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根室病院改革素案を読む〈1〉 [32. 市立根室病院建て替え]

根室病院改革素案配布(北海道新聞)
 
 今日(2月11日)の新聞によれば、改革素案ができたそうだ。28日まで市民の意見を聞くとある。
 素案の概要がでている。

 「常勤医師15人、病床数150床とし、人件費などの経費節減や患者数を増やすことで収支均衡を図ると説明。病院建て替えについて早急に検討する必要があるとしている。」

 素案の内容は病院窓口でももらえるし、市のホームページ上でも見られるという。意見は下記宛に提出となっていた。

 根室市有磯町1丁目 
 市立根室病院事務局経営推進課宛
 e-mail: mailto://byo_keiei@city.nemuro.hokkaido.jp

 で、さっそくホームページからプリントアウトして見た。わからないことが四つある。

 ①建て替え計画が平成25年度計画までみてもない。病院を建て替えると減価償却費が大幅に増えるし、除却による損失も少しだが生じるだろうから損失は拡大するはずだ。しかし、建て替え計画がこの中にないのはどうしてだろう。市長は建て替えをあきらめたのだろうか?

 ②平成21年度から25年度まで経常費用が35億円となっている。平成20年度着地見込みの34億円に比べても増えているから、どこが「人件費などの経費節減」なのだろう?

 ③6億円の売上アップに根拠があるのだろうか?
 「患者数を増やす」ことで売上金額はこの3年間の実績値よりも30~50%も増額になっている。医業収益がH19年度20.9億円の実績、H20年の24.8億円の実績見込みに対して、来年度から30~31億の計画だ。
 しかしこれでは毎年やっている数字合わせと変わらない。これだけ売上を増やすには常勤医師がさらに4人は必要なはずだ。つまり、常勤医15人と辻褄の合わない数字であるようにみえる。
 過去5年間30~32億円の売上予算を組んでいて、実績ベースでは20億円から24.6億円の売上しかなかったではないか。

 ④この先5年間このような根拠のない計画作成を続け、経営改善に具体的な手を打たなくても、根室市の財政は大丈夫なのだろうか?
 もし、財政破綻が起きれば、夕張市のように小中学校はそれぞれ1校に、市役所職員の半分がリストラに、残った人の給与は3割カット、病院は規模を縮小して民間の診療所に、冬の除雪回数は半減、人口は数年で数千人減少・・・どこまでわが故郷の痛手になるか計り知れない。

 以上は、改革プランをざっと見てのわたしの素朴な疑問である。読み違いであって欲しいと思いつつ、別途、病院事業経営改善プランを作成する際の枠組みを議論してみたい。
 このプランには常勤医師の集め方、病院建て替え、予算の作り方を含め、肝心なことがいくつかないがしろにされているように私には見える。

 つきつめて言うと、"根室の町を何とかしないといけない、病院事業の赤字縮小が鍵だ"、そういう心で謙虚に仕事に取り組めるかどうかだろう。そういう気持ちが伝わってくる改革プランをぜひ見たいものだ。最終案がそうなることを願っている。

 2009年2月11日 ebisu-blog#538
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