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#4901 マネジメント資質は中高生の時代に造られる Jan. 3, 2023 [A.6 仕事]


 経営層に受験エリートの多い日本の大企業が、この30年間地盤沈下を起こしています。銀行だけでなく家電メーカーもその象徴でしょう。東芝は青息吐息、パナソニックや日立も往時の勢いはありません。シャープは外資の傘下、サンヨーはパナソニックグループ入り。株式時価総額では日本企業がトップ50社に1989年は32社ランクインしていました。2021年度はトヨタだけ。
 マネジメントのできる人材要件、満たしておくべき条件は次の三つ。

①学生時代には、クラス委員や部活のリーダー、生徒会、プロジェクトリーダなどを社会人になるまでに経験しておいた方がいい。
②そして社会人になってからは、複数の専門分野の本を読み仕事でそれらのスキルを磨くべし。
③自分が経営者なら、どういう経営をするのか、ビジョンと戦略目標と戦略をつねに考え、大きな仕事のチャンスが与えられたら迷わず引き受けること。
そういう人材は日本企業には稀です。

この記事は面白いので、学生諸君は全文読んでもらいたい。一部だけ抜粋しました。
*リーダー経験が一度もない人に決定的に欠けていること
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「上司目線がある人」と「上司目線がない人」の差
──優秀な人ほど、キャリアの浅い段階からマネージャー目線を持っている気がします。

 上司や経営者が何を求めているか? を理解するには、どんなことを意識すればいいでしょうか。

木下:うーん。正直、リーダー経験がない人、組織やチームの責任を任されたことがない人がマネージャー目線・上司目線を持つのは、かなり難しいと思います。
──やっぱり、経験しないとわからないのでしょうか。

木下:たとえば、仕事ではなく、学生時代の経験でもいいと思います。

 中高生の頃、クラスで学級委員長を任された、という経験があるかないかでも違う。

 みんなが好き勝手なことを言うなか、クラス委員長としてなんとか全体をまとめなくてはいけない。

 生徒全員にとってベストな選択をしなければいけないのに、仲のいい友達に「おまえ、クラス委員長なんだから、こうしろよ」みたいにささやかれたり、はたまた、「それをやるとあいつがかわいそうだ」と文句を言われたり……。

──たしかに、学生でも30~40人のクラスをまとめるというのは、大変なことですよね。

木下:組織の長というのは、一度でも経験すると全然違うものが見えるようになります。早い人は中学生くらいで経験していますが、20代・30代でも経験がない人、責任者のポジションに就かないまま一生を終える人もいる。

──木下さんは、リーダー経験がある人とない人は、瞬時に見分けられますか?

木下:リーダー経験をしたことがあるかないかで、「わかる人」と「わからない人」ではっきり分かれます。仕事の仕方が全然違います。

 当社にも社内ルールがありますが、それは別に、私の好き嫌いではなく、社員の全体最適を考えてさまざまな情報を加味して決めています。

 社員が200人いたら、200人全員にとって一番マシになるような、「最大公約数」のルールを考えなければならない。

 でも、その最大公約数に当てはまらない人は、やっぱり一定数、存在する。この人たちから、ものすごい反発があるんです。

「会社は横暴だ!」「私物化してる!」と言われたりもする。

 私は私欲で判断しているわけではなく、ただ「最大公約数」の選択をしているだけなのですが、わかってもらえません。

 上司目線で見れる人と見れない人で、見えてくるものが全然違う。

 上司経験があれば、「自分がこの職場の長だったら、どうやって仕事をしていくべきだろう?」「何を求めるだろう?」というように、リーダー目線で考えられますが、そうでない人にいくら言葉で言っても伝わらない。
......以下省略v
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<余談:三人三様ダー経験も切り捨てたことになった。周りのおとなが誰もそういうことを助言してあげなかったのではないか。社会人になってから、強い副作用が出たかも知れない。
 ●根室高校から現役で旭川医大へ2年前に合格(東北東党推薦枠で現役トップ合格)した生徒は、部活はやらなかったが、学校祭には積極的に参加していたし、数学の問題で友人たちに「教えてほしい」と頼まれたら全部受け入れていた。だから交友関係は小さくない。大学では体育系のあるブカツの部長をしているという。
 ●昨年、札幌の進学校へ合格した生徒は、部活を継続すべきか否か悩んでいた。難関大学の理系志望で、将来は学者になりたい生徒。「今のペースで部活と勉強両立できたら、現役合格の可能性あるよ、そして部活でしかつかめないことが必ずある」、そういって背中を押した。目的はマネジメント資質を磨くこと。社会人となったときに、そういう経験と磨いた能力が必ず役に立つ。理系の研究なんて、その多くがチームでやらないとできません、そのときに数人束ねて人を動かせなけりゃ、研究業績にも響きます。

 やれる人は、中高の時代にリーダー経験を積んだらいい。そんなことのできるのは難関大学合格者の30人に一人くらいかもしれません。他の大学よりも少ない。
 一部上場企業には難関大学合格者が数%います。そういう人たちと一緒に仕事した結果の結論です。
 そうしてあらためて考えると、最難関の国公立大医学部や慶応大学医学部卒の医師の中にマネジメントスキルに秀でる人が少ないことは、当然のことと言えそうです。
 もちろん、わたしの経験の範囲でも例外はありました。

<余談2:企業のマネジメントは人次第>
 業種を変えて五度転職しましたが、どの会社でも、自分が社長ならどのようなビジョンで、どのような戦略目標を打ち立て、どのような戦略でそれを実現するかを考えていました。面白いからです。仕事を通じて、異なる分野での社内人材探しも常にしていました。
 ルーツは高校時代の生徒会活動にあったような気がします。部活の予算編成と決算業務を担当しながら、男子は丸坊主という校則があったのでそれを廃止しました。当時は各部の予算編成は生徒会会計に任されていたのです。もちろん日常の帳簿記帳も決算業務も生徒会会計に任されていましたから、権限が大きかったのです。財務大臣のようなものです。
 丸刈り校則があったので、根室高校へ入るために中3の冬休みに生まれて初めて、坊主刈りにしたのです。とりあえず、校則には従うが、理不尽な校則は入学したら、定められた規則に従って改正するつもりでしたが、1年生の三学期に生徒会で提案したら、上級生の副会長二人が、「言い出しっぺのお前がやれ」とやらせてくれました、とってもありがたかった。先輩たちに育ててもらいました。
 二十代後半に産業用エレクトロニクスの輸入商社へ中途採用してもらったときには、入社して1か月たたぬうちに二代目社長の関周さんから5つのプロジェクトを任されています。わたしのほかは役員と部長、それから3人の課長がそれぞれの職務に関係のあるプロジェクトメンバーとして指名されていました。
 長期計画委員会、収益見通し分析委員会、為替対策委員会、電算化推進委員会、資金投資計画委員会の5つ。他に利益重点営業委員会があったが、これは為替レートの変動を反映した円定価表をコンピュータシステムをつくってプリントアウトするものだったので、営業課長の遠藤さんに頼まれて、一緒にやることになった。3か月ごとに全商品の円定価表の改訂版をつくって営業マンに渡した。それまで、受注がある都度、営業マンと営業サポートの女子社員が電卓を弾いて、見積書を作成していたので、営業の生産性がひどく悪かった。事務作業が多くて、得意先にあまりいけない状況にあった。そういう事務作業から、営業職を解放したから、生産性は倍ほどに高まった。粗利益率も27%から42%にアップした。為替についても対策システムをつくったので、為替差損が出ない仕組みに切り換えた。収益構造も財務体質も劇的に変わり、10年後には株式上場を果たしている。しかし、東大出の三代目になってから業績が傾き、2010年頃に上場廃止、他企業に吸収された。

 マネジメントで一番大切なことは、人の能力を見極め、仕事のできる人に任せることでしょうね。自分で何もかもやる必要はないのです。それは良質の仕事を何度も経験することで培われる能力なのだと思います。


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