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中学校で3階からの転落事故と労働訓練所 [57. 塾長の教育論]

中学校で3階からの転落事故と労働訓練所

 どの学校かは詮索無用。昨日(6/29)、ある中学校に救急車が来た。
 生徒が3階から転落し、怪我をしたらしい。授業をサボってトイレの天井からいったん外(壁)に出て屋上へ、そして戻るところを手がすべって転落。なかなか難度の高い「技」を要求される「登攀ルート」だったようだ。身の軽い生徒だったのか敷き詰められた砂利の上に落ち、顔は擦り傷で血だらけにもかかわらず、小指の骨折だけですんだのは不幸中の幸いだった。この年頃は冒険はしたいものだが、ほどほどに。悪いことは悪い、先生はしっかり叱ってやればいい。
  偉そうなことを書いている私もバックネットによじのぼって叱られたことがある。「てっぺんまでのぼれるか?」「のぼれるさ」と友だちと言いあったのが切っ掛けだった。身が軽かったのでネットに手をかけてするすると登った。てっぺんだ、どうだのぼったぞといおうと思ったときに、「こらー、あぶない、おりれ!」、先生の怒鳴る声に気がついて降りると、何人かいた仲間が雲の子を散らすようにいなかった。すばやい奴らとあきれながら、一人で叱られてしまった。間抜けな話だ。

 この中学校は体育館周辺で授業をサボってたばこをグループが数組ある。すでに伝統化したのか何年も続いている。先生たちも吸殻がたくさん落ちていても見回りに来ない。2度くらいブログで書いたかもしれない。たぶん、見回る先生も過去に数人いたのかもしれないが、いたちごっこであきらめたのだろう。ほとんど「野放し状態」である。
 したがって、この中学校は市街化地域の3校の中で学力テストの平均点が一番低い。もちろん、年度によっては例外もある。昨年度の3年生がそうであるかもしれない。
 こういう学習意欲のない生徒がクラスに数人いるだけで、騒がしくて授業をする先生の声が聞こえない、したがってそのクラスの学力テストの平均点が下がるというのは3校に共通した現象となってしまっている。
 なんどかサボるうちに授業に出てもまったくわからない状態になり、授業中は自分の居場所がなくなるケースがある。しまった、と思ったときには手遅れになっている。ほったらかし、そして無視、誰も助けてはくれない。そうした生徒のためにも放課後の集団補習授業は大切だ。最近始めた学校がある。

 ところで、ニュヨークの話しだったか、渋谷近くの商店街の話だったか、落書きを街の人間が集まって消し始める活動をしだした。落書きがほとんどなくなると、街がきれいになっただけでなく軽犯罪が激減したという。落書きという軽度のいたずらを放置すれば、軽犯罪が増え、強盗などの重犯罪がさらに増えるという負の連鎖があるのかもしれない。
 学校の先生たちにもあきらめて欲しくはないが、30年前に高校の教師をしていた友人の話しを思い出した。
 高校野球部に所属していた彼は、教える科目は社会科だが、いわゆる「体育会系」である。体育の教師と荒れ始めていた学校を何とかしようと立ち上がった。
「何が起きたと思う?」
「静かになっただろう」
 そう答えると、
「静かになった、強い先生の授業ではな」
「え!」
「その通りだ、ひ弱な先生の授業を狙って生徒が騒ぐようになった。それで授業にならない。そういう先生たちが困っている」

 難しいものだと思う。その後どうなったかは聞いていない。首都圏の高校の話しである。
 塾でもたまに言うことを聞かない生徒がいる。学習意欲もないし、家での学習習慣もない。親がいけって言うから来ている。そういう生徒はおしゃべりを始めるから他の生徒の授業の迷惑である。迷惑をかけているという自覚がない。KYに自分がなっていることに気がつかない。
 こういう生徒は親の言うこともほとんど聞かない。当然のことだが、学校で先生の言うことも聞かないだろう。昔は親の言うことを聞かなくても先生の言うことは聞いたものだが、いまはそうではない。体罰が原則禁止されているから、そうした生徒は「怖いもの知らず」「我慢や辛抱のできない人間」へと育ってしまう。そのような人間は社会でも要らない。自分が会社を経営しているとして、つらいことを辛抱して一生懸命働かない人を雇うだろうか?そういう生徒にそのまま聞いてみることがある。「う~ん」とうなって、一呼吸置いて「雇わない」と返事が返る。
「君のことだよ、違うかい?数学も英語も嫌いだ、嫌いなことはしたくないし、していない。違うかい?」
「我慢力をつけろ、中学・高校で我慢する力、辛抱する力のついた者は社会に出ても心配ない」
 こうした生徒にも、明るく陽気で元気に大きな声で挨拶できる者もいる。一律にだめなわけではないし、学力だって、数学が0点とか数点で入塾しても、一念奮起して2ヵ月後の期末テストで70~88取る生徒がたまにいるから、ややこしい。2年生の11月に入塾して12月初旬の期末テストでこういう成績を残した生徒が4人いた。驚くほどの成長を見せる者も確実に混じっている。
 
 その一方で、だめな生徒もいる。親の言うことも先生の言うこともまったく聞かない、学校へは行くが授業を毎日サボる。こういう「教育の義務」を放棄した生徒は、憲法で守る必要はないと思う。
 労働訓練所を作って毎日農作業を8時間やらせて自分たちの食べるものは自分たちで作らせる。規則正しい生活を送らせることで根本から教育しなおす。食べるものを育て、自分たちで調理して食べれば、労働に対する感謝も、働くことの厳しさと喜びも同時に味わえる。そうした全人的な経験はその人間が生きる糧となるだろう。
 厳しい躾けと規則正しい生活、もちろん携帯の持込はダメ、きついだろうな。教育の義務を放棄した生徒はそういう「労働訓練所」で教育するのがいい思う。学校制度の下では救えないのが実態だ。授業をサボっているのを放置して、漢字の読み書きができない、分数小数の計算すらできない人間をそのまま送り出している。このままで好い訳がない。
 「労働訓練所」では毎週面接をして、中学校へ戻りたいという生徒は「しっかり勉強すること」を条件に、自筆で誓約書を書かせて戻してやればいい。受け入れ側は遅れた分を取り戻すために、個別指導体制をとらなければならない、たいへんだ。こういう生徒のために、定年退職した先生にボランティアで協力願えばいい。
 暴論と知りつつあえて中学生に「労働訓練所」の必要を唱えた。

 2009年6月30日 ebisu-blog#631
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