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#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 5月23日に根室市植樹祭が新聞のニュースに載った。本田議員が参加してブログに写真とコメントを載せている。
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/05/post-b518.html

 場所は東和田である、東和田も結構だが、植樹の場所を換えて牧ノ内水源地を300メートルの森林帯で囲みたい。水質が改善されて、いまよりは水がおいしくなる。

 根室の水はマズイ。別海に比べても、東京に比べてすらマズイ。おまけに立米当たりの値段は東京の2倍である。人口が少ないし小川しかないから、値段相応は無理としても、もう少しおいしい水が飲みたい、そう思う。

 根室の水は牧草地や原野に降った水が溜まったものだ。地下を長い距離通っていないからミネラル分が極端に少ないのではないだろうか。有機物が多く、ミネラルの不足した水は根室人の健康になんらかの影響を及ぼしているのかも知れぬ。もちろんそのことに関して学術的な研究があるわけではないから、そんなことは私の妄想だと人は笑うだろう。

 気になることは他にもある。牧草地に家畜の糞尿をまけば水源地への影響ゼロということがあるだろうか?これも100mも流れれば影響はほとんどゼロだろう。単に気分の問題やもしれぬ。
 ミネラル分が少ないのとは反対に、原野や牧草地から直接流れ込むから有機物の含有量が多いのではないだろうか。もちろんろ過はしているからほとんどは取り除かれて入るだろうが、川の水や地下水よりは有機物の含有量がかなり多いだろう。

 水源地を300メートルほどの森林帯で取り囲めば、溜まり水ではあっても水質はいまよりずっとよくなるのではないか。植樹をするなら水源地の周りを優先すべきではないだろうか。水源地の回りの土地はすべて市有地としたい。ミズナラなどの広葉樹林帯で囲めば落ち葉が風で貯水池に飛んで有機物は減らないという反論もあるかも知れぬ。しかし、それでもやってみたい。300mの根室本来の樹種で囲まれた森林帯は美しいはずだ。水源と美しい樹林、それだけでもやってみる価値はあるだろう。

 何年か前の夏、少雨で牧ノ内ダムの水が足りなくなり、給水制限したことがあった。水産加工場はお手上げだっただろう。森林の保水能力は原野や牧草地よりは高いから、水源地に「自然のダム」を造ることにもなる。水産加工は根室の主要産業であるから、水供給の「安全保障」も根室市の基幹産業にとっては重要事項の一つに数えていいだろう。
 

 宮脇昭という人がいる。NHKテレビでも特集されて10回ほどもシリーズで取り上げられたからご存知の方が多いだろう。「その生態系本来の樹種」を植樹すべきだと、すでの3000万本の植樹を実際にしている。ドイツ国立植生図研究所で潜在自然植生理論を学んだ人だ。

 ドングリを拾い集めてビニールポットで苗を育てる。苗が育ったところで植樹する。ドングリを集めるところから苗を育て、植樹するところまでシステム化されている。何冊かの著書で説明しているので、その著書を挙げておきたい。

 水源地の周りを300mの森林帯で取り囲む運動に興味のある人は宮脇昭先生の本を読もう、そして手をつなごう。
 30年後に根室の水源地が幅300mの森林帯で囲まれ、鳥や虫の鳴く声を聞きながらその中を市民が散策して水源の大切さを実感することができる。
 いま東和田で植樹している予算を振り向けるだけで実現できる。趣旨に賛同できる市議は動いてほしい。30年後の根室の水道水をおいしくするために・・・

 わたしも宮脇先生の著書を読んで勉強したい、30年後のわがふるさとのために。読む都度、このテーマの続編を書くつもりだ。

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08
 
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コメント 4

クラブナビ

たぶん根室の水は海風の影響でナトリウムが多いのではないかと思います.おまけに硬水かもしれません.お茶の出が悪いからです.ナトリウムの多い水は塩っぱいというか,口当たりにトゲがあります.
カルシウムが多いと甘く感じて,マグネシウムが多いと旨みが感じられます.

これまで飲んだ水では熊本が特に美味しい.
水もこんなに味が違うものかと感心するほどです.

水が美味しい国は,料理も酒もおいしいですね.



by クラブナビ (2010-05-27 22:50) 

ebisu

海風や海霧のせいでナトリウムが多いという意見は肯けます。そうだとしたら、根室人は林檎を食べてカリウムを摂取し、ナトリウムを体外に排出すべきですね。
根室の水と魚には青森や余市の林檎が似合う。

カルシウムはほとんど含まれていないでしょうね。おいしくないはずだ。熊本には阿蘇山がある、大雪山系を控えた旭川の水事情が熊本に似ているのかもしれませんね。

別海の水が地下水らしいので、カルシウムをやマグネシウムなどのミネラルをたくさん含んでいるのでしょう。
摩周の水が農業用水として落石の浜松地区まできています。あの水もいい。

昔ヒシサンのところにあった造り酒屋「色媛」が成央小学校付近から引いていた湧き水がおいしかった。近所のおばあさんがあの水で煎茶を大事そうに飲んでいました。
by ebisu (2010-05-28 13:18) 

クラブナビ

いやー多いと言っても排出が必要な量ではないですよ.

それよりも,盛っ切りでナトリウム(塩)を舐めながらの一杯がおいしい
今では色媛が飲めなくて残念です
by クラブナビ (2010-05-28 15:26) 

ebisu

海の水がジャブジャブ貯水池に流れ込むわけではないから、霧で運ばれるくらいならごく微量ですか。
ミルクや牛や羊の肉が幾分おいしくなる程度かな?

色姫は色媛と書いたか、どちらだったかな?「いろひめ」は間違いないのですが・・・
北の勝が辛口の男酒に対して「いろひめ」は甘口のお酒だったと記憶します。それぞれにファンがいたようです。北の勝はいまでも地元の人気者です。
by ebisu (2010-05-28 22:13) 

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