合う。生存のみを考えた場合には、収入の85%は過剰ということになる。現実には住む場所も衣服もいるから15%では間に合わないが、50%あればおおむね生存には影響のない範囲となるだろう。少なめにみても、収入の50%は過剰である。
 馬場宏ニ氏の過剰富裕化論は、人類が生存できないほどに地球環境を破壊するレベルに生産力が到達してしまったことをいう。経済成長=人類滅亡か生活水準の切り下げ=人類生存かの二者択一を迫るものであった。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の商人の道徳からみれば、地球環境=世間だろう。世間が壊れてしまうのでは生産力の野放図な発展は停止するしかない。

【過剰医療≠三方よし】
 さて、医療において「過剰医療」ということが巷に言われることがある。北海道新聞9月12日11面に前沢政次(北大名誉教授)が書評を書いているが、その中に次のような過剰医療の説明がある。

「過剰医療とは、医師が純粋に患者のための医学的判断に基づいて診断・治療をしているわけではなく、病院や診療書の収支を考えて、検査を増やしたり、高価な薬を使ったりすることを意味している。また、研究目的で対象症例を増やすために新しい検査や薬を必要のない患者に強制することも少なくない。病院の収支増や研究成果を生むために高齢者が犠牲になる例もある。」

 医療における過剰とは「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の商道徳から切ってみると、売り手のみがよくて、患者や社会保険の支払基金側から見れば、ちっともよろしくないという状態である。

【財政支出の過剰≠三方よし】
 民主党代表選挙たけなわであるが、菅氏も小沢氏もずいぶんなバラマキを約束している。小沢氏は600兆円ある国有財産の数分の一を証券化して財源に充てるという。私には過剰財政支出に見える。税収36兆円の範囲内での財政支出が適正であり、それを越える部分は過剰財政支出というしかない。臨時、1年限りならそれもいいだろうが、恒常的にやり続けた結果が1000兆円に迫る国債と政府保証債務残高である。
 さて、この過剰支出は「売り手」の政府与党と「買い手」の一部国民には歓迎されているが、「世間よし」とはいかないようだ。積みあがった借金をいったいどのように処理するのかまったくプランが見えてこない。
 いずれどこかでどうかなるだろう。このままではすむ筈がないと多くの国民が気づき始めている。

  過剰ということがあったら、その過剰を「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」という観点から眺めてみればいい。それが善なら、世間よしとなっているはずだ。そうなっていなければその過剰はダメ、阻止すべきもの、取り除くべきものだ。

【政治屋の過剰:民主党代表選挙】
 こまった民主党代表選だ。人は二人だが、選択肢は国家財政破綻の一つしかない。国民も民主党員も選ぶことができない。どちらを選んでも国家財政破綻への道をひた走ることになる。
 あれだけ国民が政権交代を望んだのだが、その結果がこんなひどいことになるとは、予想だにできなかったと言いたいが、30代でしっかりした仕事をしたことのない者たちが主要幹部を占めていたから、こうなることは端から決まっていた。
 もう政治屋が政治をやっている余裕はないのである。仕事のできる者たちが集まって、なすべき仕事をやらねばならない時代になっている。温暖化をみても然り、地球環境破壊を見ても然り、国家財政を見ても地方財政を見ても然り、である。大きな時代の転換点にわたしたちは立っているのだ。

  今日14日午後3時頃に民主党代表選挙の結果が判明するという。一つの権力闘争が終わり、次の権力闘争が始まる。いいのは売り手と濡れ手に粟と喜んでいる一部の買い手のみ。すぐにツケは回ってくるのに・・・、世間(財政・経済)は破綻へ加速度を増す。一切のブレーキが外れる、あとはまっしぐらだ。
 

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