市立病院決算見通し [26. 地域医療・経済・財政]
2,008年2月17日 ebisu-blog#092
総閲覧数: 4415/82 days (2月17日0時00分現在)
このところ、数字をたくさん並べたので、整理しておこうと思う。まず平成18年度決算データを通常の区分に修正して並べ、次に電話取材によって得た平成19年度決算推計データを比較できるように整理した。
【平成18年度決算データ】
平成18年度の市立病院事業の基礎数字を並べておこう。長期借入は資本の部から除いた。金額単位は億円である。
売上高 23.83
医業費用 33.26
営業損失 9.44
営業外費用 0.83(支払利息0.147、雑支出0.685)
経常損失 10.42
流動資産 5.07 流動負債 7.88(一時借入金6億円を含む)
固定資産 10.64 固定負債 5.70
総資産 15.72 負債合計 13.58
資本金 3.35
剰余金 28.99
欠損金 -30.22
資本合計 2.12
【平成19年度決算推計値】
売上高 20.0 ⇒#087参照 病院への電話取材データ
医業費用 32.5
営業損失 12.5
H18末自己資本-H19営業損失+H19繰出金予算=H19末自己資本
2.12-12.5+4.8=5.58(債務超過額)
この結果から言えることは、平成19年度末に6億円強(雑支出と支払い利息が0.8億円ある)の資本注入をしなければ債務超過に陥るということである。市立病院に資金的な破綻が生じる。予算外で一般会計から6億円の繰出金を積みます余裕がなければ、赤字特例債しか手がない。赤字特例債を起債しても、「一時借入金」を返済してしまえばやはり6億円の資金ショートがおきる。3月末までに12億円の資金手当てが必要ということだ。実際にはやってはいけない「一時借入金」の繰り延べをやることになる。大地みらい信金からの証書借入なら、書き換えを行えば問題を先送りして、当座は凌げる。
赤字の原因に手をつけずに、ずるずるとやってはいけない借り換えをして借金が膨大に膨れ上がって、感覚が麻痺してしまう、それが夕張市の財政破綻の構造ではなかったのか?同じことをやるまえに市長は何度も市民に説明すべきだ。赤字改善にボランティアで協力する人が現れるかもしれない。市民の協力を仰がずに、病院だけでやれる仕事だろうか?市役所だけでやれる仕事だろうか?
病院の経営改善は専門的な仕事になるだろう。必要な能力を有しないものがいくら集まっても仕事にはならない。Kさんのように智慧を貸してくれる人もいる。3万人に減った根室市民の中にこれを担いうる専門的な技能を有した人材が何人いるだろうか、労苦を厭わない人が病院や市役所の中に何人いるのか試すときでもある。いなければ、座して財政破綻を待つしかない。
夕張市のように市役所職員が半減するとしたら、500人いる市役所職員の内半数、250人が職を失い、残った人も30%減給である。市内の小中学校はそれぞれ1校になる。市営プールの料金は3倍以上に跳ね上がるだろう。老人の無料パスもなくなるかもしれない。
平成20年度も引き続き同じ赤字が続くとすると、12.5億円の繰出金予算を組まなければならない。140億円規模の予算ではやりくりがつかないだろう。一般会計が破綻する。そのようなことをしている間に、借換債の償還期限が来てしまう。縮小均衡を目指した病院経営改革をやらざるをえないだろう。
コメント 0