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#4285 新型コロナ抗体検査偽陽性について:HIVとの比較 July 7, 2020 [35.1 COVID-19]

 新型コロナ感染症の正式名称はCOVID-19、国際ウィルス分類学会が付けたウィルスの学術分類名称はSARS-CoV-2である。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/2019%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9

 15分程度で検査結果のわかるSARS-CoV-2抗体検査キットがいくつか発売され出しているが、擬陽性が問題になっている。陽性と判定されたが本当は陰性のケースである。

 1980年代後半からHIVのスクリーニング検査がなされているが、SRL八王子ラボウィルス検査課エイズ検査室ではスクリーニング検査で陽性となった検体は、すべてウェスタンブロット法で確認検査をしていた。だから、擬陽性は限りなくゼロ。
 HIV検査に保健所の介入はない。病院から直接検体がSRL八王子ラボへ通常ルートで搬送されてくる。検体を集荷するときに仕分けしているのだろうと思う。

 SARS-CoV-2抗体検査で度応用の手順を考えると、簡易キットで陽性検体をSARS-CoV-2・PCR検査で確認検査を実施すればいいだけ。これで、擬陽性患者を隔離施設に入れて、キャパオーバーになるという危惧は解消できるだろう。

 問題は保険点数である。1350点(13500円)と異常に高い。ほかのPCR検査の保険点数と比べても500点くらいが妥当だろう。PSS社の全自動PCR検査装置を導入すれば、検査コストは数分の一に下げることができる。
 医療従事者が安心して診療に当たるには週1くらいで検査する体制が必要なのだろう。それにはPCR検査コストを下げるべきなのだ。

 東京都はファックスで送信だったり電話確認したりと、わけのわからぬデータを公表しているが、これも、民間検査センターに病院名や個人名の属性を外したデータの公的機関への報告を義務付けたらいいだけ。検査依頼日、検査報告日、市町村名、男女、年齢などの入った精確なデータが収集できる。それをAIで編集してリアルタイムで自動的に公表したらいい。
  いま必要なのは、データ収集の実務デザインができる人と、データを編集してリアルタイムで公表するシステムデザインのできる人材である。5か月たってもまだそんな基本的なことすらできない専門家会議や厚労省。

 臨床医が必要と判断したのに、検査実施の可否を保健所が判断するとか、保健所からデータを集めるなんてことをするから滅茶苦茶になる。エイズのHIV検査のように保健所を介さずに民間検査センターで検査したら問題がなくなる。

 HIVは厚生省が医師から報告のあったデータを収集してエイズサーベイランス委員会が判断したために、初期対応を間違え、先進国で日本だけが患者が増え続けるという大失態を演じた。検査センターに問い合わせたらいいだけだった。もちろん、エイズサーベイランス委員会から問い合わせはなかったし、報告要請もなかった。89年ころに学術開発本部へ異動して、本部の学術情報部長へエイズサーベイランス委員会から問い合わせがあったか訊いてみたことがある。一切なかった。
 1888年だったと思う、SRL八王子ラボだけで毎日2検体は確認検査陽性になっていたから、年間500検体は前後の陽性検体があったが、当時のエイズサーベイランス委員会の公表数字は百未満であった。

 データの収集に関しては厚労省は実にヘタ、そして「前科」がある。また、同じことが繰り返されているとみていい。
 「専門家委員会」が解散され、「分科会」が設置されたが、データがまともでなければ、シミュレーションも対策もあいかわらずいい加減なものになるのだろう
 [garbage in, gabage out ゴミを入れたら、ゴミが出てくる]
 精確なデータ収集に必要な人材は、臨床検査のことがわかるコンピュータ・システムの専門家だが、分科会にはそういうスキルを持った人が見当たらぬ。誰が人選したの?
 民間企業の協力なしにはまともな医療政策はできない時代に30年前からなっているのに、まだ気がつかない厚生労働省の官僚たちと大臣はバカの集まりか?加藤勝信厚労大臣は東大経済学部、新型コロナ担当大臣の西村康稔氏は東大法学部、メリーランド大学大学院国際政治学専攻の修士だそうだ。その後の経歴を見てもお二人とも医療にもシステムにも専門知識や経験がなさそうだ。国難ともいえる状況の中で、ド素人が采配を振るっているということ。碌な対策が出てこないのが当然に見えてきます。我が国はなすべき仕事に対して人を選ぶ基準を間違えているのではないでしょうか?

 臨床検査大手3社を集めてどうすればいいか、1週間の作業期間で、情報収集に関する具体案作成をお願いしてみたらいかが?データの信頼性は格段にアップしますよ。三十数年前のエイズサーベイランス委員会のときにちゃんとやっていれば、こんなことにはならなかった。
 5か月たってもファックス・手入力なんて仕事の改善ができない保健所経由はやめたらよろしい。保健所にはずっとだいじな別の役割があるでしょ。

 北海道新聞に今日から「検証コロナ禍」シリーズが始まっているが、クラスター感染を起こしたアカシアハイツの事例が追跡取材されている。発熱しても上がったり下がったりで四日間連続していないから保健所の了解がとれない、大部屋に収容しているうちに感染が広がってしまった。患者が出たあとも介護老人施設だから、医療の専門家がいるわけでもない。感染症予防の具体的な指導は保健所の役割だろうが、なされていない。検査要請の電話の殺到で手が回らなかったのだろう。


https://chigaitantei.com/corona-bunkakai/
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7/6現在のメンバーは、18名で次の通りです。

  • 尾身茂★(分科会長) 地域医療機能推進機構理事長
  • 石川晴巳 ヘルスケアコミュニケーションプランナー
  • 石田昭浩 連合副事務局長
  • 今村顕史 東京都立駒込病院感染症センター長・感染症科部長
  • 太田圭洋 日本医療法人協会副会長
  • 大竹文雄 大阪大院経済学研究科教授
  • 岡部信彦★ 川崎市健康安全研究所長
  • 押谷仁★ 東北大院医学系研究科微生物学分野教授
  • 釜萢敏★ 日本医師会常任理事
  • 河本宏子 ANA総合研究所会長
  • 小林慶一郎 東京財団政策研究所研究主幹
  • 清古愛弓 全国保健所長会副会長
  • 舘田一博★ 東邦大微生物・感染症学講座教授
  • 中山ひとみ★ 霞ケ関総合法律事務所弁護士
  • 平井伸治 鳥取県知事
  • 南砂 読売新聞東京本社常務取締役・調査研究本部長
  • 武藤香織★ 東京大医科学研究所公共政策研究分野教授
  • 脇田隆字★ 国立感染症研究所長

★印をつけたメンバーが、専門家会議のメンバーでもありました。

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