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#3868 教育講演会⑤:教育長は外出中 Dec. 1, 2018 [70.秋田県大館市教育長講演会]

 秋田県大館市教育長高橋善之さんの講演会レポート5回目、最終回を書こうと思う。

 高橋さんは、ほとんど席にいない、外出しているのである。どこへ行っているかというと、人口73,000人の町の小中学校を回って、先生たちの授業をチェックしている。
(大館市の小中学生の数は4600人、根室市(人口25,000人)は1学年200人とすると小中学生総数は1800人である。)

 市内の各校を常時回って先生たちの授業をモニターしているのは驚きだ。高橋さんは授業をモニターするだけでなく、評点もつけている。最低ランクをつけた先生には人事面も含めて「それなりの対応」をしていると言ったが、具体的な内容は明らかにしなかった。「一人も置き去りにしない教育」は授業の質を高いレベルで維持しなければなしえない。学力は授業の品質と生徒の集中力次第で高くなる。そのために労を惜しまず、言いづらいことも言う。

 翻(ひるがえ)って、根室の歴代の教育長で、学力レベルを上げるために市内の全校の授業を実際にモニターした人が一人でもいただろうか?大館に生まれ、大館の小中高を卒業した高橋さんは、郷土愛が強い人である。大館の教育改革はそうした強い郷土愛に支えられている。
 児童・生徒の数からいうと根室は大館の4割に過ぎないのだから、作業はずっと軽いはず。要は、自前で必要な人材を育てるために、この地域の子どもたちの学力をアップしようという熱意があるかという問題だろう。
 
 文科省が全国1000校で保護者の学歴・年収などのデータをとっているが、大館市はどちらも全国平均以下、ところが五年続けて高い学力を維持した10校の内、大館市の学校が2校選ばれている。偏差値で言うと73くらいだ。
 大館市全体では、教員の欠員が7人欠員、そして70人の講師が投入されているが、それでも教育の品質は維持されている。

 「大館にできたことは他の町でもできる」と高橋さんが強調していた。とくに釧路市はキッズロケット(小中学生のミュージカル集団)や劇団東風が長年活動して、地域に根付いている。これらが学校教育とむすびついて動き出したら、大館よりももっと大きな教育改革の歯車が動き出す可能性があると指摘していた。
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余談: 羅臼の町にも昔はアマチュア劇団があって、全国準優勝したことがある。そのメンバーの一人、同級生のD目は数年前に故郷へ戻ったが、地域でそうした活動はやっていない。しかり羅臼の町にも芽はあるということだ。町教委と連携して学校を巡回して朗読指導をやってもらいたいな。学校教育では、児童書から大人の本への橋渡しがまったくできていない。この分野は地域の手助けがいる。劇団活動経験のある者たちは朗読が抜群にうまい。東風の片桐さんの技はすばらしい。
 この講演会の司会はずいぶんこなれた女性だった、臨機応変なやり取り、「〇〇校長、質問あるはずですが」と30歳くらいの人なのに大胆だなと思っていた。正面向かって左手脇に並べられた椅子に座っていたわたしの席からは司会者が見えなかった。「今日の司会は誰?若い女性なのに上手な司会だった」と隣の席の仲間に訊いたら大笑いされました。「潤子さんだよ」「え、金安さん、ずいぶん若い声だった」。キッズロケット主宰者の金安潤子さんだった。ミュージカル指導をしているから、ボイストレーニングを欠かさないのだろう。
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 学び合いの授業も修学旅行での大館のいいところの説明も、すべて各校に任されている。高橋さんはそれらを「百花繚乱」と名付けていた。

 成果を上げている大館の教育システムに、全国から見学依頼が舞い込んでいるという。歓迎するのでいつでもおいで下さいと言って講演会を締めくくった。大館市教委はオープンである。

  今回の講演会の仕掛け人は月田さん、かれの行動力には脱帽です。釧路市議会議長をやっていた時に大館に出向いて高橋教育長に会ってきています。同じ大学の同じ学部同じ学科の後輩ですがえらい奴がいたもんだ。(笑)
 月田さんのブログ「くしろよろしく」に、講演会のアンケートに書かれた感想文が6つ紹介されています。教員、市職員、学生の方の感想です、ぜひご覧ください。
*4408回 アンケートの声
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51867660.html

転載しちゃいます。10年ほど前からOKという取り決めになっているので。
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昨日の教育講演会。
 多くの感想が寄せられました。

 ほんの一部だけですが紹介したいと思います。
 (一切修正は加えていません^^)


〔学校関係者 男性〕
 「大館市全体の教育プログラムが形成されていることに驚いた。実践に基づいたお話しで、とても参考になりました。実際の教育の場面を見たいと思います。」

〔学校関係者 男性〕
 「置き去りにしない教育を言葉として頂いた。現場では、そうしているつもりであっても、結果的に置き去りにしていることも散見される。今一度、見直しをしていかなければならないと感じた。」

〔学校関係者 男性〕
 「教育の持つ力の大きさを改めて感じた講演会でした。教育に何ができるかを真剣に考える大人の姿勢が子ども達に伝わることで、子ども自身が能動的になるということを大館市の実践から学びました。縦の一貫と横の連携が大切であることは、これまでも考えてきましたが、考えるだけでは何も前には進まないということだと思います。まずは、自校において何ができるかを改めて校内で話し合っていきたいと思います。」

〔学生 女性〕
 「学校も教師自身も閉鎖的にならず、周りとつながる、組織的に動くことの大切さを改めて実感しました。一人たりとも置き去りにせず、一人一人を幸せにすることのできる教師を目指したいです。」

〔学生 男性〕
 「ふるさとキャリア教育は社会に開かれた教育の中にあり、学校教育だけでは完結できないというのが印象的でした。子どもたちが成長していくために、どんな授業をすればいいのかを知る機会になったので、とても良かったです。」

〔学生 女性〕
 「私は、将来教員になりたいと考えているので、教員になった際、人間力を育てる、学び合いの授業を展開したいと思いました。また、秋田県大館市の教育現場を生で見たいと思いました。」

〔市職員 男性〕
 「特別支援学校でのエピソードは、涙がこぼれる程その場面が目に浮かびました。少し前には教育行政に係わっていたこともあり、今回お話を伺った事は仕事の中でも、二人の子どもの父としても大変大切にしていきたいと思える内容が沢山ありました。未来に何が残してあげられるか考え、市民の一人としてできることを改めて考えてみたい。」
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