ガイトナー財務長官金融安定化策を公表

ガイトナー財務長官金融安定化策を公表

　お昼のテレビニュースを見ていたら、ガイトナー財務長官が2兆㌦の金融安定化策を公表した。新金融安定化基金1兆㌦を創設し、不良債権の買取に充てるという。他の１兆㌦は金融機関への貸し付け資金だ。
　「中身に具体性がない」「民間資金をどう導入するのか」など質問が相次いだ。それに対しては「全体の設計図の柱を大まかに描いただけだ」と答えていた。前にブッシュが通した金融安定化策7000億㌦の半分は金融機関の不良資産買い付けに使われるはずだったが、それとの兼ね合いはどうなっているのだろう。純然たる追加なのか？

　どういうわけか金額だけが踊っている。おかしな話だ。中身が決まらないうちに金額を決めれば、あとは関係者のいいように使われる。具体策がどのようになるのか、おそらく3ヶ月はかかるだろう。注目したい。

　先のブログで景気対策法の8270億㌦ではとても足りないと言った。新政権も同様に考えているのだろう。株式市場は382㌦の下落をみせ、景気対策法案上院通過に冷ややかな反応を浴びせた。だから２兆㌦金融安定化策をガイトナー財務長官があわてて公表したのだろう。

　しかし、問題は中身だ。あせって法案をつくり、金額だけ確保してもしかたがない。サブプライムローンで米国のビジネス倫理の低さをみたから言うが、中身のはっきりしない大型予算で火事場泥棒のごとき仕事をする人が多数出るだけだろう。この未曾有の経済危機をまだ、儲けるチャンスと考え違いをしている魑魅魍魎の類のような人々が米国にはうようよしている。

　2009年2月11日　ebisu-blog#537
  総閲覧数：77,208 /443 days（2月11日13時15分）