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#2924 受験への意識の落差: 教育戦略思考のススメ Dec. 28, 2014 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 大学入試を考えると、小4からすでに淘汰が始まっています。都会の子供たちは小4から大学進学を意識して中学受験をするケースが多いのです。メインのコースは次のようなものです。

 有名私立中高一貫校 ⇒ 国立大学、私大トップレベル ⇒ 官僚、上場会社

 大学進学から就職まで、一貫した教育戦略の下に親は自分の子供に学習をさせます。もちろん、子供たちも具体的な目標をしっかり共有し、全国模試で自分の実力を定期的に評価確認しながら勉強を進めます。
 だから、多くの根室の子供たちのように高校に入学してから全国模試を受験して自分のレベルを知るのでは6年もスタートが遅れることになります。この差は決定的です。
 根室の子供たちは高校2年になってもほとんどが切迫感のない勉強をしています。高校3年になって夏の金比羅山のお祭りが過ぎてからようやく受験勉強に身が入り始めますが、半数はこの段階でも学校の授業についていくのが精一杯です。

 親も子も、どういう偏差値レベルの大学進学を目指すのか決めて、小学校の4年から具体的な教育戦略設定して戦うべきです。大学受験は保護者や子供たちが考えているほど甘くはありません。
 中学校で実施している文協学力テストは難易度の低いテストですが、五科目500点満点で、420点付近で大学受験偏差値に換算してようやく50にすぎません。
 ある中学校の昨年2年生2月の学力テストで420点を越えた生徒は46人中1人に過ぎません。一番多い中学校でも5~7人程度に過ぎません。根室市内の中学生が1学年240人として、五科目合計点で420点を越えることのできる生徒は10~15人です。この2年間では市街化地域の3校で一番少ないときは4人のことがありました。
 420点をとっていたら学年1~5番以内だから、勉強ができると勘違いしてしまいます。本当は大学受験で偏差値50=真ん中の成績に過ぎないのです。
 きちんとした客観的数値(偏差値)に基づく目標設定をして、それにあわせた教育戦略を親子で共有して小学校4年生のときから9年間学習をすることがいかに大切かお分かりいただけたのではないでしょうか。

 教育改革の同士であるブログ「情熱空間」が合格先生の鋭い分析をとりあげています、ご覧ください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7716886.html
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受験への意識の差(意識付けが異常に下手)

通常、塾の在籍者数(在塾生)のピークは10月になります。その後にセンター試験があり、大学受験生は徐々に抜けて行き、続いて私立高校受験と公立高校の推薦受験があるので、10月をピークに3月に向けて在籍者数は低下して行くことになります。

しかし、釧路は昔からそうじゃないんです。12月・1月、中には2月であっても中3生の駆け込み入塾があるからです。(なので、釧路だと在籍者数のピークは、大体12月になる)他地域の同業に話すと、例外なくみなさん驚くんです。「えっ、ウソ!」「信じられない…」と。

ちなみにウチの教室では、原則としてお断りすることはありませんが、その時期からの入塾を断っている塾も多くあるんですね。その理由です。あまりに期間が短すぎて、学力向上が見込めないから。その方針、すごくよく分かります。事実、端にも棒にもかからないといったケースが多いものですから。

実際、そうして他塾で断られた中3生の中には、相当に厳しい学力の子が多く、こちらとしてもそれなりの回数を受講してもらう以外、時期的に手の施しようがないケースが多くあるものです。(完全に教科を絞っての提案か、回数を多くしての提案か、こちらとしてもそうした提案しかできなくなります。それを断られたなら、入塾をお断りせざるを得ません)

そうした際にいつも思うことです。「なぜ、中学校で、高校入試の仕組みを、早い時期から親と子に伝えていないのか…」もう、毎度毎度それを思うわけです。中3の引退まで部活に次ぐ部活三昧。それも結構でしょうが、部活引退まで、高校受験にまるで意識が向いていない。そうした親子の多いこと多いこと。

もっともっと学力が伸びて当然の子が、しかしまるで伸びちゃいない。受験勉強開始があまりに遅すぎて、(確実に点数に跳ね返ってくる)限られた個所しか学習指導ができない。そうしたケースが、あまりにも多すぎです。中学入学時点から高校入試を意識している、帯広や北見とは大違い。なんともはや困ったものです。というわけで、合格先生のコラムです。

●意識付け・意欲付け
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html

《引用開始》
人は「意識が行動にでる」

 勉強を「きちんとする子」と「しない子」の差はどこにあるのか、というと、それはタイトルにある「意識・意欲」の差なんですね。そして、本当に良い先生と言うのは、勉強と言う題材を通して「意識・意欲」をしっかりつけることを目標とします。ですから、単に「うまい授業をしよう」とか「子供に考えさせる授業をしよう」とか、その程度の発想で授業を構築しようと思っても、なかなか結果が出てこないものなんですね。

 そして、自分たちは、どこに焦点を置くか、というと、結局、今までの安易な発想~「そこそこ勉強しておいて行ける高校に行けばいいや」とか「このくらい勉強しておけば、湖陵や江南に入れるだろう」~というような意識を変え、しっかり勉強に取り組まなければならない、という気持ちに変えることを目標にやっている訳です。当然、うまく行かない場合もあるんですが・・・。

 そうやって考えると、よく学校などで何か目新しい内容のものを行ったときに、よく「子供達の目が輝いていた」とか「積極的に発言していた」なんて言っても、その後の結果に結びついているかというと、どうやら釧路の場合「ノー」のようです。そして、どこに問題があるか、となると、この場合、その内容が「子供達の意識・意欲の向上につながっていない一過性のものである」ということなんだと思います。
 もちろん、そういった目新しいものは、どんどん積極的に行って欲しいのですが、それと合わせて「その題材をきっかけにして、教師が子供達の意識・意欲をどのように高めて行くか」というところまで、詰めていかないと、結局、とりあえずやった~、と自己満足してお終いになってしまう、ということなんだと思います。

 さて、こういった勉強の意識付けで、自分が今、一番気になっているのは「中学校1年生から入試が始まっている」という意識付け。実は、自分が以前いた北見では、新中1生が入学した直後の段階で、すべての学校で「内申点の計算方法」などを説明していました。もちろん、その説明会に参加しなかった父母の方は、計算方法を知らずに過ごしてしまうわけですが、大抵のお父さん・お母さんは、子供が中学校に入学した時点で、今からしっかり勉強しておかないと入試に不利、という事を最低限知っているわけです。
 ところが、釧路で「中1の段階で、内申の説明などありませんでしたか?」とお母さんに聞くと、これが「0」。どの中学校も全く行っていなかったんですね。
そして、よくよく確認してみると、内申の話を聞くのは「中3の総合AやBが終わった後が、初めて」という状況だったわけです。結果、釧路では、中1・2で「部活だ、部活だ」と、それだけになって、中3の2学期あたりから慌て始める親の多いこと、多いこと。

 結局、釧路の教師は、こういった「意識付け・意欲付け」が異常というくらい下手。少なくても中1の学年末の内申が高校入試に関係することは間違いないことですから、中学入学時点で、生徒や父母に話しておくのは当然でしょう。社会科の教師は、企業がPL法の関係で「説明義務を負う」事を生徒に教えているんでしょうに。もちろん、そういう法律がなくたって、学校側は、子供の将来に関わることは、きちんと関係してくる段階で「説明義務を負う」のは当然~最低限の義務~です。
 このくらい、きちんとやれよな~。
《引用終了》

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コメント 2

ZAPPER

ご紹介ありがとうございます。
中位層を底上げさせることは必然的に上位層の回復にもつながります。
今はまだ下位層救済が優先でしょうけれど、次の段階はそこであることを、教育行政と学校に認識していただきたいと思います。
なんのことはありません。
低学年をこそしっかりと鍛えて行けば勝手にそうなるわけです。
by ZAPPER (2014-12-29 11:09) 

ebisu

ZAPPERさん

成績下位層の底上げを図り、次に中位層を伸ばす。
こどもたちの日本語能力や計算能力の著しい低下現象が進行中なので成績下位層の底上げは、学校だけでなく保護者の協力も必要なのでしょうね。
ゲーム、ライン、ツィッターをのべつまくなしにやり続けて生活習慣が崩れてしまっている生徒が増えています。

いつまでにだれがなにとどう戦うのか、具体的な目標がだんだん明らかになってくるのでしょう。
by ebisu (2014-12-29 14:02) 

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