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中2学力テスト結果(2)「大学進学が危ない」 #902 Feb.11, 2010 [64. 教育問題]

  昨日生徒がもってきた学力テストデータを見た。市街化地域の中学校のうち一番東に位置する学校の平均点は239点で、前回11月よりも30点アップしていた。国語と社会が各々10点ほど上がっていた。問題がやさしかったのだろうか?いいやそうではないと思う。学校は前年度の学力テスト問題を生徒に配布してやらせていたからだ。他にも練習用プリントを積極的に配布する先生が増えている。
 やる気のある生徒は過去問に取り組むことで、知識の整理ができて点数が上げられただろう。そうした対応だけでも平均点があげれれるのだから、成績下位の生徒に適切な補習をして底上げすれば、さらに5科目合計平均を50点くらいは上げられるだろう。
 11月の学力テストで零点あるいは一桁の得点の者が入塾して、2学期期末テストで80点以上とった例が過去に4人ある。やる気を起こすことのできた生徒の成長はまことに目を見張るものがある。そういう生徒を見たかったら、中学校の先生も生徒の潜在的な力を信じて放課後毎日徹底して個別補習をしてみればいい、教師冥利に尽きる経験ができるかもしれない。
 教師は単なる労働者ではない、時間で知識を切り売りする労働力商品ではない、「教師は聖職」であると私は思う。

 400点以上は2人のみだ。5年前には学力テストで400点以上が25人いたから、成績上位クラスが10%に縮まったことになる。

 一番よかった西に位置する中学校もこれほどひどくはないがやはり400点以上の成績上位者数が激減している。データがまだ出ていないので、後のブログで取り上げるが、この学校も5年前は400点以上が25人前後いた
 3年生には400点以上が毎回5~7人いるが、2年生はこれよりも少ない

 400点前後の生徒が高校生になってからの成績は代ゼミ模試の偏差値換算で45程度である。450点の生徒で50前後、全国レベルで見ると進学希望者の中で平均的な成績にすぎない(もちろん高校生になってから一生懸命努力すれば偏差値を10以上あげることは可能だ)。北海道でこのクラスの偏差値の学校は北海学園である。偏差値55辺りから東京の著名な大学が顔を並べる
 現実的な話しをすれば、400点以下の生徒が大学進学することになると代ゼミ偏差値で45以下の学校群を選択せざるを得ない。札幌大学や札幌学院大学が偏差値40前後である。大学のランクでは下位20%のレベルである。
(根室高校では定期的に進研模試をやっているが、偏差値60(成績上位約17%)を越える生徒は学年で3~5人程度にすぎない。進研模試は成績上位校が参加していないので、代ゼミ模試や駿台模試、河合塾模試よりも偏差値が5~7程度高く出るといわれている。)

 学力テストで400点超の層がこの5年間で10~20%程度まで激減している。根室全体では5年前は400点以上が70~80人いたが、現在12~15人程度まで減少しているのではないだろうか。
 この5年間の生徒を比べてみると、我慢力のない生徒が大幅に増えた。わがままで辛抱する力がない。受動的なことはやるが、能動的努力を要することができない者が増えている。
 たとえば、ゲームやテレビやインターネットにははまるが読書とか苦手の科目の勉強ができない者が増えた。苦手だから頑張って克服しようという意欲のある者が激減した。基礎計算力の衰弱傾向も著しい。

 わずか5年前には平均点が300点、400点超が生徒の30%を占めていたこともある。現在の高校2年生も西にある中学校では400点超が20人以上いた。
 中学校の学力テストで400点超の生徒層が5年間で80%減少してしまったので、まもなく大学進学に影響が出る。

 では絶望か?そのようなことはない、根室の子供たちの学力は上げられる。いくつか思いつくままに改善点をリストアップしてみよう。
①子どもにいろいろなことで我慢をさせると同時に小学1・2年生で家庭学習習慣を躾ける。
②小学校の先生は「読み書きそろばん」をしっかり教える。学校行事で授業を潰している時間を半減させる。基礎計算力を充実するために毎週1~2日希望者に算数補習を行う。
③中学校で週2回補習授業をやり、その日は成績上位者以外は部活を禁止し補習参加を義務付ける。
④小中学校は5時半以降の部活を禁止する。
⑤郡部の小規模校を統廃合し市街化地域の学校へ生徒を集める。たとえば、小学校4校、中学4校にし、生徒は無料のマイクロバスで送迎する。

 他にも学力を上げる方法はいくらでもあるだろう。だから、やる気になれば、根室の子どもたちの学力は全道一にだってできる。努力していないだけだ。
 北海道は全国47都道府県中44番目、その北海道で根室の子どもたちの学力は14支庁管内中最低である。
 根室人はいつまでもこのような恥辱に甘んじていてはいけない。子どもたちの辛抱力を鍛えよう。

*『中2学力テスト結果(1)』
 URL:
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07


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ラビ

子供の学力低下は大人の子供に対する関心の無さを表していて子供に勉強をする意味、楽しさを教えられない大人が増えてるんだと思っています。
by ラビ (2010-02-12 12:54) 

クラブナビ

こんにちは
かなりレベルが低い話で観点が違うかもしれませんが…

授業中は座る(走り回らない)
先生は壊れやすいから大切に(殴らない・脅さない)
学校の備品も大切に(壊さない・燃やさない)
友人の家庭を荒らさない(せめて大人の言う事は聞く)
犯罪を起こさない(窃盗・傷害・暴行・恐喝・薬物)
補導されない(私が中学の時は10人以上いました)
保護者も加担しない(驚きますが親が共犯になります)

根室の小中学校はまずはこのレベルから始めないといけません。エンピツを走らせて答えを出す作業をする前に,エンピツを不安なく握らせるような温かい環境が必要です。

このような田舎特有の問題は濃い対人関係にも原因があります。市街化地域とはいえ,郡部の子どもが郡部に集まるだけですから,この問題は避けられません。

ネガティブなエネルギーが,成績優秀な児童や学生の成長を大きく阻害している場面をいくつか見てきました。
将来を有望視されているヤツこそ,ずいぶん被害に遭っていたのが本当に残念だ。
by クラブナビ (2010-02-12 20:08) 

ebisu

田舎特有の濃い人間関係にがんじがらめ、よほどの苦労をしたようですね。
わたしの小中高生活ではのびのびできて、「田舎特有の濃い人間関係」の窮屈さを意識したことはなかった。
でも、大人の劣化が子どもの学力低下や中学校の荒廃に現れていることははっきり感じます。
35年間の東京暮らしで比較する目はもっていますから。

ただ、子供たちの学力だけは大人がいくつか現状打破の努力をするだけで北海道一にはできると確信しています。
曙町で珠算塾をしている某先生が根室の珠算を一時期ですが全道トップレベルにしたことがあります。

いい先生と先生の指導を素直に受け入れる熱心な生徒、そしてそれを応援する保護者がいれば学力を全道一にすることは、狭い根室だからこそ完璧にできる。
by ebisu (2010-02-12 21:36) 

ebisu

ラビさんコメントありがとう。
勉強の楽しさを教えられない大人の問題はあるでしょうね。
勉強することの意味を伝えられない大人も。

皆が勉強の楽しさがわかる世界にいきなり入れるわけでもない。
勉強は能動的に学ぶことですから、ある程度のところまでは辛抱・我慢が必要です。

50年前の子どもたちに比べると子どもたちは過剰なものに囲まれて暮らし、我慢をする必要のない世界の中に生きている。だから、我慢の必要を教える機会を意識的に大人が作り出さないと子どもたちを鍛えられない。我慢のできない子どもが多い。普段我慢したことがないのだから当然かもしれません。

勉強や読書を子どもに強いることが必要な時代に思えます。
子どもを甘やかしてはいけない。子どもを大事にしすぎて、人生にとって必要なことを強いることがなくなった。
勉強する意味なんて勉強をたっぷりさせれば、大人になってからその意味が体験を通して理解できるのではないでしょうか。それでは遅いでしょうか?

ラビというハンドルネームで、インドのラビシャンカールを思い出しました。

by ebisu (2010-02-12 21:49) 

クラブナビ

うわーそうですか,そんなに根室の小中学生の環境が改善されたんですか。実にうらやましい。さっそく旧交の友人と語り合いました。俺たちゃ何に苦労していたんだろうって。
草木が育つには,土や水,肥料とどれが欠いていてもだめ。バランス揃ってこそですよね。平和あってこその高い教育水準です。
by クラブナビ (2010-02-15 12:10) 

あまんだ

はじめまして。時々ブログ拝見してます。いろいろと参考に読ませていただいています。根室管内中1の子の親です。
先日の学力テストの結果にがっくりきて、思わず書き込んでしまいました。結果表もらったんですが・・・数学の得点分布表が・・・右下がりの棒グラフって、初めて見ました。
学校の授業、どうしてるんだろう?
家庭勉強中心に、1年の最初から数学だけでなく5教科やり直さなければいけないようです。家で教えたらできるのに、何故?
根室だったら、ebisuさんの塾に通わせたいところですが。家でやるしかなさそうです。
あぁ、ほとんどグチになってしまいました。すみません。

by あまんだ (2010-02-16 01:03) 

ebisu

団塊世代は親が有力者だからといって、子どもが威張ることはなかったし、そういうことをしたらつまはじきだっただろうと思います。そういう時代でした。
根室で戦後成り上がった人たちの苦労を親たちはその目で見て知っていました。だから苦労して成り上がった人も謙虚でした。
私たちの世代は、クラブナビさんの時代と状況が違っているのではないかと思います。
団塊世代まで根室高校にあった総番制度も規律維持にそれなりの役割を果たしていたのかもしれません。総番長が一人と副番長が3人いました・・・昭和30年代の終わりから40年代初めは面白い時代でした。

教育はバランス、その通りだと思います。
>草木が育つには,土や水,肥料とどれが欠いていてもだめ。バランス揃ってこそですよね。

本人の意欲と向上心・好奇心、家庭の躾、学校の先生の技倆と熱意、競争の存在、適切な教育行政の存在、いろいろな個性の塾の存在などなど、きりがありませんね。
by ebisu (2010-02-16 10:39) 

ebisu

あまんださん、初めてのコメントをありがとうございます。
子どもたちの親からのコメントはめずらしい。

今ここに、市内の週学校2校の学力テスト結果があります。どちらの学校も数学30点以下が49%です。逆に70%以上はそれぞれ7.6%と15.9%です。
正規分布はしていません。
(得点上位を右端にとれば)右肩下がりのグラフです。
学力に関しては人間の能力が正規分布なら、学力テストの結果も正規分布に近くなるのが当然ですが、極端な右肩下がりです。
根室の子どもたちの能力が他地域に比べて劣るからではなく、家庭・学校・塾のあり方にそれぞれ問題があることを示唆しているようにみえます。教育環境の地域的特殊性も関連がありそうです。何が改善できて何が改善できない要素なのか、仕分けて具体的な改善をする必要を感じます。
このグラフの形には正規分布を妨げる大きな原因が内在しているはずです。

日本人の生徒たちですから国語が一番正規分布に近い。
英語は30点以下が52.4%もあります。学校が生徒や父兄に通知している「得点通知表」からいろんな事が読み取れます。
だから、市教委は根室市内の学校のデータを公開してほしいと思います。学力改善のために必要なデータです。

2月の学力テスト結果については「得点通知表」を分析してブログにアップします。
教育に関するブログ記事は子どもたちのお母さん・お父さんたち、そして学校の先生、教育委員会、教育長、市長に読んでほしいと思って書いています。読んでくれてありがとう。
by ebisu (2010-02-16 10:57) 

あまんだ

親からのコメントはめずらしいのですか?
読んでいる親って少ないのでしょうか?

うちの方も、同じような結果です。(というか、もっとひどいです。)国語が一番正規分布に近いです。共通の学力テストなのですから、どの教科も結果のグラフは正規分布に近い形になるように作られていると思っていたので、この結果はかなり衝撃的でした。

親同士では、このような話はまずできないし、しないです。先生方にも様子を聞くぐらいです。ダンナとは結構話しますが。
そんなわけで、つい書き込んでしまいました。一親の勝手な思いです。

皆が無関心なのか、それとも気になる私が特別なのか、時々わからなくなることがあります。
今週授業参観&懇談会があり、ぜひこの結果を先生方はどうみているのか聞きたいところですが・・・
聞けないでしょうね~雰囲気的に。

とにもかくにも、2年生に向けてまずうちの子の学力をなんとかしないと・・・どうやっていいのか悩んでマス。

得点分布表の分析、ぜひ読ませていただきます。

by あまんだ (2010-02-16 14:01) 

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