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#3867 教育講演会④:修学旅行の巻 Nov. 30, 2018 [70.秋田県大館市教育長講演会]

 秋田県大館市教育長高橋善之氏による講演会4回目は小学校と中学校の修学旅行をとりあげる。これが郷土愛を育む強力な装置になっている。ふるさとが大好きだという高校生はいまでは3人の内2人もいる。

 根室にお住まいの方は、以下の市民意識アンケートをご覧になって比較しながらお読みいただきたい。
*#1395 根室市23年度予算案:「根室再興」???  Feb. 25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
#2332 19~29歳対象 根室市アンケート 異常に低い回収率13.2% Jun. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16


 大館市の小学校の修学旅行は北海道の玄関口、函館である。函館の隣の木古内町(人口4191人)で地引網体験もプログラムに組まれている。生徒たちは受け入れた人たちへ、お礼の意味も込めて大館のいいところを説明するのだそうだ。修学旅行は行く前に大館のどんなところがすばらしいのか考えることから始まっている。そして、大館のいいところを伝えるためにさまざまな資料作りの工夫もする。こうやったらこんな反響があるかな、ああやったら笑ってもらえるかな、想像した通りに行くのか行かないのか、実際にやってみなくっちゃわからない。思った通りには行かないところが、味噌だろう。そこから学ぶことが大きい。
 中学校の修学旅行は花の都・東京である。小学生の時に一度体験しているから、大館のどこがいいかはよく知っている。大館は忠犬ハチ公のふるさと、きりたんぽの町である。どちらも全国的に有名だ。渋谷駅の中堅ハチ公銅像前や麻布で通行人に話しかけて大館のいいところを説明するのだそうだ。ところが、聞いてくれるのは20人に一人ぐらい、ほとんどの人に「拒否られる」。何かの勧誘だと勘違いされるのだろう。誤解が解けたらそこから話が始まる。一生懸命に大館のいいところを説明するのだろう。ほほえましい。

 こうした修学旅行をするようになって十年、ずいぶんと小学生、中学生、高校生の意識が変わった。いまでは高校生の3人に2人が大館が大好きだという。
(大人がちゃんとしてなきゃいけないよ。郷土愛よりも私利私欲を優先する姿を何度も何度も見せつけられたら、子どもたちの郷土に対する意識が変わってしまう。)

 中学生の話題のついでに、職場体験の話をしたい。職場体験はどこの地域でもやっている。根室も各中学校が職場体験受け入れ先を探して個別に取り組んでいる。
 大館市では市教委がこれらの仕事を受けもっている。職場体験先の開拓は市教委がやり、ホームページ上で受け入れ先ごとに日程を公表し、生徒の参加を募る。生徒は行きたい職種と企業を選んで直接市教委へ申し込む。スマホでやってもいいし、市教委へ出かけて申し込んでもいい。学校は一切関与しないから、これらの準備作業から解放されている。先生たちの仕事の負荷軽減で市教委にできる部分は肩代わりしているのである。

 修学旅行を通して郷土愛を育む。小学6年生で経験し、中学3年生でもう一度大館のよいところを見つめなおす、そういうことが仕組みとして定着している、素晴らしいと思う

 次回はこの講演会シリーズの最終回です。「大館市教育長は自分の部屋に滅多にいない!」、どこでなにしてるのでしょう?案外シビアなんだ、乞うご期待。

#3351 根室市の人口減少の現状と対策: 前年同月比543人減 July 5, 2016
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05


*#3570 中標津町立病院は年間15.2億円の赤字: 根室は? July 22, 2017
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22-1



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