“財政は破綻状態になる”与謝野大臣のおとぼけ発言

“財政は破綻状態になる”与謝野大臣のおとぼけ発言

　民主党マニフェストを批判して財務大臣が「財政はおそらく破綻状態になる」と発言したが、事実はこれから「破綻状態になる」のではなくとっくに「破綻状態にある」。

　税収が40兆円しかないのに850兆円の借金の山。個人だったら年収の6倍の住宅ローンを抱えたらほぼ返済が不可能になる。上場企業だって、年間売り上げの10倍の借金をしている会社はないだろう。おおよそ売上の3倍の借金を抱えたら2％の金利で売上高支払利息比率が6％にもなり、収益が圧迫されて会社はつぶれる。その前にメインバンクが手を引くだろう。

　日本は年収の20倍を超える借金を抱えているから、とっくに財政破綻状態にある。市中消化しきれないほど新規赤字国債を発行し、昨年から掟破りの直接買い入れまで日銀にやらせている。
　寝ぼけたことを言いなさんな、現職財務大臣の与謝野さん。

　民主党は850兆円の借金の山をどう減らすのかプランを作り公表すべきだ。毎年10兆円単位の借金返済原資をつくっても85年かかる。そうしたらいまマニフェストで約束しているバラマキはほとんど不可能になるだろう。責任ある政党としては、政策に優先順位をつけて絞り込み、自公政権が残した借金の山を崩す具体的プランを書かなければならないはずだ。公表されたマニフェストは楽観的すぎる。
　破綻財政を踏まえ、国民に覚悟を強いるマニフェストを書ける政党はないのか？

*http://jp.reuters.com/article/marketEyeNews/idJPnTK031671420090728

　［東京　２８日　ロイター］　与謝野馨財務・金融担当相は２８日の閣議後の会見で、前日発表された民主党のマニフェスト（政権公約）に触れ、マクロの財政政策・経済政策が入っていない選挙対策用の文章だと批判した。

　マニフェストに盛り込まれた「子ども手当て」などの財源が明確でないと指摘し、「これだけ約束したのだから、財政はおそらく破たん状態になる。ただにするのはいっぱいあるが、税金の話は一切触らない。成長戦略も見えてこない」と語った。

　2009年7月29日　ebisu-blog#675
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