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#3934 釧路/根室でいずれ起きる上場企業の出現:大きな流れを読む Feb. 19, 2019 [11. 中小企業家育成コラム]

<最終更新情報>
 2/20 夜11時

 弊ブログを書き始めてからすでに12年が過ぎたが、繰り返し、この地から上場企業を生み出すことが地域経済の閉塞状況を打破するために必要だと説いてきた。それぞれステージと業種の異なる3社の株式上場に社員として仕事でかかわった経験からの言である。

 釧路と根室の企業はこれから人材確保で苦労することになる。都会の標準とはまるでかけ離れた閉鎖的な経営の会社が多いからだ。優良な会社になっていい人材を採用するには、地元企業が自ら経営改革をしなければならない。そうしたときに上場基準をクリアすることが一つの基準となるだろう。
 いつまでも閉鎖的で、社長一族だけがおいしい思いをしているような企業は人材確保ができなくなって行き詰まる。だから、生き残るためには経営改革が必須の時代になってきた、少子高齢化が釧路と根室の企業に経営改革を迫ることになる。道内のほかの地域だって同じだ。
 だから、オープン経営へ舵を切れなんてもう言う必要がなくなった。舵を切らない企業は優良な人材確保ができずに勝手に沈んでしまう。経営改革できた会社が永続する。凡庸な経営者ではやっていけない冬の時代へ季節が変わりつつある。

 実際の上場準備作業に入るにはメインバンクには当然話がいく、話を聞いて具体的な段取りを説明することができなければ、メインバンクを変えなければならない。段取りの概要説明を聞いたら、幹事証券会社を決める、幹事証券から担当者が派遣されてきて、プロジェクトが立ち上がり、上場要件に合わせて社内の制度改革がスタートする。地元金融機関は証券会社とお付き合いしていたほうがいい。
 地元金融機関の役割が大きく変化するのではないだろうか。いままでやったことがない株式上場アシストという営業戦略がビジネスの柱になり、ビジネスチャンスがうまれるということ。既存顧客の株式公開を手伝うことで、株式上場を果たして事業をスケールアップしてくれたら、優良な新規顧客の開拓の十倍の効果がある。
 取引先企業の株式上場を支援し、増資と借入をバランスよくやってもらえば、預金獲得と融資の両方でビジネスが拡大できる。株式上場をすれば、その企業は数十億円のお金を手にできる。個人の預金獲得ではたかが知れているが、法人相手の大型の預金獲得ができる。大手都市銀行のやっていた営業戦略である。

 株式上場と言っても、特別なことをするわけではない。会社決算を社員へ公表する、内部統制を明確にする、品質管理部門を工場から独立した本社直轄部門とする、社内諸規程を整備する、予算制度を整備しその精度を上げる、そういう経営の仕組みづくりで基本的なことを徹底的にやるだけ

 地域経済の大きな変化は1社が株式上場したそのあとに起きる。上場する企業だけではおさまらない、規模の小さい企業でも上場企業並みのオープン経営に切り換えられたら、都会へ進学した若者たちが、地元の優良企業へ就職したくて戻ってくる。地元に上場企業があれば、それを自分の目で見て経営スタイルの真似もできる。真似ているうちにいつかそれは本物へと変わる。上場企業が地元に一社出現すれば、それは富士山のようなもので、すそ野にそういう可能性をもった小さな会社の群れができるということ。地域経済の活性化にとてつもない大きな影響が及ぶことになる。教育への関心も自然に高くなる。市民の意識が根っこのところから変わるからだ。

 わたしのいた会社SRLでは、東証一部上場したとたんに社員募集への応募が1万人に跳ね上がった。その年の採用はたったの20人だった。会社の知名度も信用度も飛躍的に上がり、とくに人材募集に関しては事情を劇的に変えてしまう

 12年前に根室の経営者たちに先見の明があり、時代の変化の兆しに気がついて取り組んでいたら、もう根室で上場企業が姿を現していただろうオーナは数十億円の自社株をもち、従業員持ち株会で、従業員たちの持ち株も高い評価額になる、そういう企業を根室市民が自分の目で見ていただろう。残念ながら、オール根室のメンバーは補助金や「ふるさと納税」が大好きで、自助努力が嫌い。楽をして経営改革を怠っていたらろくなことにならない。閉鎖的な経営に閉じこもり、頑迷固陋、時代の先が読めなければ、時代の変化についていけない時が来る。
 先を見る目があれば自滅する前に経営改革できる。地元に上場企業がないので自分の目で見たことがない。20年ほど前の時点でもSRLでは古い社員なら管理職でなくても5000万円ぐらい自社株を保有している人がざらにいた。多い人で課長職で3億円というのがいた。
 時代の先を見る目があったら、未来を手元へ手繰り寄せることができる。目がなければ、30年かかってしまうか間に合わずに自滅していく。

 my company から our company へいずれ、この地にも上場企業は誕生する、それはそういうニーズが優良な人材確保という一点から大きくなっているからだ釧路・根室管内で上場企業が出現すれば、経営改革しない閉鎖的な企業へにとっては弔いの鐘となるだろう。優良な人材は地元の上場企業へと流れる、この流れはとても強いから、ほかの企業はますます人材確保が厳しいものになる。
 上場企業の本社が釧路あるいは根室にあれば、上場企業の社員がどういうものが実例を日常生活で見聞きすることになる。年収、退職金制度、予算制度やボーナスの違いも目の当たりにする。小学生だってそういう企業に勤める家の子と付き合いが始まる。目の接触が始まる。実際に自分の目でみたら考えや意識が変わるだろう。実例が一つ二つと増えていけばいい。上場企業の出現によって地域社会構成メンバーの意識が根底から変わる


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