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英語教師が出前授業:歯舞中が企画 [87.根室の話題]

 北海道新聞6月18日夕刊より

 必修化前に歯舞中が企画
 
英語教師が出前授業
 
華岬小皮切りに始まる
【根室】市立歯舞中の英語教師による小学校での出前授業が16日、華岬(かこう)小を皮切りにスタートした。校区内の4小学校の5、6年生を対象に年7回行う。(担当記者名)
 2001年度からの小学5・6年の英語活動必修化に向け、歯舞中が始めて企画。華岬小では5・6年生16人が、歯舞中のxx教諭(26)の授業を受けた。
 児童たちは英語での自己紹介や魚の単語などを教わり、何度も大きな声で暗唱したり、単語を使うカードゲームを楽しんだりした。5年生のyyさんは「いろいろな単語を知り、英語が好きになりそう」と話していた。

 写真には若い男の先生が写っている。ノリがよさそうな先生だ。昨年千葉から赴任してきた。教科書をあまり使わずに自作のプリント教材中心の授業で、昨年のいまころは大丈夫かなと心配していた。「愛と情熱の英語」というプリント教材なのだが、結果がいいほうに出るか悪い方に出るか、いずれにせよはっきりした結果が出ることになると思っていたから少し心配だった。

 前回の学力テストでは歯舞中学の中2英語の平均点は市街化地域の中学校よりも約20点高かった。彼の授業が結果を出し始めたのだろう。「英語の素振り」と題した自作プリントで260の英文を繰り返し生徒に書き写す宿題を課している。260文例覚えたら、中学英語は十分だ。
 市街化地域の3校でかつて一番学力テストの平均点の高かった柏陵中には他校よりも平均点を20点高くする理科の先生がいる。小テストを繰り返し、学んだ知識の定着させる。
 二人に共通するのは、いい意味で自分のポリシーをもち、情熱に溢れ、相当に頑固でしつこいということだ。こういう先生が生徒の成績を著しく向上させるということだろう。一つ間違えば浮いてしまいかねない。他にもこういう先生が何人かいるに違いない。
 学習指導要領を外れた指導の結果が悪ければ、大胆な指導も中止せざるをえないので心配だったが、1年後の学力テストで結果はよい方に出た。

 先生次第で、科目ごとに平均点を20点上げられることがわかる。根室管内の小中学校は全国学力テストの成績が道内14支庁で最低(北海道は全国47都道府県で44番)であるが、20点上げられたら、道内一になる。

 それにしても、歯舞中に限らず男子は英語の宿題を課してもやらない生徒が多い。この生徒たちを何とかできたら、さらに平均点を10点上げることができる。歯舞中の英語の先生、さてどうするかな?

 けっぱれ、ハボ中の英語の先生!
  (こういう一生懸命な先生を大事にしたいものだ)

 たまたま英語を例に採り上げたが、最近3年間の傾向だが家庭学習習慣のまったくない中学1年生が増え続けている家庭学習習慣は小学低学年で身につけるべきもので、この時期を逃したら、「治す」のにたいへんなエネルギーがいるし、こうした生徒の四人に一人はついに家庭学習習慣がつかないまま中学を卒業してしまう。塾で一番手を焼くのが家庭学習習慣のない生徒であり、成績がなかなか上げられない。塾へ来ることがきっかけになり、家で勉強をする生徒がいる一方で、変われなかった生徒もいる。
 したがって、家庭の躾けも根室の子供たちの学力を上げるために重要な要素である


 *ところで、わたしは小学校への英語導入には反対である。母語としての日本語能力が飛躍的に伸びる時期に外国語をやる必要はない、いややってはいけないという意見に賛成だからだ。日本語の本を読み、日本的情緒を育む大事な時期であると同時に、基礎計算トレーニングを徹底しておかなければならない時期だ。この両方が揃っていれば、高校生になっても大学生になっても優秀な学生であり続け、社会人となってもしっかりした仕事のできる大人であるだろう。
 海外帰国子女を教えた経験があるが一人を除いて弊害の方が大きかったので余計そのように感じる。
 小中高の学力の半分くらいは日本語能力つまり、日本語の語彙運用能力と成績との間に強い相関関係があるから、小学校でしっかり母語である日本語能力を育まないと学力の基礎が固まらない。100人に2~3人くらいは小学校で英語をやっても日本語能力に影響のない生徒はいる。しかし、非常に例外的だ。ほとんどが他の科目の成績に影響が出てしまう。平均的な能力の生徒はとくにこうした弊害=副作用が大きい傾向が見られる。
 カテゴリー「塾長の教育論」で数学者二人(フィールズ賞受賞数学者小平邦彦、藤原正彦)の意見を紹介しているので、そちらを参照して欲しい。30年前に書かれた小平の「初等教育論」はいまなおその価値を減じていない

 *2009年5月3日#569「英語教育論:藤原正彦『国家の品格』より抜粋」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-03-1

 *小平邦彦の英語教育論
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-03-28

 *小平邦彦
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/20090419

 2009年6月19日 ebisu-blog#617
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