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#4504 福島第一原発事故:ファクトチェック Mar.11, 2021 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 3/15十16日に高崎の研究機関で観測された高濃度の放射能データが意味するものは何か。高崎の研究機関は核実験を監視するための観測施設で、世界中の観測網の中の一つである。
  2号炉のベントは失敗していたから、ベントによって大量に放射能が出たということはありえぬ。全電源喪失時のベントマニュアルすらなかった。原子力発電は安全だという神話があって、万が一に対する備えがなかった。だからベントに失敗したのだ。東電はベントによって放射能が排出されたと言ってましたが、それが嘘だったということ。ではどこからあんなに排出されたのかという問題が生じます。三号炉が核爆発を起こし十数キロ先でプルトニウムの破片が発見されています。水素爆発にそんな威力はないし、MOX燃料が十数キロ飛ぶほどの爆発ってなに?
 あれが核爆発で、放射能をまき散らしたなら、排出された放射能量の計算の桁が違ってくるでしょう。小児甲状腺癌が多発している問題についてもまったく違った様相を帯びるでしょう。
*やはりベントできなかった2号機 東京電力福島第一原発 (tokyo-np.co.jp)

 消防士による決死の海水注入は炉心に届いていなかったこともずいぶん後でわかった。原子炉内部ではメルトダウンどころかメルトスルーを起こして、原子炉の床がすっぽ抜け、核燃料が融けてコンクリートの床に瓦礫となって固まってしまった。放射能はそばに近づけぬほど強かった。メルトダウンを認めたのは5月ではなかったか。

 水素爆発では放射能は出てこない。どこから大量の放射能が出たのか?三号炉の爆発からの影響が甚大なのではないか?そしてどうして三号炉の爆発(核爆発)が起きたのか、そのメカニズムは10年後のいまに至ってもわかっていない。MOX燃料の原子炉は危ないと思わざるを得ない。それとともに思うのは、原子物理学者の知識など、原発の運用に関しては見えている範囲がとても狭いということ。何が起こったのかさえ10年たってもわからない者たちが、原発は安全だと言い、その規制に関わっている。見えている範囲は狭いにもかかわらず、その自覚がまるでない。それこそがリスクの最たるものだ
 その見本のような対談を見つけたので、お読みいただきたい。核爆発のことなら何でも知っていると神になったつもりの専門家が対談している。

*福島第一原発3号機は核爆発していたのか?  – Fact Check 福島 | ファクトチェック 福島

 FBでお二人物理の専門家とマネジメントなどについて議論することがある。千葉大学名誉教授のお一人は、手に入る材料でさまざまな実験を毎日やっていらっしゃる。実験のデザイン、実験結果の分析について常にオープンで、異論を受け入れてます。もう一人は原子物理の専門家でしたが、青山学院で経済学を教えています。お二人ともとっても謙虚です。世の中わからないことだらけ、だから楽しい。(笑)

 ファクトチェックに必要なのは、小出さんの提供してくれた材料の方だ。この人は人生を原子力発電にかけてきても、なお知りえない部分があることを正直に述べている。
2011年5月のインタビューから。
*5月4日 3号機の爆発は核爆発だったのか? 小出裕章 (MBS) | 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ (wordpress.com)
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小出氏:ですから、私は、水素爆発だと思っていますし、
  いずれにしても、水素爆発が起きた事は確実だと思いますけれども、
  それに伴って核爆発、核暴走ですね、までが起きたかどうかという事に関しては、
  たぶんないと、ずっと私は思って来ました。
  所が、いろいろなデータが次第に出て来まして、
  私が今一番注目しているのは、包括的核実験禁止条約というのがあって、
  世界中のどこかで秘密裏に核実験が行われているかどうかという事を、
  監視するための測定機関があるのです。


  日本の場合はそれが(群馬県)高崎にあって、待機中の微量の放射性物質を
  常に監視しながら、どこかで核実験が行われているかどうかという事を
  ずっと監視している組織があるのです


MC:国際的組織なのですか。


小出氏:国際的な、包括的核実験禁止条約を検証するための組織です。
  そのための日本の組織もあって、それが高崎で観測を続けて来た訳ですが、
  その施設でずっと放射能を計って来た所、
  3月15日から16日にかけての空気中の放射性各種の分析
  もちろんしていたのです。


  その日はちょうど東京にも物凄い濃密な放射性物質が飛んで来た日ですけれども、
  高崎のその研究機関で測定した所、ヨウ素135という放射性核種が
  大量にあったという報告がなされています。
  ヨウ素135という放射性核種は、半分に減るまで6.7時間という
  比較的寿命の短い放射能です


MC:6.7時間で半分になる。


小出氏:そうです。
  3日も経てば1000分の1になってしまう、非常に寿命の短い放射性核種なのです。
  もし、福島の原子力発電所が、3月11日で停止したのであれば、
  その時原子炉の中にあったヨウ素135は、
  3月15日の段階ではもう殆ど無いと思っていいと思います。


MC:そうですね、3月11日から3月15日までの間に、
  もう物凄く微量になっているはずですよね。


小出氏:そうです。
  もう4日経っている訳ですから、何千分の1かになっているはずで、
  ほとんど無いと言って良い位になっているはずなのですが、
  その高崎で計っていた機関の測定結果によると、
  膨大なものがあった、ヨウ素135が。
  もしその測定値が正しいとすれば、
  そのヨウ素135は、3月15日あるいは3月14日に
  生みだされたと考える以外にありません。
  そうすると、3月14日に3号機で爆発が起きたという、
  その時に出来た可能性というのは、考慮すべきかもしれないと思います


MC:という事は、3号機がもし水素爆発であったとしたならば、
  この直後にヨウ素135(間違って145と発言)が
  膨大な量で検出される事は考え難いのですが。


小出氏:水素爆発だけなら、もちろんそんな事はないのですね。
  ですから、水素爆発に誘発されて、
  使用済み燃料プール中の使用済み燃料というものが、
  ある一定の場所に吹き飛ばされて、と言うか、集まって、
  そこで再びウランの核分裂反応が異常に進んだ、
  という状況を仮想するのです。
  仮想するというか、そんな事があったという事がひとつの説明になるかもしれないと。


MC:この時間にヨウ素135(145と間違ったまま)が沢山あるという事の
  説明のひとつとしてはあり得る、考え得るという事ですね。


小出氏:そういう事も考えなければいけないのかな、
  と思うように今私はなっています。


MC:という事は、水素爆発はあって、それを引き金にして、
  もしかしたら核分裂反応が使用済み燃料で進んだかもしれないという事。


小出氏:そのためのひとつのかなり有力な証拠というものが出て来ている訳です。
  ただ、こういう放射性物質の測定というものは、
  東京電力も何度も何度も間違えた情報を出して来た訳ですから、
  高崎のその包括的核実験禁止条約を検証するための測定機関が
  間違った情報を出した、という可能性もあると思います。
  ですから、情報開示(声かぶってよく聞き取れず)は常に注意をしながら
  考えなければいけませんが、もしその測定データが正しければ、
  3号機の爆発というのは、ひょっとすると核暴走という事が起きたのかもしれない、
  と今私は思い始めています。


近藤氏:先生、この事とレベル7との因果関係というものは無いのですか。


小出氏:ありません。


MC:それとは関係ない。


小出氏:はい。
  要するに、核暴走が起きたか起きなかったかという事とは全く関係なく、
  環境に出て来た放射能の量というのは、別に測定されている訳ですね。
  多数の地点で。
  それでもう大量の放射性核種が出て来てしまっているという事は
  確定している訳です。
  ですから、それが壊れて溶けてしまった原子炉の中から出て来たのか、
  あるいは一時的に核暴走という事が起きて、
  ある程度の量の放射性核種がその時に噴き出して来たのか、という事。
  どちらでも良いのですけれども、もう出て来た放射性核種自身の量は
  解っているいますので、
  レベル7はもう動かない事実です。


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#4503 福島第一原発3号機の爆発は何だったのだろう?



*四号機の使用済み核燃料2148本はすでに原発敷地内の共用プールに移設されています。
共用プールに6365本、キャスク仮設置き場に2033本、合計8398本あります。地震で共用プールにひびが入り冷却水が抜けたら、想像するだに恐ろしい。首都圏も含めてアウトだ。
福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ (fukushima.lg.jp)
福島第一4号機使用済み燃料取り出し完了──計画の狂いは規制委のせい? (kakujoho.net)

キャスク」の意味や使い方 Weblio辞書
使用済の核燃料を陸上で安全に保管する「乾式貯蔵」とは?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

 原子力規制委員会の更田豊志委員長のビデオを見たが、いつまでに何をという具体的な考えのない方のようだ。廃炉に向けてどういう最終の姿とそれに向けてどういうスケジュールで何をいつまでにやっていくのか、通常はPERTチャートで管理するが、話を聞いている限りではそういう絵柄がまったく出てこない。マネジメントの素人。
たとえば、「リサイクル備蓄センターの事業許可申請」がいつになるのかは事務局任せでいつになるのか目標値すら示していないように聞こえる。キャスクの耐用年数が来たらどうするかについても考えていない。頭のよい方ではあるのだろうが、マネジメントという観点から見ると、ひどくお粗末。あえていいところを挙げると、前委員長よりは人がよさそうであることは認めたい。
 福島第一原発内での使用済み核燃料や核燃料デブリはそのままサイト内に貯蔵されることになる。誰がやっても原子力規制委員会委員長の職はたいへんだが、原子力分野でマネジメントのできる人材はいないのだろうか?
 2020年9月2日の定例記者会見のビデオのURLを貼り付ける。
「恐れるのは(使用済燃料の)出ていく先が無い状態でキャスク(保存容器)の耐用年数が来てしまうこと」リサイクル燃料備蓄センターの事業許可変更申請について~9.2原子力規制委員会 更田豊志委員長 定例会見 - Bing video


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