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#2983 書き取りスピードアップ・トレーニング Feb. 18、2015 [71.データに基づく教育論議]

 学校や学年によってばらつきが大きいが、中学生になっても小学4年生程度の語彙力の生徒が2~4割もいる。少年団活動だ、部活だ、ゲームだ、ラインだと好きなことだけやっていると、たしかに本を読む時間などなくなるし、好きなことを我慢できる辛抱力も育っていない。ようするにワガママ三昧、子供をダメにしたかったら、好きなことだけやらせたらいい。

 本を読まないから、本を読む速度が標準の半分程度の生徒が四人に一人ぐらいいる。同様に、黒板を写すくらいしか書かないから書く速度が人の2倍もかかる生徒がいる、計算練習をしないから計算速度が標準の2~10倍もかかる生徒がいる、そういう生徒が各学校に2~3割も存在している。
 本を読まなければ読む速度が遅く読めない漢字がたくさんあるのは当たり前、書かなければ書けない漢字がたくさんあり書く速度が人の2倍もかかるのも当たり前、計算練習をたくさんしなければ計算力が育たず人の10倍も時間がかかってしまうのも当たり前のことだ。
 「読み・書き・そろばん(計算)」速度が三つとも標準の半分以下の生徒はほとんど学習障害状態なのだが、親も本人も気がついていないケースがままある、もちろん学校も有効な手が打てていない。部活指導は一生懸命でも、本業であるはずの基礎学力の充実に手をこまねいているのは教育のプロとしては恥ずべきことだ。優先すべきは部活指導ではない、本業の教科である。そこを手抜きした部活指導は生徒に勘違いを生む。どういう勘違いかというと、勉強しないで部活を一生懸命にやっていればいいという、とんでもない勘違いを生むことになる。社会人となったときにツケは何倍にもなって生徒本人を襲う。ひどい話だ。小学校の先生も中学校の先生も高校の先生も、生徒たちが社会人になったときのことまで考えて指導しなければならない。教育のプロはそこまで考え抜いて日常の指導をするものだろう?

 時間を計って読み(音読)・書き(視写)・計算(分数や少数の加減乗除の混合算)させればすぐに了解できる。市教委が根室市内の全生徒に計算問題集『カルク』を無償で配布したのにどういうことだろう?配るだけでは効果が薄い、計算の苦手な生徒は計算練習をやらないのである。そもそも計算の仕方がわからない。数学の成績下位層3割は先生が放課後補習をして手取り足取り教えないと救えない、実に手間がかかるのだが、そんなことすら市教委はわかっていない。
 昨年5月の弊ブログで、中1の生徒の計算力を比較したデータをアップした。5人の中で一番遅い生徒と一番早い生徒では速度に1:30の差があった。学校のクラスを調べたら、もっと大きな差があることに気がつくだろう。基礎的技能を軽視しているから、読み・書き・計算の速度調査なんてやったこともないのだろう。

 遅い生徒を速くするには、同じ計算問題を時間を計って繰り返しやらせるしかない。しかし、計算が苦手だと思い込んでいるから、なかなかやろうとしない。最初の内は目の前でやらせないといけない、でも家でやってこなければ効果は薄い。
 いやなことでも必要なことは辛抱してやり遂げるという習慣を小学生低学年のうちに躾けておかなければ、中学生になって塾へ通わせてもかなりやっかいなことになる禁酒・禁煙と同じで学習習慣を変えるのは困難を極める本人と家庭と塾とが同じ目標をもって取り組まないと治せない
 小学校6年間でこじらせてしまったら、治すのはたいへんな努力がいる。本人には辛抱力と努力が要求される、教える中学校の先生にも根気(辛抱力)とつきあう時間が要求される。小学校の学習内容にさかのぼって、何度も何度も同じことを教えなくてはならない。計算の苦手な生徒は、しばしば日本語語彙力も乏しく、説明内容がなかなか理解できないのである。そして思うようにできないから公然とふてくされる者が多い。ワガママを絵に描いたような生徒になってしまっているケースが多いのである。甘やかされて育つと、性格が曲がってしまう。調子のいいときや、好きなことはニコニコ顔でやるが、嫌いなこと苦手なこときつい状況になったときにすぐにふてくされる性格になってしまっている。小学校6年間ですっかり、ワガママな性格が出来上がっている。親やジジババがワガママに育ててしまったら学校の先生が治してやらなきゃ、誰が治す?そのまま大人になったら、鼻つまみ者で、語彙力が貧弱で仕事の指示が理解できない、仕事の見積もりの計算ができない、仕事の報告ができない、つまりは働くところがないことになる。読み・書き・計算の技能は標準的な水準まで全員が身につけるべきだ。小学校の先生は小学校で児童が身につけるべきこれらの能力をしっかり教えきれ、それがプロというものだ。中学校の先生たちは中学校で身につけるべきものを身につけさせて、高校へ送り出せ、それがプロというものだ。

 今日の話は書き取り速度の問題である
 中学生だと1分間に最低30字書けなければいけない。分速40字のペースで視写できれば、高校生になっても授業を聞きながら板書をノートに書き写せる。学力上位三分の一の層はほとんどの生徒が40~50字/分の視写技能をしっかり身につけている。学年トップクラスの中には小さなそろった字で50字/分ので書き続けることができる生徒がいる。そういう生徒は授業の理解力が高く、国語と英語の成績が学年トップだから、たいした努力をしなくても成績が全般によくなる。

(もちろん例外はいる。五科目500点満点の学力テストで420点前後の成績だったN山さんは、遅かった、じつにゆっくりと丁寧に書いていた、その代わり誰も真似できないほどきれいにそろえられた字だった。字に対する美的感覚が繊細な女の子だったのだろう。記憶にある限り例外はこの生徒一人だけだ。C中の生徒で東京六大学の一つに進学した。同級生3人と来ていたのに、お互いに授業中に私語をしないいい生徒だった。もちろんそういう生徒は三人とも成績がよくなる。塾でしつける必要のない生徒だった。お母さんがよほどしっかりしつけたのだろう、おみごと!ebisuも子育てした時代があるが、しつけはなかなかむずかしい。根室のお母さんたち、がんばれ!)

 30字以下の中学生は板書を写していたら、話が聞き取れないレベルと判断してよい。ついでにいうと、30字/分以下の速度の生徒は、中学生でも語彙力が小4以下の者が多い。すべての教科は日本語で説明がなされるから、語彙力が小4以下だと中学校の授業内容はその半分も理解できていないと考えるべきだ。放置しておいたら、すぐに高校生になる。高校生になったら授業の理解力はもっともっと落ちてしまう。「読み・書き・計算」速度が標準速度の半分以下の生徒は這い上がることができない。
 わたしは語彙力の判定に小4~6年生対象の『言葉力ドリル』をいう問題集を使っている。この問題集で40点以下の中学生は語彙力が小4以下だと判断している。首都圏で中学受験する小学生にこの問題集をやらせたら、90点以上の平均点になるだろう。算数は得意だが国語があまり得意でない小6の生徒にもやらせているが、ほとんど90点前後で、百点のことが時々ある。

 本をたくさん読む生徒は読み書きできる語彙が増えるから、読み書き能力は語彙力とも比例していることは当たり前のこと。読み書き計算速度が半分だったら、学習効率は半分ということになる。一生懸命に勉強しても、読み・書き・計算速度を大きくできなければ、年々学力差が大きくなる。所得格差と同じようにストックの小さい者はストックの大きな者にかなわないし、歳を経るごとに学力格差が拡大していく。だから、学力格差を縮めるためにどこかで「読み・書き・計算」速度をアップする必要がある。しゃにむに速度アップトレーニングをさせよう。

 ここからは、最近わたしが始めた方法を述べる。
 北海道新聞の一面に「卓上四季」というコラムがある、だいたい600語前後あるから、30字/分の速度だと書き写すのに20分かかることになる。
 書くのが遅い生徒に「卓上四季」の「視写」を指示した。初回は70分、8.6字/分である。書く速度は読む速度に比例しているようだ。意味の塊でまとめて頭の中に句や文がホールドできれば、書く速度は大きくなる。遅い生徒は一字ずつ、あるいはせいぜい3文字単位で書き写す。だから本を読んでも意味の塊を意識していないから、先読みができない。とくにひらがなが続くところで区切りがわからずに読み違えたり、「一時停止」してしまう。

 「視写」とはお手本を横において、書き写すことをいう。この方法だと文章を丸ごと写すので、漢字熟語の使い方がわかるし、書きなれることで文章を書くリズムが身につく。下手な作文を自分の頭でひねり出すより、良質のテクストを大量に視写したほうがしっかりした文章を書く力(作文力)の土台ができる(そういう意味では卓上四季には多少問題のあるものが混じっているといわざるをえない、ZAPPERさんが時々ブログ「情熱空間」で事例を挙げている)

 卓上四季の視写を始めて、7回目くらいになるが、25(24字/分)~28分くらいに速度が上がり、、いま足踏み状態へ突入している。3ヶ月続けてもらうつもりだ。中断したら、基礎学力が上がらず塾にきても意味がないから、そのときは塾をやめてもらう。
 だらだら書く癖は1年や2年でついたものではないから、殆ど性格にまでなってしまっており、なかなか治らない。計算問題をやらせても同じだ。短い3ヶ月という期間でしゃにむに治してしまうしかないのである。「生活習慣病」だからオトナが酒やタバコをやめるのと同じことである、しばらくの間ゲームやパソコン操作も禁じるから、本人には非常につらいのだが、厳しくすることで辛抱力も同時に育てる。

 C中学校の1年生担当の先生たち、2月に実施した文協学力テストで1年生の五科目平均点が200点を切って(197点、2年生は282.4)いる。こんなことは初めてだろう。小学校で学級崩壊を起こした学年の生徒たちは低学力層が膨らんでしまうから、中学校で何とかするしかない。そのままにして高校へ送ったら、教育のプロとしてまずいよ。中学校の先生たちは覚悟を決めて真正面から取り組むしかない、逃げたら仕事は楽しくなくなるから逃げてはいけない。きたえなおすことで、存分に仕事を楽しんでもらいたい


<余談>
 この三年間に限って言うと、根室市内の市街化地域の3中学校ではC中学校が生徒の学力改善に大きな功績を挙げた。校長先生が学校通信で、自身の光洋中学校野球部時代の経験を交えながら、文武両道のやり方について繰り返し具体的に説明をしていたし、部活指導の教員も、文武両道の大切さを生徒に繰り返し伝えるようになった。放課後補習も学校全体で何度も取り組んでいる。
 それでも、現在の一年生は「手ごわい」のである。小学校をなんとかしないと2年おき、あるいは1年おきくらいに「手ごわい」新入生が入学してくることになる。


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