サイクリング(16) 2009/06/28

サイクリング(16)　2009/06/28

　花咲・北斗・成央の3小学校の運動会があった。風は根室には珍しく微風、最高気温は17度、好い運動会日和だった。用事があって1時半頃に花咲小学校のグラウンド横を通ったら、道路の両脇が車でびっしり、グランドは人で一杯だった。わがなつかしの母校は創立130年*を数える北海道で最も古い小学校の一つである。
　運動会の終わりの合図に花火が上がる。2時過ぎに花咲、3時頃に成央、サイクリングから戻った4時頃遠くで花火の音がしたので北斗小学校が終わったのだろう。

　今日は19.5㌔走ってきた。積算メータはあと5㌔で500㌔になる。原野への入り口付近に暴風柵があるが、そこから蕗が道路へ勢いよく首を伸ばして密生している。道路の両側に林があるところを通ると木の香がした。見通しのいい原っぱは草の匂いがする。蓬の匂いはまだしない。時期が違うのだろう。
　ケキョケキョケキョと鳥が鳴いているが、どこを走っていても聞こえてくる。ときおり草むらでキリギリスが鳴く、音量が大きいのでそれと知れる。子供の頃、内陸部の中標津にはいたが、根室でキリギリスの鳴くのを聞いたことはない。海岸に近い冷涼な根室の原野にすらキリギリスが棲みつけるようになった事実は何を物語るのだろう。30年後にはこの牧の内で蝉がないているかもしれない。温暖化はいつのまにか根室半島の昆虫の生態系も変えはじめたのだろうか。

　オホーツク海に出て原野へ戻る道にはスギナが青々としていた。まだ三分の2くらいの背丈の若草だ。スギナは乾燥して煎じて呑むと強い利尿作用がある。呑んで1時間ほどするとトイレにしょっちゅう通う羽目になる。体がなんとなくはれぼったいときに呑むと尿が頻繁に出てすっきりするから、水分過剰のときにいい。しかし、人によってあるいは体の状態によって合わないこともあるから、違和感を感じるようなら呑むのをやめた方がいい。

　風のない原野をゆっくり走り、景色や匂いを楽しむ。ときに突っ走るが、時速50㌔までだ。体力が続かないことと、ヘルメットをかぶっていないから、転倒したら少々の怪我ではすまないからだ。年齢にあわせてほどほどのスピードを楽しむ。ときに、横を時速100㌔以上で車が追い越していくが、たいていはセンターラインを越えて避けていってくれる。もちろん、車の気配がしたら道路の端のラインギリギリを走る。
　これから10月中旬まではサイクリングの季節だ。多摩川沿いのサイクルロードを走るときには人が歩いていたり、川原で遊んでいたりと人が視界の中にいないことがないが、根室の原野はたまに運動のために歩いている人がいたり、車を止めて犬を散歩させている人がいる程度で、滅多に人に会わない。その代りにキタキツネや鹿によく出遭う。
　山菜採りに車を道路わきに止めている人がたまにいる。原野は山菜の宝庫なのだろう。

*花咲小学校のホームページ
　http://academic2.plala.or.jp/hanasaki/sub2.htm

　2009年6月28日　ebisu-blog#628
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