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#4163 統合型リゾートをめぐる議論 Jan. 6, 2020 [8. 時事評論]

<最終更新情報>
1/7朝8:30 過剰富裕化論追記

 中国企業「500ドットコム」が、IR(統合型リゾート)事業進出のために国会議員におカネをばらまいた容疑で関係者が取り調べを受けている。ルスツがその舞台だそうだが、ここはIRの候補地としてはもう消えた。政治主導で候補地は、大阪(維新)と横浜(菅官房長官)に絞られている。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/「約2千万円もらっているir三羽烏の議員がいる」秋元容疑者が逮捕前に語る-便宜供与リスト30議員/ar-BBYDBgI?ocid=spartanntp
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 東京地検特捜部が衆院議員らを事情聴取していたことが判明した。100万円の提供を受けたと指摘されているのは、前防衛相の岩屋毅氏(自民、大分3区)、中村裕之氏(自民、北海道4区)、船橋利実氏(自民、比例北海道)、宮崎政久氏(自民、比例九州)の4人と元郵政担当相の下地幹郎氏(日本維新の会、比例九州)だ。5人はIR誘致を表明している、北海道、九州、沖縄から選出されている。
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 年間売上が1500億円予定されているようだから、この事業の誘致に百億円程度のお金が動いても不思議ではない。中国系企業はおカネのわたしかたを知らなかっただけだろう。米国系カジノ資本だってきっと同様の活動はしていますよ。強力な法律事務所がいて上手にお金を投じているから、贈収賄疑惑が浮上しないだけ。こういう点は中国企業はこれからスキルを磨くべきだね。


 どういうお金のわたし方があり、活動があるかの一例を、例の「桜を見る会」問題の一方の当事者であるジャパンライフが教えてくれている。朝日新聞の政治部長に顧問料として3000万円支払っていた。顧問契約を結んでお金を支払っている。金銭に対する対価は知れたことだが、契約書上は大義名分が書かれているのだろう。お金に弱いのは政治家だけではない、かようにマスコミも簡単に買収される。朝日新聞社政治部長だけではない、官僚にも支払われていた。合計1億4000万円だそうだ。桜を見る会が問題にならなければバレなかったのだろう。新聞の論調すらお金しだいの世の中です。資本主義社会が欲望を抑えきれずに進化すると拝金主義社会となるのかもしれない。
 サピエンスは自我本能を抑え無限に肥大化する欲望にブレーキを掛けなければいけない段階に突入したようで、経済学もその原理を変更しなければならない、つまり経済学の公理とは何かを問い、それを変えるということ。弊ブログカテゴリー「資本論と21世紀の経済学(初版)(32)」と「資本論と21世紀の経済学(2版)(26)」で詳述した。馬場宏二先生の「過剰富裕化論」も生産力の無制限な発展が地球の生態系を破壊し、人類の生存を脅かすことに言及していた。
*http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191219/dom1912190008-n1.html

 経営の観点から見ると統合型リゾートというのはカジノそのもので、カジノを外したらいわゆる「統合型リゾート」の経営は成り立ちませんそれゆえ、経営の観点から見ると、面積の97%を占めるショッピングモールや国際会議場やホテルはカジノのおまけのようなもの。おまけを大きくして、本質を隠す、うまい手です。事象を反対側から見ると、不採算の大型リゾート施設の赤字を穴埋めしてなお余りあるだけ、カジノは儲かるということ。
 施設の面積割合で判断するとこの事業の本質を見誤ります。利害を離れて経営構造という視点から数字をみる必要があります。
 北方領土の「2島返還」というのと一緒です。如何にも半分返還されるように響くでしょ、大嘘です。残りの2島(国後島と択捉島)の面積は北方領土全体の93%です。「2島返還論」正しくは「7%返還論」というべき。

 ありのままを堂々と主張すればいいのです。競馬・競輪・競艇・パチンコがすでにあります、そこにカジノが加わってなぜいけないのかと。お客の少ないショッピングモール、ほとんど利用されない赤字の国際会議場、そして割安な豪華ホテル、どれも採算が合わなくても維持します、カジノの儲けでカバーします、カジノの客の80%は地元住民の皆様を予定しています、そう正直に言えばいい。

 パチンコ業界は警察生活安全課の有力な天下り先(機器製造メーカ、カード会社)、IRも関係省庁の天下り先になります。IR事業誘致は
あらたな利権の争奪戦なのです。利権争奪戦から外れて、おこぼれにあずかれない野党が反対するのは当然です、メリットがありませんから。思い出すのは消費税増税、選挙のときには反対してましたが、政権獲ったとたんに意見が180度変わりました。事業見直しのコストカットだけでは財政再建が無理だとわかったからでしょう。無知と経験不足からでた変節でした。嘘をつくつもりはなかったが、無知と経験不足を思い知らされました。あれ以降、何を言おうが信用されません。人のうわさは75日、そうは問屋が卸さないケースもあるということ。学びはときに痛みを伴います。投票した国民も。
 政権は変わっても、なんだかあの頃の民主党政権となにやらちっとも変らない、嘘ばかりに見えます。モリ・カケ問題では記録の改竄してもオーライ、「桜を見る会」では「記録はない」、それで通るのですから。


 さて、本題に戻りましょう。正直こそが最善の道、堂々と主張したらいい、それでだめならIRはいらないのです、いけませんかね?



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