#3536 著しい成果をあげた生徒:入塾五か月で英数二科目学年トップ May 3, 2017 [63. チャレンジ(教育)]
【あきらめない】
昨年12月に入塾した生徒がいる。数人の生徒が出てくるのでk君としよう。
k君に入塾動機を訊いたら、英語のテストが2回続けて下がり、慌てて塾を探したという。お母さんが塾を選んだが、k君のほうにも文武両道が意識にあったのだろう。体育会系の部活で毎日トレーニングに励んで、見事に両立させた。
1年の2学期から英語授業は文法事項が多くなるので、ここで落ちこぼれたら、3年間浮き上がれない生徒が多い。すっかり苦手意識がついてしまい、勉強するのが苦痛になってしまう。論語にも「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者、(これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)」とある。英語を勉強するのが苦痛になったら厄介だ。
英語が苦手の生徒には音読が下手な者が多いので教科書を読ませてみた。なるほど、これでは成績が下がるわけだ。こういうときは3か月ほど補習体制をとる。週に一度、教科書を使って英語の音読トレーニングをすることにした。毎日、家に帰ったらすぐに3度、ご飯を食べ終わったら3度、お風呂にないったあと3度、教科書のやっているところを大きな声で音読するように指示した。週に1度だけ塾で音読トレーニングしても、家で繰り返さなければ効果はない。
一文ごとに音読、そして意味解説、次は場面のイメージを浮かべながら数回音読を繰り返す。読みにくいところは10回読ませ、30‐40分くらい音読トレーニングをする。たまにはディクテーションも試みる。耳で聞き分けられても書けない単語がチェックできる。音読に慣れたら、一文を3回読んで、一気書きさせる。最初はできないが、3か月たつ頃にはずいぶん書けるようになった。
2月の学力テストで手応えを感じた。3月の学年末テストで90点に近い点数をたたき出した。そして4月の学力テストでは94点で学年トップに躍り出た。入塾直前の2学期期末テストに比べて60点弱点数を上げた。数学も86点で学年トップ。二科目同時達成おめでとう。
何度か前日の音読回数をチェックしたが、部活が忙しいから音読は指示した半分程度の様子。そろそろ習慣になっていてくれたらうれしい。狙いは音読の習慣化である。
いまk君に1か月に2度やっている音読補習は、英語と日本語。日本語音読テクストは斎藤隆著『語彙力こそが教養である』を使用している。この本がすらすら音読できるようになれば、学力テストで国語の点数が80点を超えるだろう。高速音読ができれば文章の読解精度が飛躍的に上がるので、他の科目にも良い影響が出る。数分間で予習も可能になる。理科の教科書も社会の教科書も日本語で書かれているから、これらが高精度かつ高速で読めたら、成績が上がらぬはずがない。「読み・書き・そろばん」というが、学習の基本を優先順位の高い順に並べた至言である。
3年間で10冊の音読トレーニングを済ませた3年生L君は、学力テストの国語の点数が9割前後をキープしている。この生徒は中学生になってから2年間学年トップを獲り続けている。四月の学力テストは全科目トップだった。目標の270点に3点足りなかったと悔しがっていた。2位との差は五科目300点満点で65点ある。1年の最初の学力テストでは2位との差が1点だった。回を重ねるごとに五科目合計点が開いている。学年トップは「行き掛けのお駄賃」に過ぎない。中3の今年1年間は難関大学受験に向けての大事なステップ、高校数学と高校英語と良質のテクストを選んだ日本語のトレーニングはいままでよりもかなりきつくなっている。難関大学用の問題集を解くために高校三年の最後の1年間を使えるようにしておかなければならないから、1.5年分ほど先行学習するスケジュールで勉強している。今年一年間で大化けすることを期待している。
英数が学年トップに踊り出たk君は、昨日得点通知表(得点通知表の配布がずいぶん遅れた)をもってきた。いい笑顔だった。五科目合計点370点台でクラストップ、学年2位である。学年順位は前回よりも6つ上がった。社会科が苦手だが、80点超の得点はそう難しいことではない。国語と社会で11月の学力テストは50点ほどあげられるだろう。この生徒の伸びしろはまだまだ大きい。次の目標は学力テストで五科目合計点420点。四月の学力テストの学年トップは「400-450点」の階層にいる。現在の学年トップが半年先にさらに30点ほど点数を上げていたら幸いだ。強いライバルがいたほうがいい。学力テスト450点超で学年トップ争いをしてもらいたい。10年ほど前なら、五科目400点でも学年10番以内は無理だった。k君の中学校は市街化地域で一番レベルが高かったのである。
いままでの塾生を見ていると、数学の成績が先に上がりだすのが通例である。数学が80点を超えると、半年遅れで英語の点数が急激に上がりだすのがよくあるパターン。数学と英語が同時に学年トップに躍り出たのは初めて見た。
本人の素直さと努力のたまもの、素直に努力できる子育てをしたご両親もえらい。
昨年11月に同じ学年のm君生徒が入塾してきた。この生徒も英語が苦手だった。週1日音読トレーニング補習をしたが、2か月ぐらいで補習には来なくなった。きつかったはずだ。補習は強制ではないから、わたしはよかったら補習をしてあげると提案するだけで、やるやらないは生徒と保護者の判断に任せている。そこそこ成績が上がったから、本人はそれで満足しているようだ。伸びしろがまだあるので、もっと欲を出してもらいたい。(笑)
もう一人同じ学年の生徒n君が4月に入塾してきた。英語テストの点数が悪いので、この生徒も教科書を読ませてみたら、音読トレーニングの必要あり。4月半ばから、音読特訓トレーニングは月に2回に減らしている。それで十分成果があげられる。急いではいけない。90分の音読トレーニングは体力勝負のところがあるから、楽しいけどやるほうもきつい。だが効果は抜群だ。(笑)
k君が五か月で英数の両方の成績がアップしたのは、ハンドルネームHirosukeさんや後志のおじさんからトレーニング方法を教えてもらったことが寄与している。もっと時間がかかると思っていたが、案外即効性が強い。音読トレーニングの時に発音記号の説明もしているから、生徒は教科書の右側の欄外にある新出単語の発音記号が読める。発音とスペルの関係の理解に効果がある。そして、教科書の文を使って生成変形文法的な解説、語順の解説を繰り返す。それだけ。
2年生の11月の学力テストで数学0点の生徒がもう十数年前に来たことがあった。友達と二人で来た。テストの点数を上げたいというので、期末テストまで3週間部活を休んで、学校が終わったらまっすぐに塾に来るように伝えた。3週間あっただろうか、二人とも毎日ちゃんと来た。一日4‐5時間の補習だった。0点だった生徒は期末テストで88点、10点台だったもう一人は76点だったかな。熱心な生徒二人だった。
こういうことはたまにある。20人に一人ぐらいの割合で、短期間で急激な学力の伸びを示す生徒がいる。いまはどんなに成績が悪くても、心の底から勉強がわかるようになりたいと願えば、そういうタイミングなら、絶大な効果が出ることがある。あきらめるな、そういうこと。
ニムオロ塾は体力の低下を考慮して四月から土曜と水曜日を休日にした。少数の生徒を相手に個別指導で丁寧に教えられることが大きなメリットだ。現在塾生は十数人いる。いまの体制なら、体力が少々落ちても当分続けられそうだ。
昨年12月に入塾した生徒がいる。数人の生徒が出てくるのでk君としよう。
k君に入塾動機を訊いたら、英語のテストが2回続けて下がり、慌てて塾を探したという。お母さんが塾を選んだが、k君のほうにも文武両道が意識にあったのだろう。体育会系の部活で毎日トレーニングに励んで、見事に両立させた。
1年の2学期から英語授業は文法事項が多くなるので、ここで落ちこぼれたら、3年間浮き上がれない生徒が多い。すっかり苦手意識がついてしまい、勉強するのが苦痛になってしまう。論語にも「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者、(これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)」とある。英語を勉強するのが苦痛になったら厄介だ。
英語が苦手の生徒には音読が下手な者が多いので教科書を読ませてみた。なるほど、これでは成績が下がるわけだ。こういうときは3か月ほど補習体制をとる。週に一度、教科書を使って英語の音読トレーニングをすることにした。毎日、家に帰ったらすぐに3度、ご飯を食べ終わったら3度、お風呂にないったあと3度、教科書のやっているところを大きな声で音読するように指示した。週に1度だけ塾で音読トレーニングしても、家で繰り返さなければ効果はない。
一文ごとに音読、そして意味解説、次は場面のイメージを浮かべながら数回音読を繰り返す。読みにくいところは10回読ませ、30‐40分くらい音読トレーニングをする。たまにはディクテーションも試みる。耳で聞き分けられても書けない単語がチェックできる。音読に慣れたら、一文を3回読んで、一気書きさせる。最初はできないが、3か月たつ頃にはずいぶん書けるようになった。
2月の学力テストで手応えを感じた。3月の学年末テストで90点に近い点数をたたき出した。そして4月の学力テストでは94点で学年トップに躍り出た。入塾直前の2学期期末テストに比べて60点弱点数を上げた。数学も86点で学年トップ。二科目同時達成おめでとう。
何度か前日の音読回数をチェックしたが、部活が忙しいから音読は指示した半分程度の様子。そろそろ習慣になっていてくれたらうれしい。狙いは音読の習慣化である。
いまk君に1か月に2度やっている音読補習は、英語と日本語。日本語音読テクストは斎藤隆著『語彙力こそが教養である』を使用している。この本がすらすら音読できるようになれば、学力テストで国語の点数が80点を超えるだろう。高速音読ができれば文章の読解精度が飛躍的に上がるので、他の科目にも良い影響が出る。数分間で予習も可能になる。理科の教科書も社会の教科書も日本語で書かれているから、これらが高精度かつ高速で読めたら、成績が上がらぬはずがない。「読み・書き・そろばん」というが、学習の基本を優先順位の高い順に並べた至言である。
3年間で10冊の音読トレーニングを済ませた3年生L君は、学力テストの国語の点数が9割前後をキープしている。この生徒は中学生になってから2年間学年トップを獲り続けている。四月の学力テストは全科目トップだった。目標の270点に3点足りなかったと悔しがっていた。2位との差は五科目300点満点で65点ある。1年の最初の学力テストでは2位との差が1点だった。回を重ねるごとに五科目合計点が開いている。学年トップは「行き掛けのお駄賃」に過ぎない。中3の今年1年間は難関大学受験に向けての大事なステップ、高校数学と高校英語と良質のテクストを選んだ日本語のトレーニングはいままでよりもかなりきつくなっている。難関大学用の問題集を解くために高校三年の最後の1年間を使えるようにしておかなければならないから、1.5年分ほど先行学習するスケジュールで勉強している。今年一年間で大化けすることを期待している。
英数が学年トップに踊り出たk君は、昨日得点通知表(得点通知表の配布がずいぶん遅れた)をもってきた。いい笑顔だった。五科目合計点370点台でクラストップ、学年2位である。学年順位は前回よりも6つ上がった。社会科が苦手だが、80点超の得点はそう難しいことではない。国語と社会で11月の学力テストは50点ほどあげられるだろう。この生徒の伸びしろはまだまだ大きい。次の目標は学力テストで五科目合計点420点。四月の学力テストの学年トップは「400-450点」の階層にいる。現在の学年トップが半年先にさらに30点ほど点数を上げていたら幸いだ。強いライバルがいたほうがいい。学力テスト450点超で学年トップ争いをしてもらいたい。10年ほど前なら、五科目400点でも学年10番以内は無理だった。k君の中学校は市街化地域で一番レベルが高かったのである。
いままでの塾生を見ていると、数学の成績が先に上がりだすのが通例である。数学が80点を超えると、半年遅れで英語の点数が急激に上がりだすのがよくあるパターン。数学と英語が同時に学年トップに躍り出たのは初めて見た。
本人の素直さと努力のたまもの、素直に努力できる子育てをしたご両親もえらい。
昨年11月に同じ学年のm君生徒が入塾してきた。この生徒も英語が苦手だった。週1日音読トレーニング補習をしたが、2か月ぐらいで補習には来なくなった。きつかったはずだ。補習は強制ではないから、わたしはよかったら補習をしてあげると提案するだけで、やるやらないは生徒と保護者の判断に任せている。そこそこ成績が上がったから、本人はそれで満足しているようだ。伸びしろがまだあるので、もっと欲を出してもらいたい。(笑)
もう一人同じ学年の生徒n君が4月に入塾してきた。英語テストの点数が悪いので、この生徒も教科書を読ませてみたら、音読トレーニングの必要あり。4月半ばから、音読特訓トレーニングは月に2回に減らしている。それで十分成果があげられる。急いではいけない。90分の音読トレーニングは体力勝負のところがあるから、楽しいけどやるほうもきつい。だが効果は抜群だ。(笑)
k君が五か月で英数の両方の成績がアップしたのは、ハンドルネームHirosukeさんや後志のおじさんからトレーニング方法を教えてもらったことが寄与している。もっと時間がかかると思っていたが、案外即効性が強い。音読トレーニングの時に発音記号の説明もしているから、生徒は教科書の右側の欄外にある新出単語の発音記号が読める。発音とスペルの関係の理解に効果がある。そして、教科書の文を使って生成変形文法的な解説、語順の解説を繰り返す。それだけ。
2年生の11月の学力テストで数学0点の生徒がもう十数年前に来たことがあった。友達と二人で来た。テストの点数を上げたいというので、期末テストまで3週間部活を休んで、学校が終わったらまっすぐに塾に来るように伝えた。3週間あっただろうか、二人とも毎日ちゃんと来た。一日4‐5時間の補習だった。0点だった生徒は期末テストで88点、10点台だったもう一人は76点だったかな。熱心な生徒二人だった。
こういうことはたまにある。20人に一人ぐらいの割合で、短期間で急激な学力の伸びを示す生徒がいる。いまはどんなに成績が悪くても、心の底から勉強がわかるようになりたいと願えば、そういうタイミングなら、絶大な効果が出ることがある。あきらめるな、そういうこと。
ニムオロ塾は体力の低下を考慮して四月から土曜と水曜日を休日にした。少数の生徒を相手に個別指導で丁寧に教えられることが大きなメリットだ。現在塾生は十数人いる。いまの体制なら、体力が少々落ちても当分続けられそうだ。
<余談>
B中学校2年の五科目合計点を見ると、
401-450点 1人
351-400点 3人
301-350点 6人
251-300点 9人
201-250点 11人
151-200点 7人
101-150点 11人
51-100点 8人
合計 56人
10年ほど前なら、この学校には150点以下がゼロということがあった。19人33.9%の成績階層が存在しなかった。学力低下の著しいことがデータからわかる。五科目合計平均は206.3点。200点を切りそうだ。学級崩壊ラインが220点だからそれより低い。C中学校2年生は215.4点。
五科目合計点400点は、高校生の進研模試で全国偏差値48付近で、真ん中の50に届かないのが現実だが、そういうことを知っている中学生はほとんどいない。もちろん保護者もそういう全国レベルの学力水準を知らない。学年トップなら北大に合格できると勘違いする。
数学は壊滅状態といってよい。中学校だけでなく小学校に大きな問題がありそうだ。小中連携して対処しないと解決できない。
91-100点 0人
81-90点 1人
71-80点 2人
61-70点 4人
51-60点 5人
41-50点 6人
31-40点 8人
21-30点 12人
11-20点 8人
0-10点 12人
合計 58人
学年トップは86点である。高校なら赤点である30点以下が 32人(55.2%)いる。半数以上が30点以下である。こういう生徒たちが全員、統合後の根室高校へ進学する。授業のレベルが大幅にダウンせざるを得ない。これだけ低学力層が増えてしまったら、根室高校普通科160人は二つの科へ分けて、使う教科書を別にすべきだろう。今年度四月から高校が統合になったが、根室高校の先生たちの困惑している顔が見えるようだ。
数学51点以上は14人(24.1%)しかいないから、未来の根室を支える主力は50点以下の75.9%である。40点以下は40人、69.0%いるが、大丈夫だろうか?人工知能の急速な性能アップで、単純労働どころか、少し知的な分野の仕事も、30年後にはずいぶんなくなると言われ始めている。どうやって食べていくのだろう?
*#2219 勉強に熱が入りだした中三生は学力がうんと伸びる Feb. 21, 2013
2017-05-03 09:01
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