08年経常黒字34％減 過去最大の下落幅

08年経常黒字34％　過去最大の下落幅

　０８年の国際収支は、経常黒字が1985年以来過去最大の下落幅だという。対前年比で34％減少し、16兆2803億円となった。輸出が半導体や電子部品、自動車などが振るわず前年比3.0％の減少で77兆3522億円。輸入は昨夏までの原油高騰で8.8％増の73兆3184億円となり、過去最高を記録した。
　貿易・サービス収支は8413億円のマイナスで、半期ベースで初めて赤字へ転落。
　所得収支の黒字額は3.0％減の15兆8324億円で6年ぶりの前年割れ。

　データソースは2月9日北海道新聞夕刊である。
  昨年夏までは原油高で1バーレル200ドルにも達していた。ガソリンは180円近くまでいって現在は110円ほど。9月の金融危機を引き金に、投機マネーが縮小するとみるまに原油の相場が値下がりしていった。
　冬場の燃料である灯油もリッター100円を超えていたのに、現在は60円台である、ずいぶん安くなった感あり。お陰様で寒くない冬を過ごせる。
　それにしても暖冬だ。根室は1月の真冬日が観測史上最小の6日を記録してしまった。明治22年の観測開始以来120年間このようなことはなかったという。釧路も同様だ。網走の流氷の厚みがこの数年で半分ほどになっている。接岸期間も半分以下である。その状況はジャパンタイムズの昨年3月14日の記事から最近紹介した。ジャンプできるようにアドレスを脚注に書いておく。
　オーストラリアでは東南部で46度を記録し、大規模な森林火災が今日も続いており、東北部では一部水没地帯が出るほどの長雨による大洪水である。地球温暖化は旱魃と洪水の程度を大きくする傾向があると気象学者が地球規模でのシミュレーションに基づいて警告している。予告どおりの展開のようだ。農産物の収穫量へ影響するだろう。当然家畜の餌も減るから地球規模で考えれば飼育頭数へも影響がでる。至急温暖化は経済への影響が大きい。

　さて、今年の経常収支黒字の見通しはどうだろう。
　農産物は気象変動の幅が地球温暖化の影響で拡大しつつあるから、値段が上がるだろう。飼料価格も上がるから、肉の相場も上がりそうだ。深刻な経済不況で、原油はインドや中国で消費が増えても、世界規模では消費量が落ちるから、昨夏のような値上がりはないだろう。落ち着いた動きの終始して欲しい。
　自動車の輸出落ち込みはこれから本格化するから、下落率は3％ではすまないだろう。2倍を軽く超えるだろう。
　米国経済と日本経済はどちらも悪いから、為替相場は円高のまましばらく固定化しそうだ。さらなる円高に動き出すのはいつ頃になるのだろうか。おそらくは米国の自動車産業の一角がなくなってからだろう。米国で大量の失業が生まれる。
　大統領就任演説を詳細に読むと、オバマは米国の経済がどうしようもない状況に陥ってしまったことを確信している。8000億㌦の景気対策、ビッグスリー問題、ウォール街の後始末、選挙期間中支援してくれた全米自動車労組への対応、イラクからの撤退、アフガンへの派兵増員などオバマがやらなければならない問題は数限りがない。しかし、どのような手が打たれようとも昔日の米国の経済的覇権は取り戻せない。つまり、効果的な不況打開策はない。米国景気の深く長い低迷が昨秋からはじまった。5年経っても昔の米国は取り戻せない。米国覇権の世界が構造転換を起こすのがこれから5年間である。誰の目にもはっきりする。

　灯油やガソリンの消費はできるだけ減らそう。地球にやさしい質素な生活に切り替えていけばいい。地産地消で根室の美味しい魚を食べてローコスト・低エネルギーを心がけよう。地球温暖化に否応なしにブレーキがかかりそうである。

　こうした変化は歓迎すべきことなのか？自然も経済も人間が勝手に原因を作り、各々の調節機構が働いて自立的に調和を回復しようとする。あれこれ不満を言わず現状に満足を見つけて、すべてを受け入れてしたたかに暮らそう。
　経済現象も自然現象も、現象そのものを見ている限り、何がよくて何が悪いことなのかさっぱりわからん。生きることとは流れの中であがくことなのだろうか、それとも岸辺に佇みしずかに達観することなのだろうか？とにもかくにも、今日もただ生きてあることに感謝・・・

*2009年2月4日　#519『流氷減少は気候変動への警告だ』
　http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-02-03-1
　2009年2月10日　ebisu-blog#532
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