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秋鮭不漁 [87.根室の話題]

秋鮭不漁

 シーズン当初は、標津のほうが不漁で10%減といっていた。根室のほうはほとんど影響なしとのことだったが、時間が経つにつれて不漁の色が濃くなった。
 家業の定置網漁を手伝っている生徒に話しを聞いた。例年1網3,000匹入ることが何度もあるのに、今年は1,000匹が3回あっただけ、たいへんな不漁だという。その代りコマイ漁が豊漁だ。コマイと鮭では値段が違う。
 以下は生徒の話である。
 定置網にいろんなものがかかる。、大きなエイがかかるとやっかいだという。畳3枚分ほどもあるエイが定置網に入ることがある。もちろん持ち上げられない。鉤で引っ掛けて、毒のある尻尾を切る。その太さが人間の腕ほどもあり、跳ね回るので危険な作業だ。太くて硬くて、なかなか切り離せない。船に揚げられないのでエイはそのまま棄ててくる。他の魚の餌になるのだろう。
 イルカやサメが入ることもある。20キロもあるタコがかかることも。何がかかるか分からないのが自然相手の漁だ。それが漁師の醍醐味でもある。
 マグロが入ることもある。最近は鰹が30匹ほども入ることがある。鰹は暖流に乗ってやってくるから、黒潮(日本海流)に乗って金華山沖くらいまでは来る。それがオホーツク海の定置網にかかるのだから、海水温が高くなって、海流も変化しているのだろう。地球温暖化の影響が、根室の海にも影響を与えている。20年後にどのような魚が根室沿岸のオホーツク海や太平洋で獲れているのだろう?鮭やサンマはその姿を消しているかもしれない。根室の漁業が大きく変わることになる。
 
 漁も地球温暖化の影響を受ける。環境変化に対応して根室で獲れる魚の種類も変わってくるだろう。若いうちに勉強して、40代50代で根室をリードするような人材に育って欲しい。進学するかと思っていたら、高校卒業したら家業を手伝うようだ。飲み込みの速い生徒だから、勉強のほうでの活躍を期待している。理解速度が並外れているので、その気になったらどれほど伸びるのか期待している。
 進学するしないは本人が決めることだ。しないならなおさら、人生の中で勉強に集中できるのはあと2年と少しだ。悔いの残らない勉強をして大人になって欲しい。いまからやっても北大水産学部へなら届く生徒だと思っている。進学の有無に関わらず、いまはとにかく精一杯勉強しろ。

 根室漁業組合は不祥事(漁船保険組合専務理事の使い込み、杜撰な経理処理等)の連続にも関わらず、現組合長が辞職もせずに居座っている。根室人として恥ずかしいと思う人が多いのではないだろうか。オホーツクと太平洋に囲まれ、原野が広がる根室は、本来素朴で素直な人が多い。ところが重職に就いている人たちのなかには、地位にしがみつき私欲を離れることのできない人が多いように見える。
 2年前にソ連国境警備隊による銃撃でカニかご漁船員が一人亡くなったことがあるが、そのときの船長は根室湾中部組合の現職組合長であった。越境・密漁の事実や、戻ってから言を翻したり、まことにみっともない振る舞いがあったが、その後辞職した。
 根室の漁業には精錬潔白で私利私欲や肩書きにしがみつくことのない人材が必要である。そういう人が重職に就くべきだ。
 若い人が若いときに一生懸命勉強して、素直に育ち、根室の将来を担って欲しい。

 2008年11月16日 ebisu-blog#401
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