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例の餃子が根室にも??? [87.根室の話題]

2,008年2月4日   ebisu-blog#072
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 メタミドホスのはいった餃子で巷は騒がしい。根室には入ってきているのだろうか?

「先生、お姉ちゃんが冷蔵庫に入っていた餃子を一口食べたら変な味がするのですぐ吐いちゃった。見たらテレビでやってたやつだった」
「それで、その餃子どうした?」
「棄てちゃった」
・・・
 補習に来た生徒の言である。真偽のほどは定かではない。異常を感じたら、棄てずに保健所にもって行こう。どのような汚染状況でどのくらいの濃度なのかを調べることで汚染原因が推定できる場合もある。事実関係がだんだん明らかになってきているが、まさか異常を感じた全国2500件のすべてがメタミドホス中毒ではあるまい。カゼでも下痢や胃腸障害は起きるのだから、メタミドホス中毒かどうかは残った食材を検査して原因を特定するしかない。残った食材は重要な物的証拠といえる。いまのところはっきりしているのは8例のみである。
 薬臭い、苦いなどの異常を感じたら飲み込まずに、すぐに吐きだしうがいをしてから、食べ残しと包装材料を保健所に持ち込むべし。

 ところで検査はどうやるのだろう。テレビで見る限り、食材の粉砕、水溶液に抽出という前処理がいる。その後はガスマス(GCMS)で検出するのだろう。ピークをみれば物質が何であるか特定できる。前処理技術の巧拙が検査結果に影響する。ガスクロのカラム充填剤も工夫が必要だ。比較的高度な検査といえるだろう。ガスマスはどこで使っていたかな?特殊検査部の何課か忘れたが、使っていた。臨床化学部でも使う課があった。臨床化学部1課は日立の生化学自動分析器、栄研化学のLX3000など大型自動分析器がずらりと並んでいた。原子吸光光度計も人工透析患者の血中アルミニウムモニタリングが保険収載されてからは10台ぐらいあったのではなかったか。検体を電気で高温に熱してその色で濃度を測定するから多少匂いが発生するのと、環境中のアルミニウムが影響するので透明な樹脂の布で機械の回りを覆っていた。
 S社八王子ラボにはガスクロの熟練技術者が多かった。ガスクロマトグラフィーも数箇所の検査課で使っていた。一番多かったのは臨床化学2課だったかな。沖縄出身の気のよい男、Sさんが課長だった。臨床病理学会項目コード委員会委員長の自治医大大宮医療センターのチョビ髭のS先生も臨床化学2課で免疫電気泳動の指導をしておられた。親父が釧路の病院に入院したときには、S社に検査が出ただろうと考えて、事情を話し学術情報部で依頼項目を検索してもらった。免疫電気泳動も検査で出ていた。よく知っている人、Sさんが検査していた。オヤジなので検査結果を教えて欲しいと伝えると「悪性新生物の疑いあり」と教えてくれた。やはりそうだったかと、大腸癌を確信した。心の準備ができて手術直前に釧路の病院へと向かうことができた。亡くなるまで2年あった。誤解があってはいけないので、書いておくが、S社は他人の検査結果を社員であっても教えることはない。検査結果については口外できないルールになっている。知っている人の検査をしても口外は許されない。やればクビである。私の場合はオヤジの検査依頼であったことから、特別な配慮で認めてもらった。データを管理している学術情報部は私がいた学術開発本部の一デビジョンであった。他のセクションから要請があっても受け付けないだろう。
 オリンピックのドーピングテストもガスマス(ガスクロマトグラフ+質量分析器)で検査する。S社の八王子ラボには90年頃は5台くらいあった。今は20台あっても不思議ではない。食品や環境汚染関係での受注量次第である。
 ガスクロの部分はHP社製品が組み込まれているものが多い。原子吸光光度計や質量分析器はもう一社有名なメーカがあった。はて、なんというメーカだったか。少し値段が張る。ひとつだけ担当として買った記憶がある。白地に赤を使ったデザインだったような気がする。メーカ名・・・そうだ、パーキンエルマーだ。バリアンもよい。
 バリアン社は産業用エレクトロニクス輸入商社S社の取扱商品だった。当時はバリアンマット社という名前だった。欧米のメーカ50社と総代理店契約を結んでいたが、その中のひとつだった。バリアンマットの製品ラインを扱っていた関係で、1980年代初め頃に現物を社内で何度も見ている。当時は1台1億円近い製品だった。
 デモ機として使っていたはずの液体シンチレーションカウンターをばらして修理部品に使っているうちに、筐体だけが残って中身がほとんどなくなっていたことがあり、第2営業部の担当者が困っていたことがあった。棚卸しは年に一度だけだった。おおらかな時代だった。


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