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中国・四川大地震 [A8. つれづれなるままに…]

  2,008年5月18日   ebisu-blog#187 
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 中国四川省で震災があった。M7.9の規模の大震災である。動いた断層が300キロメートル、阪神・淡路大震災(1995年1月17日午前5時46分、M7,2)に比べて8倍近い長さの断層が数メートル動いた。
 根室に大きな被害をもたらした1994年10月4日22時22分の北海道東方沖地震は根室半島沖200キロメートルを震源とし、M8.2であった。全壊家屋は2棟あったが、幸い死者はなかった。阪神淡路大震災では、全半壊25万棟、全焼家屋6148棟、死者6,434人。
 四川大震災による死者は地震発生当日の北海道新聞では5千人、翌日夕刊では9千人と報道された。現在中国政府の今日(17日)の発表では推定5万人の死者となっている。

 地震の規模も大きかったが、それ以上に人的・物的被害が大きい。いままた6800箇所のダムの内、400箇所以上で亀裂が報告されている。決壊すれば下流の都市が水没の危機にある。
 日本からはレスキュー部隊が派遣された。当初中国政府は申し出を断った。レスキュー部隊を解散した後で中国政府が受け入れを表明したので、再招集して80名ほどの部隊を派遣したが、すでに救命リミットの72時間を過ぎており、活動の大半は遺体の収容となるだろう。すぐに受け入れを表明してくれていたら、救える命が数百人規模で会ったかもしれないのにと中国政府の決断の遅さに恨みが残る。

 インターネットの書き込みでなぜ国際救助隊の受け入れをしないのかと国民から批判が飛び交い始めて、慌てて受け入れ表明をしたようだ。5万人の職員がインターネットの監視をし、政府に批判的な書き込みがあるとすぐに削除し、胡錦濤主席や温家宝首相の現地入りの宣伝に差し替えている。相変わらず、情報操作の多い国だ。ソ連崩壊後のロシアもまた経済発展と共に報道の自由がなくなりつつある。
 都合の悪い情報は徹底的に取り締まる。共産主義の各国ばかりではない、その点では米国も同じだろう。エシュロンというインターネット監視機関は英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドで秘密裏に運用され、10万人の職員を抱えている。9.11関係の書き込みの多くが消された裏にはこうした期間が関わっているのかもしれない。エシュロンとは別に、イラク戦争報道に関しても徹底的な情報管理がなされている。
 
 中国国内のテレビニュースで女性記者が質問しているのが何度も流された。「政府の建物は壊れていないのに小学校はほとんどが壊れた」と。
 「おから工程」が指摘されている。亡命した建設関係者の証言が報道されている。工事代金の30%が賄賂で消えて、手抜き工事が常態化しているらしい。事実とすれば人災である。350万戸が全壊したと報道されている。阪神淡路大震災では24万戸程度だった。
 地方政府が小学校で数十人が死亡したという報告を上げていて、軍隊の救援が見送られたという報道もある。地方政府とは日本では市役所だろうか。被害を過小に報告したことで、救助活動のスタートが遅れた。もう1日早く来てくれたら「昨日まで生きていた、声がしていた」と父親が怒っていた。「何をしていた、殺してやる」と現場は修羅場である。レスキューに当っていた若い軍人が、「助け出したけど、助け出したとたんに息を引き取った」と泣きじゃくっている。

 中国は近年軍事費が大幅に増加している。そういうお金の数百分の一を小学校の耐震補強に使っていたら、ほとんどの小学校の倒壊はなかっただろう。一箇所の倒壊で小学生1200人が死んだというケースもあった。生き残った1千万人の被災者はこれから大変な生活を迎える。衛生状態は悪いし、食糧事情もよくない。被災地が穀倉地帯だったから、食糧価格の暴騰が心配されている。国際相場も上がるだろう。
 
 さて、わが町の市街化地域の6小中学校は大丈夫だろうか。各校30年以上たっているのではないか。耐震補強はなされているのだろうか。体育館の補修工事もままならないのが実情のようだ。学校よりももっと古いのが市立根室病院だ。竣工後40年を超えている。患者も医者も看護師さんたちも心配だろう。地震で倒壊してもらっては困る。
 町の財政事情が悪いので、こういうところにお金が使えない。軍事費に優先的にお金を使い、必要なところへお金が廻らないのは中国だが、財政状況の悪化で必要なところに充分なお金を廻すことができないの構図がわが町にはある。
 全部の小中学校の耐震補強は財政的に無理だろう。小中学校の統廃合を急いで数を減らし、重点投資できる環境を整えるべきだ。必要な予算を確保するためにも市立病院の年額10億円を超える赤字を半減すべきだろう。
 根室を出て東京に35年住んで実感したのだが、根室は地震が多い。しょっちゅう地震が起きる。地震の多発地帯である。だから避難場所となる学校や救助拠点となる病院の耐震改修や耐震補強をきちんとして、安心して住める町づくりを最優先してもらいたい。
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